刻印 過去
我は刻印。もとの名前は忘れた、というより刻印という名前を与えられる前の記憶がごっそりとない。ないはずが、なぜだ。あの女の捨て身の攻撃で我は死を覚悟した瞬間、我の、刻印となる前の記憶が流れ込んでくると言えばいい、のか?
我は刻印の異能を混沌の長よりいただく前の名前はサイア。我は東ステイティアの裏路地で育った。親はしらん。ただひたすら生きるのに必死だった。生きる為ならなんでもやった。この世は弱肉強食。弱者はただ強者にくわれるのみ。我はただ強いだけでは生きていけぬと弱いやつと戦い気づいた。弱いやつは当たり前のように群れ、一人の強気ものを狙う。弱いやつがただ群れるだけで真の強者には勝てん。であればどうするか。それは頭を使うこと。作戦を考えること。罠を張り、敵を騙し、実力が足りずとも敵を倒す。我は強かったが頭が足りなければ負けることも考え、頭を使うやつの行動を見て、それを学び、我は賢く生きるようにした。
そんな人生を過ごして何年か、いい歳、二十歳過ぎくらいかな?それくらいに今はまだ混沌は小さな組織だったがそこのやつに声をかけられた。混沌という組織については知っていたが我は群れるというのはあまり好きではなかった。極道とは違いまじめなルールはないが上下関係は多少はある。そんなものを気にするくらいなら一人で生きていたほうが楽だと思っていたが我を誘ったものは
「一人の力には限界があるだろ。俺が面倒見てやるからよ。それに俺の見込みだとお前はまだまだ強くなる。こんなところで一人で生きていくなんて勿体なさすぎる」
我を誘ったものは我に言い、我はそいつについていくことを決めた。たとえ我より弱かろうとこいつを支えようとな。
そして混沌にはいり、我はどんどん成果をだし半月ほどで混沌の長よりこの力、刻印の異能をいただき刻印という名をいただいた。最初の頃、刻印は我の体になじまず足が全く動かなくなり、我は車椅子での生活を余儀なくされた。慣れるまでは本当に大変だった。なんせ我は半月ほどで名持ちとなったので最初の頃は我を車椅子から地面に落とすやつがいたり、足が動かないことから這いながら床を移動していると見ている奴らは我を見て助けることはせず、笑っていた。
このような組織いつまでもいたくはないな。やはり我は一人の方がよかったのだろうか。この時にはもうサイアとしての記憶はなかった。ただ我は混沌に所属し、混沌で名をあげる。その時はそれだけしか思い浮かんでなかった。




