直接会ってみなよ
「もう、怜ったら大胆なんだから。でも、そういうところも……」
「うるさいっ、質問に答えろ」
部屋へと連れ込んだこの女は、なぜか頬を染めて体をくねくねさせている。そんな姿に構わず、俺は話を進める。
「質問?」
「わかってるはずだろ。……先輩を、どうした」
自分でもわかるほどに、睨み、問う。しかし、俺の睨みなどまったく怖くもないと言わんばかりに、笑みを浮かべるばかり。
その顔を殴りたいと、何度思ったことかわからない。
「……ふーん、他の女のことが気になるんだ?」
「そういうことを言ってるんじゃない!」
こいつがなにを考えているのか、わからない。昔からずっとだが……笑顔で俺の親を殺したり、今だって……
なんで、笑っていられるんだ。
「はぁー、怜ったら優しいから。誰にでも優しくしちゃうんだよね。でも、それをあの女は勘違いしちゃった……だから、私がちょっと言ってあげただけ」
「……なにを」
「ふふ、なーいしょ」
言ってあげた、だと? なにかしら注意した、というニュアンスだろうか。
だが、そんなかわいらしい表現で済むとは、どうしても思えない。この女がなにをするかはわからないが、いい結果になるとはどうしても思えないのだから。
「気になるなら明日、直接会ってみなよ……ふふ」
明確な答えを出すことなく……ただ、不安を煽るようなことだけを、この女は言った。




