タケイサ組での激闘
僕、ツブキは商店エリアで必要な準備を終えると、サランドさんに言われたタケイサ組の事務所付近へと向かった。
そこには、僕の知らない二人の人物が待っていた。
一人は金髪の男だった。頭にはサングラスを乗せ、背中には剣と槍を一本ずつ背負っている。
その男が僕に気づくと、こちらへ近づいてきた。
「すいません。あなたはツブキ・ドゥン殿でござるか?」
「はい。僕はツブキです。あなたは?」
「申し遅れて申し訳ない。拙者はガマル・クダル。冒険者でござる。サランド殿から冒険者としての心得を教えてもらったものでござるよ。あちらにいる彼女はサニカ・カイラン。弓使いでござる」
ガマルが紹介すると、もう一人の女性がこちらへ歩いてきた。
緑色のショートヘア。眼鏡の奥にある瞳は穏やかそうだが、その背中には弓が背負われている。
どうやら彼女がサニカらしい。
「はじめまして。サニカです」
「はじめまして。二人はサランドさんから、どこまで聞いてるの?」
「ギルドマスターからは、ツブキ殿の手伝いをするように言われているでござる」
「なるほど……」
どうやらサランドさんは、僕の戦力として二人を寄越してくれたらしい。ありがたい。
これからタケイサ組と戦う可能性がある以上、仲間が増えるのは心強い。
「じゃあ、二人ともよろしく。さっそくタケイサ組の事務所に――」
その瞬間だった。
ドォォォンッ!!
「――っ!?」
突然、タケイサ組の事務所の方向から凄まじい爆発音が響き渡った。
建物の向こうから黒煙が上がっている。
「これは……まさか、もう……!」
僕は嫌な予感を覚えた。
「二人とも、僕についてきて!」
「承知したでござる!」
「分かりました!」
僕たちは急いで事務所へ向かった。
そして、そこにいたのは、緑色の髪。赤いTシャツを着た男がいて、爆発によって破壊された事務所の前に立っていた。
「誰だ、お前らは?」
男はこちらを睨みつける。
「俺様は今からここを攻める。邪魔をするなら……殺すぞ」
その言葉を聞いた瞬間、僕は剣に手をかけた。
「あいにくだけど、それはさせないな」
僕は男を真っ直ぐ見据える。
「だって僕は、お前を殺しに来たんだから!」
「……へぇ」
男は口元を歪めた。
「初対面で殺しに来たとか、酷いな。俺様は真っ当に生きてるカタギだぜ?」
「カタギとか言ってる時点でヤクザだろ!」
僕は男を指差す。
「お前は『爆破のアキザ』! 違うのか?」
「……そうだな」
男はニヤリと笑った。
「俺様は爆破のアキザ。サング組のもんだ」
アキザと名乗った男は、破壊された事務所を一瞥する。
「俺様はサング組の今後のため、この邪魔なタケイサ組には消えてもらう」
そう言って、アキザが僕へ手を伸ばした。何か仕掛けてくる――!
そう直感した僕は、すぐに影の異能を発動する。
「影よ!」
僕の足元から伸びた影がアキザの身体へ絡みつき、その動きを封じ込めた。
「ぬっ!?」
アキザの身体が止まる。
「今だ! 二人とも、やるんだ!」
「承知!」
ガマルが叫ぶと同時に、サニカが弓を構えた。
狙いは――アキザの胸部。
「はっ!」
ヒュンッ!
放たれた矢が、一直線にアキザへと飛んでいく。
「この俺様が、この程度でやられると思うな!」
アキザが叫んだ。次の瞬間ーー。
ドンッ!!
アキザを拘束していた僕の影が爆発した。
「なっ!?」
爆風によって僕の影が弾け飛ぶ。
その隙を逃さず、アキザは飛んできた矢を片手で掴んだ。
「なにっ!?」
「返すぜ!」
アキザは掴んだ矢を、そのままサニカへ投げ返した。
「サニカ! 避けるでござる!」
ガマルの叫び声が響く。
「えっ――」
サニカが身をひねる。だが、間に合わない。
矢は彼女の身体へ突き刺さるように迫り――。
ドンッ!!
サニカの身体に触れた瞬間、矢が爆発した。
「きゃあああああっ!」
爆炎がサニカの身体を包み込む。
「サニカ――!」
僕は思わず叫んだ。




