サランドの怒り
「な、なんで? アマイが……」
「こいつは情報屋として優秀だったし、受付嬢としても優秀だった。だから敵は潰しに来たんだろう。でも、アマイもバカじゃない。情報屋だとバレないようにやっていたはずだ。だが、バレていたということは……誰かがアマイを売ったということだ」
アマイを売った?何のために?
情報屋として優秀なアマイなら、殺さずに重宝したほうがいいに決まっている。
「アマイが最後に、あいつの異能で私に情報をくれた。アマイの異能は、特定の人に情報を送る異能だ。非常時以外は使えない異能でな。こんなことが起きて、使ってほしくはなかった」
アマイも異能使いだったのか。最後に、情報を残してくれたわけだ。
「アマイは、自分にこんなことがあったときのために、一人の弟子を用意していた。そいつはまだ未熟だ。ゆえに、そいつの護衛も選ばねばならん。だが、今はアマイの仇討ちが先決だ。とはいえ、その前に調べねばならんところもある。それを、ミサキの護衛をしつつツブキに頼みたい」
「調べることですか。それはなんですか?」
「教会だ。勇者パーティーにいただろ。僧侶。それと繋がりがあるだろう。そこから頼む。冒険者ギルドは教会に関与できないからな」
教会というのは、各パーティーが補佐役として僧侶を必要とする場合、教会に頼み、教会から派遣してもらわないといけない。
勇者パーティーにいた頃も、最初はディアモ、アスタ、ライト、僕の四人でパーティーを組んでいた。
だけど、Bランクの依頼を受けるあたりで教会に頼み、僧侶のカイナが派遣された。
「カイナ・アルナ。彼女を通して教会を調べてくれないか。彼女は基本的に教会付近にいるらしいから、お前の名前を出せばなんとかなるかもしれん。私はギルドの仕事をしながら報復の準備をする。ああ、それとナグモとミサキは、もう冒険者ギルドの中にいるぞ」
サランドさんは僕にそれだけ言うと、アマイの遺体を持って去っていった。
二人は冒険者ギルドにいるのか。僕も冒険者ギルドに戻ろう。
僕はサランドさんと別れた後、冒険者ギルドへ向かった。ギルドに着いて中へ入ると、入り口付近に二人はいた。
「ツブキ」
「ナグモ。ミサキは?」
「俺がついてるんだ。何かあるわけないだろ。それより、親父に聞いたよ。アマイがやられたんだってな」
情報を伝えるのが早いな。まさか、ギルドマスター室にいたのか?
「そうなんだ。それで僕は、教会のことを調べてほしいと言われたから教会に向かうけど、二人も来てくれるか?」
僕がナグモに言うと、ナグモはミサキに視線を向けると、ミサキは親指を立てた。
オッケーってことかな?




