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勇者パーティーを追放された影の異能使い  作者: アークマ
第一章 ツブキの新たな生活

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接触

 僕とナグモは路地裏で戦ったあと、一旦冒険者ギルドで落ち合った。

 ギルドの中に入ると、ミサキが僕たちを待っていた。


「遅いですよ、ツブキ。何してたんですか?」

「いやー。色々とね。あ、そうだ。今日からもう一人、パーティーに仲間を入れたいんだけどいいかな?」


 僕はミサキにナグモを紹介する。するとミサキは、ナグモの方を見ながら尋ねた。


「ナグモさんは冒険者として長いんですか?」

「いや、俺は冒険者じゃない。でも、ツブキとは友人でね。彼と一緒に依頼をこなしたくて、このパーティーに入りたいんだ。だから、依頼の報酬は俺に分けなくていいよ」

「か、変わってますね。報酬がいらないなんて……。別のお仕事をしてるんですか?」

「ま、まぁね。別の仕事はしてるよ」


 ナグモが答えると、ミサキは少しだけ彼のことを見つめた。そして何も言わず、ギルドの外へ出ていった。


「……あれ?」


 もしかして、ナグモをパーティーに入れるのが嫌だったのかな?

 僕がナグモの肩に手を置こうとした、その時、ミサキがすぐに戻ってきた。


「何してるんですか? 早く行きましょう。ツブキにナグモさんも」

「ナグモでいいよ。俺はミサキを『お嬢』と呼ぶね」

「え? 何で?」


 ミサキは首をかしげる。

 しかし、ナグモはなぜかそこだけは譲らなかった。

 理由を知っている僕には分かるけど、何も聞かされていないミサキからすれば、突然『お嬢』なんて呼ばれるのは嫌だろうな。


「まぁ、いいですよ。それくらいなら。それじゃ、行きましょう」


 こうしてミサキは、ナグモの『お嬢』呼びを許した。その後、僕たちは一緒に依頼へ向かった。

 それから僕たち三人は、基本的に三人で依頼をこなすようになった。

 僕が休みたい時は、ナグモがミサキの護衛を兼ねて依頼に同行する。

 逆にナグモの都合が悪い日は、僕がミサキの護衛を兼ねて依頼に同行した。

 そんな日々を過ごし、数週間が経ったある日のこと。

 僕が一人で王都を歩いていると、見知った男が、僕の前に現れた。


「よう。ツブキ」

「……僕に何の用ですか。ライトさん」


 僕の前に現れたのは、かつて僕が所属していた勇者パーティーの一人、戦士のライト・スクルドだった。


「お前に用があってな。ここで話すのもアレだし、あそこに行こうぜ」

「……あそこ?」

「フルイヤの洞窟に」


 ライトが口にした『フルイヤの洞窟』は、中級程度の冒険者がよく訪れる場所だ。

 そこにはゴブリンやコボルトなどの魔物が生息している。さらに、Fランク冒険者だと倒すのが難しい、石でできたストーンマンという魔物も出現する。


「構いませんけど、依頼なら皆さんで行けばいいじゃないですか」

「まぁまぁ、そんなこと言うなよ。俺もあの時は言いすぎたんだ。仲直りがしたいんだよ」

「…………」


 仲直り、か。それ自体は構わない。

 でも、わざわざ洞窟まで行く必要があるのだろうか?

 僕はライトを見つめると、微かだが、殺気が漏れている。

 わかりやすい男だな。狙いは多分僕を殺すことだね。

 それなら、王都にいるよりも洞窟に行った方がいい。

 周囲に人がいない場所なら、僕も遠慮なく戦える。


「分かりました。それじゃ行きましょう」


 僕はライトを見ながら、静かに答えた。


「フルイヤの洞窟に」

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