微笑みの価値 (・_・;)
スク水シーサー 14話ヽ(゜◇゜ )ノ
【円形競技場にて】(赤備え)
ワインレッドのドレスを着た少女の死霊は、言った。
「折紙くんって、薄っぺらいね」
・・・・・・薄っぺらい (・_・;)
俺が憑代にしている折紙の人形の事を言っているのか、
霊魂としての俺自身の事を言っているのかは、解らない。
しかし、薄っぺらい人間性に関して、
俺自身、思い当たるところが有りすぎて、ツラい。(・_・;)
俺が、微妙に落ち込んでいると、
会場の怨霊たちが騒ぎ出した。
見ると、リングの上空から、まばゆい何かが舞い降りてきた。
「女神」
その神々しさに俺は呟いた。
女神は、二人の美少女天使を従えていた。
二人の天使は、レイピアの様な細長い剣と、
円形の盾を装備していた。
リング上の覆面の少女たちも、客席の観客達も、
無意識では感じていても、
意識的に、その存在に気づいた者はいない。
ただ観客席の死霊や怨霊には、
見えているのかもしいれない。
憎悪にまみれた怨霊たちにとって、
愛に満ちた女神は対局の存在。
何も起こらないはずはない・・・
「女神が何の様よ!」
怨霊の香が、薙刀を振りかざすと、
すぐに二人の天使が応戦した。
他の怨霊たちも、香に呼応した。
しかし、相手は女神の守護天使。
めっちゃ強い・・・。
襲いくる怨霊たちを、バッサバッサとなぎ倒していく。
それはもう、阿鼻叫喚の有様だ。
しかし、怨霊達は、なぎ倒されたところで、
死ぬわけではないので、いや、もう死んでいるので、
不死身と言うか・・・ゾンビの襲撃の様な有様で・・・
「・・・あの女神?」
俺は、生前・・・違う!
俺はまだ死んでなかった。(;^_^A
俺が肉体に宿っている時、
あの女神に遭ったことがあるような・・・
あの時女神は、俺に手を差し伸べ、
俺を癒し、救ってくれた。
間違いない・・あの時の女神だ。
女神は、穏やかな笑顔で、
リングで戦っている少女たちを見つめた。
そして、俺の存在に気付くと、俺に近づいてきた。
「元気にしてた?」
「はい・・・お蔭様で」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
女神は、とてもゆっくりと話す。
決して言葉に詰まってるわけではない。
「今日は何か用ですか?」
「・・・・」
「今日は何か用ですか?」
「えーとっ・・・ちょっと降臨する場所、間違えたみたい・・・」
「えっ?!間違えた!」
「・・・・・でも、せっかくだから・・・。」
女神さまはそう言うと、
リングで戦っている思惟ちゃんに、
「あなたが月の子ちゃんね。可愛い♪」と抱きついた。
月の子ちゃん!まさか思惟ちゃんを連れ去りに?
見えない女神に抱きつかれた思惟ちゃんは、
何かを感じたのか、きょとんとした表情で、
俺に視線を送った。
「大丈夫、害はない」
俺が告げると、思惟ちゃんは頷き、また戦いを開始した。
女神さまは次に、
憤怒しリリンの丸出しのお尻をもみほぐした。
憤怒しリリンも何かを感じたのか、
背後を振り返ったりした。
そして、突然喘ぎ声を上げた。
「あっ・・・」
会場に、憤怒しリリンの乙女の声が響いた。
唐突なその声に、会場の注目が憤怒しリリンに集まった。
憤怒しリリンと格闘していた、思惟ちゃんは、
「私、何もHな事してない」
と手を上げた。
憤怒しリリンのお尻を堪能した?女神様は、
「お尻丸出しのあの子に、
今後どんな事が起こっても、心配しないでね、
最悪な状況にならないようにしておいたから、安心して」
と俺に告げた。
「今後、どんな事が起こっても?」
「お尻丸出しのあの子は・・・・・
ある未来を受け入れる為に、ここで月の子と戦ってる。
その為に、あの子はお尻を晒してるの・・・・
それはあの子の深い使命感によるもの・・・・
ダメ・・・これ以上は、ダメ」
「女神様、大丈夫ですか?頬が赤いですよ。」
「フェロモンが・・・あの子のフェロモンを嗅ぎ過ぎた。
これ以上は・・・あの子だけを愛してしまいそう・・・
それじゃあ私行く。またね」
ついさっき、降臨したばかりの女神は、
フェロモンから逃げるように、昇天していった。
その後を、天使たちが慌てて追った。
「め・・女神様・・・・・」
怨霊の薙刀の香は、薙刀を振り回し、怒りを露わにした。
「女神は存在したのに・・・
存在したのであれば!
なぜ私はこのような理不尽な想いを!
なぜ、私を救わなかった!
なぜこの地上には、これほど怨霊があふれているのだ!」
観客席では、
怨霊達が己の身に降りかかった不条理を嘆き悲しみ、
そして、怒り、低く暗い唸り声を上げていた。
低い暗い唸り声は、
泥水のように円形競技場の地面に広がっていった。
まあ、それはともかく・・・・
俺は、地面を這う怨霊の唸り声から目をそらした。
すぐ目をそらす。だからこそ、俺は薄っぺらい。
目をそらす俺を、
ワインレッドのドレスを着た少女の死霊は、
じっと見つめた。
その視線に耐えられなくなった俺は、言葉を発した。
「臆病で最弱な俺に何が出来る?
レベル1の俺が、
レベル10とか20とか相手にしてどうする?
世の中の連中は、「逃げるな」と無茶を強要する。
その先には、愚かで憐れな末路が待ってるのに、
無責任にもほどがあるぜー\(*`∧´)/
分をわきまえたレベル1の俺は、
愚かで憐れな事はしない」
「例えば、大好きな人がやられそうになった時も、
折紙くんは、分をわきまえる?」
と、ワインレッドの少女は俺に問いかけたが・・・
「・・・・」
「私、大好きな人を守るために死んだの・・・
私、愚かで、憐れ?」
愚かで、憐れ・・・・
少女が使うには、大人びた言葉。
俺は言葉を失った。
そしてかなり長い時間、返す言葉を探った。
その時なぜが、折紙の身体が武者震いをした。
すると、俺の折紙の人形の手は、
勇敢な少女を称えるように、少女の頭を撫でていた。
俺の意思とは関係なく・・・・えっ?
・・・折紙の人形内に、異質な存在を感じた。
この意志の強い感触・・・薙刀の香だ!
怨霊の香が、俺の憑代の人形の動きに介入したんだ。
「お前は、愛情に溢れた勇敢な少女だ。
俺もお前の様になりたい。」
と折紙の人形は、俺の意思とは関係なく、そんな事を言った。
ワインレッドの少女の死霊は、
俺を見上げニッコリ微笑み・・・そして、少しずつ消えて逝った。
怨霊の香のせいで、
俺は、安っぽい茶番を演じてしまった。
俺の憑代を勝手に操られて・・・・いい気はしない。
俺は、抗議の意思を含めながら、薙刀の香に言った。
「俺は、あえて言葉にはしなかったが、
あの子の行為は、愚かで憐れだと思う」
「結果・・・あの少女の微笑みを得られたのだから、喜べ」
と天使との戦闘で血まみれな怨霊の香は言った。
「あの子の微笑み・・・。」
「少女の微笑みの為に、本物の戦士は戦う。
それはどんな戦利品よりも価値のあるもの、
そうは思わないか?」
「・・・・その価値は認める」
「ふっふっ、ほら戦利品の土産だ。
ど変態のお前の為に、頭を刺されながらも奪ってきた。
貧乳の方の天使のパンツだ。喜べ」
「天使のパンツって・・・」(*v.v)。
「いらぬのか?」(゜Ω゜;)
「そ・・それを貰うと、思惟ちゃんを想う気持ちが薄れて、
本体に戻ってしまうので」(・_・;)
「ではこれは、貧乳天使の読みかけの漫画」(*^ー^)ノ
「天使の読みかけの漫画?」(・∀・)
「デスノート!」(*^ー^)ノ
「デスノートって!((゜m゜;)
天使が読んじゃいけない漫画ベスト5じゃないですか!」(゜Ω゜;)
「天使も死神も、結局、部署の違いだから良いじゃな」(`∀´)
「そういう問題じゃ・・・」(ノ゜ο゜)ノ
「じゃあ、これは、貧乳天使のお泊りセット」ヾ(@°▽°@)ノ
「貧乳天使のお泊りセットって!生々しいし、
思惟ちゃんへの想いが・・・」(*v.v)。
「大丈夫よ、あの子へのプレゼントと思えば」(*^ー^)ノ
と言うと、俺の折紙の袖に無理やり入れた。
思惟ちゃんへのプレゼント
思惟ちゃんへのプレゼント
俺は念じた。
・・・消えない。
うん、大丈夫みたいだ。
しかし、貧乳天使のお泊りセットってなんだろう?
さて・・・・セコンド業を・・・・
俺の元には、頼んでおいた北海道の赤鮭が届いた。
秘密兵器の到着だ。
見てろよ、月の輪いんふぇるの!
つづく




