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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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サング組 アキザ

 ツブキが商店エリアへ向かった頃。

 サング組の事務所付近で、事務所を不満そうに睨みつける一人の男がいた。

 男の名はアキザ。緑色の髪に赤いTシャツを着ており、服には「×」の文字が描かれている。下にはダメージジーンズを履いているのが特徴的な男だ。


「ったくよぉ。チェイサーの奴、俺様にこんな面倒なことを頼みやがって。後で爆破してやる」


 するとーー


「まあまあ、そんなこと言わずに」


 アキザのいる拠点に、一人の男が訪れる。


「ちっ。何しに来やがった、チェイサー。俺様はイカれた男――爆破のアキザだぜ」

「僕はね。アキザのこと、結構気に入ってるんだよ?」


 チェイサーは笑みを浮かべながら続ける。


「君がわざとイカれた奴を演じて、組の連中から嫌われようとしていることも知ってる。そうやって自分を嫌われ者にすることで、組の奴らに迷惑をかけないためだろ?」


 チェイサーの言葉に、アキザは笑った。


「俺様が組に対して、そんな殊勝なことを考えているとでも思っているのか?」


 アキザは鼻で笑う。


「俺様は気に入らねぇ奴を爆破する。それだけだ」

「でも、それは外道や敵対組織の奴らだけだ。それは僕も知っているし、組の中で君を理解している奴も分かっている」


 チェイサーはアキザを見つめる。


「君のことをよく思わない奴らが、君のことを悪く言って『ヤバい奴』扱いしていることもね」

「……ふん」


 アキザは顔を背けた。


「そんなくだらないことを言いに来たのか?」

「違うだろ?」


 チェイサーは静かに言葉を続ける。


「君は組の指示に従ってタケイサ組に侵入し、そこで暴れる。そして――」

「わざとタケイサ組の奴らに殺される」


 チェイサーが言い終える前に、アキザが言葉を引き継いだ。


「……それでいいの?」


 チェイサーの問いに、アキザは笑った。


「今、笑うようなことを言ったつもりはないけど?」

「あぁ、悪い悪い」


 アキザは笑いながら頭をかく。


「いや、俺様はサング組じゃ嫌われていたし、今の組長はどうやら俺様が嫌いらしいからな。まあ、俺様もあの組長は気に入らねぇが」


 アキザは一度、事務所の方へ目を向ける。


「このままだと、外道の集まる組にもなりそうだ。だから俺様は、先に降りさせてもらう。それだけだ」

「僕は、君より特攻するならもっと適任な奴がいると思うけどね」

「……それはダメだ」


 アキザの表情から、笑みが消える。


「俺様はヤクザとしては長くやってる。本来なら若手を育てなきゃいけねぇ」


 アキザは拳を握る。


「若手をヒットマンに使うなんざ、許されちゃいけねぇんだ。若い奴には今後、組を変えてくれるやつもいるかもしれねぇ」

「……」

「だから、もう行かせてもらうぜ」


 アキザはチェイサーの横を通り過ぎる。


 そして、すれ違いざまにチェイサーの肩へ手を置いた。


「サング組は任せたぜ」

「……」

「お前は上手いことやる奴だからな」


 アキザは背を向けたまま続ける。


「俺様は、お前のそういうところが気に食わなかった。だが、お前の上手いやり方は俺様にはできねぇ」


 アキザはチェイサーから手を離す。


「だから、組のことは頼んだぜ」

「……バカな奴」


 チェイサーがそう呟くと、アキザは振り返ることなく、拠点から出ていった。

 そして、タケイサ組の事務所へ向かう。しばらくして、アキザはタケイサ組の事務所へと辿り着いた。


「ここがタケイサ組の事務所か……」


 門番がアキザに気づく。


「おい! 何者だ!」

「俺様か?」


 アキザはニヤリと笑う。


「俺様は――爆破のアキザだ!」


 次の瞬間。

 ドォンッ!爆発音が響き渡った。

 アキザは爆破の異能によって、門番を殺害する。


「邪魔すんなよ」


 アキザは倒れた門番を一瞥すると、そのまま事務所の中へ入ろうとしたがーー


「止まれ!」

「ここから先へは行かせねぇぞ!」


 複数の男たちが、アキザの前に立ちはだかった。


「……へぇ?」


 アキザは口元を吊り上げる。


「俺様を止めるってのか?」

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