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カンピロバクターは確かに毒かもしれない

「レストア」

俺は繰り返した。

指先から、ぽわわわ、と白い光が出た。

タヌーサさんの二の腕の傷は、きれいになくなった。


「ありがとうございます」


タヌーサさんは笑った。

その感じが幼かったので、もしかしたらこの人は、すごく若いのかもしれないと思った。


オーロラの外側で、毒ニワトリは燃え続けている。


「タヌーサさん、なんでしょうか、これ」


俺は調理台をオープンハンドポイントで示した。


「す……すごい豪華な、テーブルと、金属の器と鍋と、これ、もしかして油!?

 それにお肉……しかもなんか捌きたてみたいですねえ 毒抜きはこっちでやる感じです?

 私、けっこう毒抜きうまいですよ!も、ニワトリだいぶん減りましたし、良かったら毒抜きは私やりますんで

 食べましょうよ!ない!」


体感さっきまで、俺はリビングで唐揚げを食べていたのでピンと来たのだが

これは唐揚げ調理セット一式ではないだろうか?

何ならこれはうちの皿に見えるし、うちの鍋に見えるし、調味料も見たことある。


「これ、うちのみたいなんですけど!」


「私、たぬうさなので、私の言葉はたぬきの言葉、そして、うさぎの言葉です。

 これは天が、とりあえず食べようよ、と言ってるということではないです?」


タヌーサさんはすごい圧だった。


「はあ……唐揚げ食べたいんですか?

 俺も好物ではありますけど、そんな場合じゃ、ないと思うんです」


「カラーゲ?とは?」


唐揚げ知らない?食べたことない?

それは、大変だなあ。


ちょっとなんか魔法のようなものと唐揚げ調理セットが出たので

俺は限界だった。

そっか、なら、唐揚げ作ろう、と思った。


「よ、よーし、唐揚げというのはねえ」


ずっと実家だったので、実は料理はあまりしたことがない。

家庭課の授業できゅうりの輪切りのテストがあったのですごく練習したが、

あれが自分のなかで最高に料理してた瞬間、である。


が、鶏肉をぶつぶつと切って、おろし金の上のにんにくとショウガをすりおろし

ボウルに切った鶏肉を入れ 薬味を加え、しょうゆを唐揚げ色くらいまで入れ……


「わああああ!それ、毒じゃないですか!」


「毒じゃない、しょうゆ……」


「その変なにおい、色、よどみ!毒!それ、毒!」


「毒じゃない……日本の心……」


タヌーサさんは鶏肉に手をかざして首を傾げ


「毒じゃない……?の、かなあ……?

 でも、こんな濡れた感じで、かわいてないお肉なんて、毒巫女じるしのしっとりお肉くらいしか……?」


「カンピロバクターなら、加熱すれば大丈夫」


うちの唐揚げは、片栗粉と小麦粉が半々である。

と、聞いたことがある。

どっちの粉がどっちだかはわからないが適当に入れる。

ついでに砂糖も。塩も少し。


「タヌーサさん、これ熱くできます?揚げれば唐揚げです」


「あ……あげる……?アツアツになあれ?」


アツアツになったので鶏肉を投入。

ジュウウウウウ


「うわあああああ油がああああああ」


はねたのかなと思ってちょっと焦ったが、どうもこの子は本当に、揚げるを知らないようだ。

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