↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪女、二周目はサッカー少年の夢に人生を捧げる  作者: 鳴嶋ゆん
第6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/74

第72話 運動能力試験

 試験の最初は、ごく普通の運動能力試験のようだった。

 まずは一〇〇メートル走。


「紗里ちゃん、どのくらいで走れる?」

「うーん、はかったことないなぁ」

「ボクも」

「学校は五〇メートル走だもんね」


 そんなことを話しながらスタートラインに並ぶ。


 合図と同時に走り出す。

 結果のタイムは教えてもらえなかったけれど、わたしも翔吾くんも、組の中では先頭でゴールすることができた。


 次は二〇メートル走。


「これなんだろ?」


 翔吾くんが首をかしげる。


「瞬発力かな?」


 ところが、ただ二〇メートルを走るだけではなかった。

 ゴールすると、すぐに折り返して走る。

 それを繰り返して、全部で八本。


「なるほど。瞬発力だけじゃなくて、持久力もかな」


 短い距離を全力で走って、すぐに方向転換。

 これを何度も繰り返す。

 なかなかきつい。

 それでも、翔吾くんもわたしも、八本すべてで先頭を走り切った。


 そして次は、ドリブル。

 何本もの旗が立てられていて、その間をボールを蹴りながら進んでいくようだ。

 これは一人ずつ。


 最初の選手がボールを大きく前へ蹴り出し、それを追いかけるようにダッシュした。

 その直後――。


 ピィッ!


 笛が鳴った。


 係の人が何かを言い、選手はやり直しになった。

 どうやら、ボールを遠くへ蹴り出しすぎたらしい。


「どうやらボールを一定範囲内にキープしながら走らないといけないようだね」


 翔吾くんは、なるほどという顔をしている。

 さすがにこれは得意そうだ。

 対して、わたしはちょっと苦手。

 なんといっても、ドリブルという極めて基礎的な技こそ、熟練度がものをいう。

 ドリブルなんて、サッカーを始めるまでやったこともなかった。


 でも――。

 選抜試験に行けることが決まってから今日までの三か月、めいっぱい練習してきた。

 まだサッカーを始めて四か月にもならない。

 それでも、もう初心者ではない。


 少なくとも、ここで恥ずかしいところを見せるつもりはなかった。


 翔吾くんは、余裕の表情で旗の間を抜けていく。


 そしてわたしの番。

 慎重になりすぎてはいけない。

 スピードこそ、わたしの信条。


 緊張のせいか少し大きく蹴ってしまった。

 慌てて追いかける。


 でも、なんとかコースを外れることなく最後まで走り切った。

 やり直しの指示はなかった。


 ……よし。


 どうにかクリアできたはず。

 まだまだ翔吾くんには及ばない。

 だけど、三か月前のわたしなら、こんなこと絶対にできなかった。


 そう考えると、ちょっとだけ嬉しくなった。

ここまで読んでいただいてありがとうございます!


少しでも「面白そう」と感じていただけましたら、『ブックマーク』や下の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価していただけますと嬉しく思います!


皆様の応援がモチベーションに繋がりますので、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。