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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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D級パーティー カマクラン

「お嬢。ここは俺が、あの二人の相手をします」


 ナグモがミサキに絡んでいたガラの悪い冒険者たちの前に立つと、先ほどミサキに話しかけていた男が、ナグモを睨みつけながら口を開いた。


「俺たちはD級ランクパーティー『カマクラン』だぞ? 俺はザランク・ドン。そして、こいつはミルト・ルトだ!」


 ザランクと名乗った男は、大柄な体にハンマーを背負っている。

 その隣にいるのは、黒髪でどこかおとなしそうな男――ミルト。彼の武器は双剣だ。

 二人とも銅製の鎧を身につけている。


「ナグモ。私も――」

「大丈夫です」


 ミサキが加勢しようとするが、ナグモはそれを制する。


「こんなアホども、俺一人で十分です」

「……なんだと?」


 ナグモの言葉を聞いたザランクの顔が怒りで歪む。


「上等だゴラ! 表に出ろや!」

「はいはい。分かりましたよ」


 ナグモはため息をつくと、ザランクとミルトの後に続いてギルドの外へ出た。

 ギルドの前まで出ると、ザランクはハンマーを手に取る。


「お前、俺とミルトのことをアホって言ったよな? お前の方がアホなんじゃねぇのか?」


 ザランクがハンマーを構える。


「二人がかりで戦う俺たちが、負けるわけねぇだろ!」


 ミルトも無言で双剣を抜いた。そんな二人を見て、ナグモは呆れたように肩をすくめる。


「やれやれ。身の程をわきまえていないと思えば、今度は二対一で挑むのか」


 ナグモは二人を見据える。


「お前らは本当に愚かだな。あいつらの手先かと思ったが……どうやら、お前ら二人は違うらしい」

「うるせぇ! とっとと死ねやぁ!」


 ザランクが叫びながら突っ込む。その瞬間、ナグモは腰に差していた鎌を抜いた。


「――遅い」


 次の瞬間、ザランクとミルトの身体に斬撃が走った。


「痛っ!」

「ぐっ……!」


 二人が同時に後退する。ナグモは鎌を構えたまま、冷たい目で二人を見る。


「お前ら如きなら、武器を抜く必要すらない」


 そして、ミサキの方へ一瞬だけ視線を向ける。


「だが……お嬢に絡んできたことは許さねぇ」


 ナグモは再び二人に視線を戻す。


「だから、もう少しだけ死なない程度に刻んでやる。――来いよ」

「い、一回当たったくらいで調子に乗るな!」


 ザランクとミルトは再びナグモへと接近する。ザランクがハンマーを振り下ろし、ミルトが左右から双剣を振るう。


「遅ぇよ」


 ナグモは二人の攻撃を紙一重でかわす。

 次の瞬間、ザランクとミルトの身体に、再び斬撃が走った。


「うぐっ!」

「ぐあっ!」


 二人が地面へ倒れそうになる。ナグモは鎌を肩に担ぎながら、冷静に言い放った。


「弱い。弱すぎる」


 ナグモは二人を見下ろす。


「お前たち二人より、お嬢の方が強いぞ」

「こ、この……調子に乗りやがって……!」


 ザランクがナグモを睨みつける。そのときだった。


「…………」


 ミルトがザランクの肩に手を置き、首を横に振る。


「……ちっ」


 ザランクは舌打ちすると、ナグモから視線を逸らした。


「今日はこれくらいにしといてやる。じゃあな!」


 ザランクはハンマーをしまい、ミルトも双剣を収める。


「まだ仕置きとしては足りねぇが……まぁいい」


 ナグモも鎌をしまう。


「俺は弱いものいじめをする気はねぇからな。とっととどこかへ行きやがれ」

「覚えてろよ!」


 ザランクは捨て台詞を吐くと、ミルトとともにその場を去っていった。

 二人の姿が見えなくなったのを確認すると、ナグモはミサキのもとへ戻る。


「お嬢。戻りましょう」

「うん」


 二人はそのままギルドの中へと戻っていった。今日受ける依頼について話し合っていた。


「今日はどの依頼にする?」

「そうですね。俺としては――」


 そのときだった。


「ミ、ミサキ……!」

「え?」

「……ツブキ?」


 二人が振り返ると、そこには、汗だくになりながら、息を切らしているツブキの姿があった。


「はぁ……はぁ……!」


「ツブキ!?どうしたの!?」


 ミサキとナグモは、突然現れたツブキに驚く。

 ツブキはなぜ、ここまで汗だくになって慌ててやって来たのか。


「二人に……伝えなきゃ……!」


 ツブキは必死に息を整えながら、二人に何かを伝えようとしていた。

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