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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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ライト・スクルド 2

 ライトは多少は戦闘ができるけど、こんな面倒なことはやらない。いつものライトなら。

 ただ、誰かに頼まれたとなると、こういう面倒なことでもやる。それが僕の知っているライトだ。


「誰に頼まれたの?」

「だから俺は、誰にも頼まれてなどいない!」


 ライトがいつまでも意地を張るから、僕は影をライトの腕に巻きつけ、思いっきり締めつける。


「ぐぁぁぁ!」

「僕はね。元仲間だから手加減してるんだよ、ライトさん。でも、いつまでも意地を張るようなら……腕の一本や二本、折らせてもらうよ」

「お、お前……本当にツブキか?ツブキの偽物じゃ……」

「僕は正真正銘、勇者パーティーで荷物持ちをしていたツブキ・ドゥンだよ。さぁ、早く誰に頼まれたのか言って」


 僕が影にさらに力を込めようとした、その瞬間――。


「わかった!吐く!吐くから!」


 ライトさんは悲鳴を上げながら叫んだ。


「サング組っていうヤクザの……チェイサーって男だよ!」


 チェイサーという男は知らない。けど、サング組ってことは……もしかして。

 僕はライトさんの拘束を解き、急いでフルイヤの洞窟の入口へ向かう。洞窟を出ようとしたところで、僕はふと後ろを振り返った。

 その瞬間、ライトさんが僕の背中に剣を向けていた。


「俺より弱い奴が、調子に乗るんじゃねぇ!」


 ……残念だよ、ライト。僕にそこまでして勝とうとするなんて。本当に……残念だ。

 僕は振り返ることなく、異能を発動する。

 次の瞬間、地面から伸びた影の刃がライトさんの両肩を貫いた。


「がぁぁぁぁぁ!」


 ライトさんの悲鳴が洞窟内に響き渡る。

 僕はその声を聞きながらも、振り返らず、その場を後にした。

 本当なら、洞窟の中で魔物に襲われないように、最低限は戦える状態で放っておくつもりだった。

 けど、両肩を貫いてしまった。


 これじゃあ、ライトには少し厳しいかもしれないね。僕にはもう関係ないか。チャンスはあげた。それを棒に振ったのはライトだ。

 僕はライトのことを気にせず、急いで王都へと戻った。


 ――ツブキがライトとフルイヤの洞窟にいた頃。王都の冒険者ギルドでは、ナグモとミサキがガラの悪い冒険者たちに絡まれていた。


「よう。お前、ミサキって言ったか? 最近、調子に乗ってんじゃねぇか?」

「え?乗ってませんよ。私は普通に依頼をこなしているだけですけど」


 ミサキがそう答えると、ガラの悪い冒険者は近くにあったテーブルを勢いよく叩いた。


「はぁ?お前のせいで、俺たちの受けられる依頼が減ってきてんだよ!このままじゃ生活できねぇじゃねぇか!」


「それはすみません。でも、依頼ならあそこにもたくさんありますよ?」


 ミサキが指差した先には、まだ多くの依頼書が貼られていた。そこにある依頼の多くは、目の前の冒険者たちでも受けられるものだった。


「あ? 俺たちが自分のランクより低い依頼を受けちゃ悪いのかよ。あ?」

「別に悪いとは言いませんけど……でも――」

「うるせぇ!」


 ミサキの言葉を遮り、冒険者は立ち上がる。


「表に出ろや!」


 そして、仲間たちを引き連れながらミサキを睨みつけた。


「俺たちパーティー『カマクラン』が相手してやるよ!」

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