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延びない火から固まる飴

毒ニワトリは2種類いた。

ドスドス走るやつと、ギュンギュン飛ぶやつ。

飛ぶやつのほうが羽が長くて顔がかっこいい。


それはいいとして


タヌーサさんの手から出ているらしいオーロラのようなものは

すごく熱いらしく、触れた毒ニワトリがどんどん燃えていく


「平気なんでしょうか?火事とか」


と尋ねてみると


「火魔法なので」


との返答があった

わからないけれどわかった気がしたというか、あきらめがついた

魔法とか言われたらしょうがない。


そして俺は魔法がわからない


うろうろと火を広げながら

俺流、今が夢か現実かの見分け方、まぶたを閉じていても見えるか?を試したが見えない

ほっぺたをつねってみるも普通に痛い

夢ではない


俺はもしかしたら、本当に知らない林にいる。

うちのリビングのことを考えた。

カーペット、こたつ兼用ローテーブル、テレビ、プロ野球、みなちゃん


みなちゃん

結婚3年目


「ふう、ほんとにいっぱいいますね、がんばりましょうね」


「はあ、はい」


「そろそろ回復しなおそうかな、レストア……

 あ、ナカシマショーヤさまにやってもらったらよかったですね。次お願いします」


「ええ?はあ。レストア」


するとどうだろう、出た。

俺の指先から白い光がぽやぽやと、綿埃みたいに。


「ナカシマショーヤさま、まだやってもらわなくても平気……

 だけど、なんか、いい気持ちですー。じわーっと、指先があったかくなる感じでー」


「なっ、なんか、なんか出ましたね?」

俺はすごく慌てたけれど


「ええー、こっちにもいた。これは10年に一度の大発生かもしれませんよ。」

いまいち会話がかみ合わない。


「あのっ」


と、言いかけたところに、火のオーロラを突き破って毒ニワトリが入ってきた



タヌーサさんは右手を前にかざしていて、そこからオーロラが出ていた

右手とオーロラの前に左指を割り込ませる感じで差し込んで


くるくるくる、と綿あめ作るみたいに回して


「ファイヤーウォールッ!」


できあがった綿あめよりはりんご飴みたいに硬そうな、かつ熱そうな何かを投げつけ

毒ニワトリを迎撃した


命中はしなかったが毒ニワトリを掠めた。

そして毒ニワトリもタヌーサさんの二の腕を掠めた。


「きゃあーっ!い、いたたたたた!どく!」


タヌーサさんが叫び


「レストア!」


俺も叫んだ 見よう見まねで手かざしして


すると、レストアとタヌーサさんの間に、毒ニワトリが飛び上がって割り込んだ。


目がくらむ量の白い光が放出される。


なんだろうこれは、まさか、体にいいやつが俺から出ているのか

毒ニワトリは健康になってしまうのか!?


結果として、眼前に現れたのは、腰くらいの高さの台の上に

新鮮そうな鶏肉、鶏肉の乗った皿、油の満たされた鍋、

ニンニク、ショウガ、醤油、砂糖、塩、コショウ、菜箸の刺さった空のボウル、薬味おろし、包丁、まな板。


「ギャアアアアアアア!」


まだ無事な毒ニワトリが叫んでいて、俺は叫びそびれた。

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