爆破の異能
「そ、そんな……サニカ!」
僕は爆発によって煙が立ちこめている、サニカのいた場所へ急いで近づく。
そこには、爆散したサニカの腕が落ちていた。
サニカの身体は、見るも無惨なほどバラバラになっていた。
「その女みたいな死に方がしたいなら、突っ込んでこい。今なら攻撃をやめれば許してやる」
アキザは、バラバラになったサニカの死体を指差しながら言う。
僕は怒りを抑えながら、影の異能を使ってアキザの身体を地面に拘束した。
サニカは今日会ったばかりの人だ。それでもこんな、バラバラになって死ぬような人じゃなかったと思う。
僕がゆっくりとアキザに近づいていると、目から大量の涙を流したガマルが近づいてきた。
「すまないが……拙者にやらせてくれないでござるか? サニカの仇は、拙者が討ちたいでござる」
「……そうだね。それじゃ、好きにしていいよ」
僕がそう言うと、ガマルはアキザへと近づいていき、アキザの背中に剣を突き刺そうとした瞬間ーー
「俺様はタケイサ組のやつにならやられてもいい。だが、お前みたいな冒険者ってやつに殺されるのは、ごめんだな」
アキザは地面を爆破した。
ドォンッ!
爆風によって僕の影の拘束が破られ、同時に、立ちこめた煙の中からアキザが飛び出し、近くにいたガマルの顔に触れた。
「なっ――」
次の瞬間、アキザはガマルの顔を地面へ叩きつける。
ドォンッ!
爆発が起こった。
「ガマル! ガマルー!」
僕は慌ててガマルのもとへ駆け寄る。
生きているのか確認しようとするが、煙が晴れた瞬間、ガマルの顔は、なくなっていた。
そこには、顔を失った身体だけが地面に転がっている。
「極道に関わるから、こうなる。冒険者なら冒険者らしく、魔物を狩ったりしているだけでいいのによ」
アキザはそう言うと、ガマルの死体を蹴り飛ばした。
その瞬間――僕の中で何かが切れた。
僕は影の異能を使い、影の兵隊を生み出す。
「お前は……絶対に許さない」
怒りで身体が震える。
「お前の思惑通りにはさせない。冒険者である僕が、お前を殺す」
「おいおい。俺様、親切にカタギは関わるなって言ったばっかりだよなぁ?」
アキザは笑いながら言う。
「まあ、そんなに死にてぇなら止めはしねぇがよ。俺様の爆破の異能で、てめぇの身体を爆破しまくってやんよ」
「……やってみろ」
僕はアキザへ向かって、影の兵隊を向かわせる。
「シャドウ・トルーパー。五体。弓兵二人、剣士二体、盾兵一体」
五体の影の兵隊が、一斉に動き、まずは盾兵をアキザへ近づける。
そして、その背後から弓兵二人が一斉に矢を放った。
「ちっ! 手数が多い!」
「異能使い同士の戦いなんだ。卑怯とか言うなよ」
弓兵たちが次々と矢を放ち、アキザは矢を避けながら、盾兵の攻撃をかわしていく。
「さっきまで拘束しかしてこなかったのに、急に攻めに入りやがって……。さっきの奴らは囮か!」
「囮なわけないよ」
僕はアキザの動きを観察しながら答える。
「正直、お前をなめていた。こんなに頭の回るやつだとも思わなかったからね」
「……だったら、後悔しな!」
アキザが弓兵の放った矢を避けた瞬間、僕は命令を出す。
「剣士――行け」
二体の剣士が、アキザへと一気に距離を詰める。
「なっ――!」
次の瞬間、二本の剣が、アキザの身体を貫いた。




