「流星と玄曜の名前について」
「龍霊雨器」本編では語りきれなかった設定や裏話に加えて、
各回の最後には、ここでしか読めない限定SSもあります。
*本編のネタバレ満載の内容になりますので
未読の方はお気をつけください。
今回は名前の由来や意味について語ろうと思います。
『龍霊雨器』の主人公の名前を考えた時に、星とか
神秘的な名前がいい!とぼんやり考えていました。
W主人公だし、一人は活発で真っ直ぐで
主人公らしい名前で。
『流星』なんて可愛いじゃないか。
文字からして、キラキラしてて主人公らしくて良い。
しかし流星という名前が、一瞬の輝きで終わることから
「儚さ」や「短命」を想像させる、あまり名前としては
いいイメージではない……と、どこかで読んだんですよね。
えー!?そうなのー!!?
すっかり作者の中で定着してたのに!
じゃあ変えた方がいいのかなぁ……何がいいかな。
『輝星』にしようかな………と、いう訳で一時期、
流星は『輝星』という名前に変えていました。
でもコメディで、話を進めていくと……
やっぱり『流星』なんだよなぁ〜〜!
ピューン!とキラキラしながら動いているのがいいんだよなぁ!
決定的だったのが最終話第10話のシーンで、
――
《第10話抜粋》
長い回廊を、ただ真っ直ぐに。
ひたすら駆け抜けていく。
燕栖が攻撃を弾くたび、眩い光が散り、
その残影は一本の光となって流れていった。
「……流れ星……?」
遠くから眺めていた警備兵たちは、
その一瞬の美しさに、思わず息を呑んだ。
――
↑このシーンの「流れ星」という表現を
名前とかけてどうしても使いたくて!!
たしかに一瞬の輝きかもしれないけど、誰かを魅了して、
誰かの願いを込められるなんて……凄く良い!!
そんな作者の想いを込めて『流星』に戻すことに。
玄曜の“黒”と対になるように“白”をつけて、
白流星が誕生しました。
*
玄曜というキャラクターが生まれた時、“黒い”
イメージが漠然とありました。
玄は中国で 黒、奥深い、深遠。神秘や不可解、など意味があります。
古典中国語では、この世界の根本原理や、言葉で説明しにくい
奥深い真理を表す語として好んで使われるそう。
うーん……すごく良い!
曜は太陽や星などが「輝く」「光を放つ」こと。
流星に宿った龍の神、天星も太陽と星、二つの
輝きを持っていましたね!
玄曜はカリスマ的に輝いている部分はありますが、
玄曜自身はどこまでも黒く、深くて光が一切ない、
得体の知れない人物……そんなイメージです。
流星は、玄曜という真っ暗な場所に突然現れた
一筋の流れ星、という訳。
主人公達の名前はとても気に入っています。
*
SS「流れ星」
「ぎょええ――!!」
頭上から悲鳴が降ってきた――と思った次の瞬間。
どさり。
流星が、玄曜の腕の中に落ちてきた。
「……何してんだよ」
「えーと……その……洗濯物が風に飛ばされちゃって」
視線を上げる。
木の枝に、布が引っかかっている。
なるほど。
取ろうとして――足を滑らせたか。
………………
…………
……コイツの危機管理はどうなってるんだ。
双燕守環がある以上、
大怪我はしないだろうが。
――問題は、そこじゃない。
このバカは、そんなこと一切考えていない。
「何?? 玄曜、なんで怒ってるの?」
「なんでもねーよ」
ぶっきらぼうに答え、離れへ向かってそのまま歩き出す。
腕の中には、当然のように流星を抱えたまま。
「ちょ、ちょっと待って!? あの……玄曜……?」
「……」
「降ろしてほしいんだけど……」
「捕まえたから、オレのものだ」
さらりと、言い切る。
「はあ!?」
流星が抗議の声を上げるが、無視する。
――イライラする。
予測できない動き。
自由気ままに走り回る、その在り方。
まるで――名前の通りだ。
(……流れ星、か)
ふっと視線を落とす。
腕の中で、じたばたともがく存在。
「ちょっと玄曜!聞いてる!?」
「聞いてる」
適当に返しながら、歩みは止めない。
ここ最近、仕事が立て込んでいた。
ろくに構う時間もなかった。
だから――
(捕まえたなら)
(逃がす理由はない)
腕に力を込める。
「ちょっ、苦し……っ!」
「暴れるな」
短く言い放つ。
そして、わずかに口元を歪めた。
(捕まえた流れ星には――)
(存分に願い事を叶えてもらうとするか)




