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毒色のふるさと

「俺へ大工しろっつったら、この奴作れと言ってんのと一緒だっぱい!」


「ほーったってしゃあんまい、補修か神殿かが先でねえと

 冬ぁまだっつったってはあ準備したってしすぎってこたねえべし」


泣いてる人は、村長さんと何か言い合っているようだった。

訛ってるけどうっすらわかった。

俺がレストアしたらなんか出てきたやつを組み立てたい大工さんと

村の資材あつかいして補修に使いたい村長さんの争いだ。


悪いけど俺は早く毒ニワトリのところに行かねばならないので無視した。

嫁さんを待たせているのだ。


都合よくタヌーサさんも井戸のところに来ていた。


「おはようございます」

と言い合って、朝ごはんを食べてからさっそく毒ニワトリ退治に向かうことになった。


タヌーサさんの家に招待されて朝ごはんをご馳走になった

このなんだかわからない汁は、そばがゆのようなものだそうだ。

小麦は税としておさめており

それだけでは足りないので、そばもだいぶ取られており

食うものがないので、こうしてそのへんの草(と、タヌーサさんは言った)とかも入れて

水増しかさましして食べるという。

昨日配られたフライドチキンは誤って全部食べたそうだ。


「お口に、合わねえですよね?」


タヌーサさんは、すごいなにか期待した様子で聞いてきた


足元のカーペットもうちにあるのと同じだが

やっぱり新品で落ち着かない。


「おいしくは、ないです、けど……」


ひとくちすすってはみたが、そばがゆと聞いても、ピンとこない。

そんなの食べたことないし、そばの味でもない気がする。

だいたい俺はそばの味を正確に思い出せない。


レストアを試みたところ、そばがゆの入っていた鍋が白いふわふわした光に包まれ

漆塗りの器、棒、変な包丁、元のよりいかつい鉄鍋、そば粉らしき粉、しょうゆ、塩、砂糖、ねぎ、わさび、かつお節などが出てきた。


「やっぱすこうきゅうひんだァー!!」


タヌーサさんは絶叫して、村の人たちがずいずいと入ってきた。

そう、この家の入口は、ほぼ穴なのだ。


「あと毒もー!!」


タヌーサさんと村長により、しょうゆとねぎとわさびは毒と見做された。

俺は、村長さんの奥さんが慣れた手つきでそば粉と水を練って焼き、かつお節と塩をかけたものを食べた。


確信に満ちた手つきだったので、なぜひとの家でやるのか

これはそばセットではないか と、聞いている余裕はなかった。


いただいたその名前を知らない何かは、食べ物と断言できる味わいであった。


村長さんの奥さんは、村の皆さんが来ているのと同じ感じの服をくれた。

パジャマの上から着てみたが、普通に寒かったのでなでながらレストアしてみたら、仕事着になった。

青っぽいケーシーである。


これで外に出るのすごく違和感があるけれど出発である。

今が何時かは知らない。どうやらこの村には時計がなかった。

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