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スク水シーサー   作者: 健野屋文乃


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13/17

微笑みの価値 (・_・;)

スク水シーサー 14話ヽ(゜◇゜ )ノ



【円形競技場にて】(赤備え)







ワインレッドのドレスを着た少女の死霊は、言った。



「折紙くんって、薄っぺらいね」



・・・・・・薄っぺらい (・_・;)




俺が憑代にしている折紙の人形の事を言っているのか、


霊魂としての俺自身の事を言っているのかは、解らない。



しかし、薄っぺらい人間性に関して、


俺自身、思い当たるところが有りすぎて、ツラい。(・_・;)



俺が、微妙に落ち込んでいると、


会場の怨霊たちが騒ぎ出した。




見ると、リングの上空から、まばゆい何かが舞い降りてきた。



「女神」



その神々しさに俺は呟いた。



女神は、二人の美少女天使を従えていた。


二人の天使は、レイピアの様な細長い剣と、


円形の盾を装備していた。




リング上の覆面の少女たちも、客席の観客達も、


無意識では感じていても、


意識的に、その存在に気づいた者はいない。



ただ観客席の死霊や怨霊には、


見えているのかもしいれない。




憎悪にまみれた怨霊たちにとって、


愛に満ちた女神は対局の存在。




何も起こらないはずはない・・・




「女神が何の様よ!」


怨霊の香が、薙刀を振りかざすと、


すぐに二人の天使が応戦した。





他の怨霊たちも、香に呼応した。



しかし、相手は女神の守護天使。



めっちゃ強い・・・。



襲いくる怨霊たちを、バッサバッサとなぎ倒していく。



それはもう、阿鼻叫喚の有様だ。



しかし、怨霊達は、なぎ倒されたところで、


死ぬわけではないので、いや、もう死んでいるので、


不死身と言うか・・・ゾンビの襲撃の様な有様で・・・





「・・・あの女神?」



俺は、生前・・・違う!


俺はまだ死んでなかった。(;^_^A


俺が肉体に宿っている時、


あの女神に遭ったことがあるような・・・




あの時女神は、俺に手を差し伸べ、


俺を癒し、救ってくれた。



間違いない・・あの時の女神だ。



女神は、穏やかな笑顔で、


リングで戦っている少女たちを見つめた。




       


      






そして、俺の存在に気付くと、俺に近づいてきた。



「元気にしてた?」



「はい・・・お蔭様で」



「・・・・」



「・・・・」



「・・・・」



女神は、とてもゆっくりと話す。


決して言葉に詰まってるわけではない。



「今日は何か用ですか?」



「・・・・」



「今日は何か用ですか?」



「えーとっ・・・ちょっと降臨する場所、間違えたみたい・・・」



「えっ?!間違えた!」



「・・・・・でも、せっかくだから・・・。」



女神さまはそう言うと、


リングで戦っている思惟ちゃんに、


「あなたが月の子ちゃんね。可愛い♪」と抱きついた。



月の子ちゃん!まさか思惟ちゃんを連れ去りに?



見えない女神に抱きつかれた思惟ちゃんは、


何かを感じたのか、きょとんとした表情で、


俺に視線を送った。



「大丈夫、害はない」


俺が告げると、思惟ちゃんは頷き、また戦いを開始した。



女神さまは次に、


憤怒しリリンの丸出しのお尻をもみほぐした。



憤怒しリリンも何かを感じたのか、


背後を振り返ったりした。



そして、突然喘ぎ声を上げた。




「あっ・・・」



会場に、憤怒しリリンの乙女の声が響いた。


唐突なその声に、会場の注目が憤怒しリリンに集まった。



憤怒しリリンと格闘していた、思惟ちゃんは、


「私、何もHな事してない」


と手を上げた。




憤怒しリリンのお尻を堪能した?女神様は、


「お尻丸出しのあの子に、


今後どんな事が起こっても、心配しないでね、


最悪な状況にならないようにしておいたから、安心して」


と俺に告げた。



「今後、どんな事が起こっても?」



「お尻丸出しのあの子は・・・・・


ある未来を受け入れる為に、ここで月の子と戦ってる。


その為に、あの子はお尻を晒してるの・・・・


それはあの子の深い使命感によるもの・・・・


ダメ・・・これ以上は、ダメ」



「女神様、大丈夫ですか?頬が赤いですよ。」



「フェロモンが・・・あの子のフェロモンを嗅ぎ過ぎた。


これ以上は・・・あの子だけを愛してしまいそう・・・


それじゃあ私行く。またね」



ついさっき、降臨したばかりの女神は、


フェロモンから逃げるように、昇天していった。



その後を、天使たちが慌てて追った。




「め・・女神様・・・・・」





怨霊の薙刀の香は、薙刀を振り回し、怒りを露わにした。



「女神は存在したのに・・・


存在したのであれば!


なぜ私はこのような理不尽な想いを!


なぜ、私を救わなかった!


なぜこの地上には、これほど怨霊があふれているのだ!」




観客席では、


怨霊達が己の身に降りかかった不条理を嘆き悲しみ、


そして、怒り、低く暗い唸り声を上げていた。



低い暗い唸り声は、


泥水のように円形競技場の地面に広がっていった。




まあ、それはともかく・・・・




俺は、地面を這う怨霊の唸り声から目をそらした。



すぐ目をそらす。だからこそ、俺は薄っぺらい。



目をそらす俺を、


ワインレッドのドレスを着た少女の死霊は、


じっと見つめた。



その視線に耐えられなくなった俺は、言葉を発した。




「臆病で最弱な俺に何が出来る?


レベル1の俺が、


レベル10とか20とか相手にしてどうする?


世の中の連中は、「逃げるな」と無茶を強要する。


その先には、愚かで憐れな末路が待ってるのに、


無責任にもほどがあるぜー\(*`∧´)/


分をわきまえたレベル1の俺は、


愚かで憐れな事はしない」




「例えば、大好きな人がやられそうになった時も、


折紙くんは、分をわきまえる?」


と、ワインレッドの少女は俺に問いかけたが・・・



「・・・・」



「私、大好きな人を守るために死んだの・・・


私、愚かで、憐れ?」



愚かで、憐れ・・・・


少女が使うには、大人びた言葉。



俺は言葉を失った。



そしてかなり長い時間、返す言葉を探った。




その時なぜが、折紙の身体が武者震いをした。



すると、俺の折紙の人形の手は、


勇敢な少女を称えるように、少女の頭を撫でていた。



俺の意思とは関係なく・・・・えっ?



・・・折紙の人形内に、異質な存在を感じた。


この意志の強い感触・・・薙刀の香だ!


怨霊の香が、俺の憑代の人形の動きに介入したんだ。



「お前は、愛情に溢れた勇敢な少女だ。


俺もお前の様になりたい。」



と折紙の人形は、俺の意思とは関係なく、そんな事を言った。



ワインレッドの少女の死霊は、


俺を見上げニッコリ微笑み・・・そして、少しずつ消えて逝った。





怨霊の香のせいで、


俺は、安っぽい茶番を演じてしまった。


俺の憑代を勝手に操られて・・・・いい気はしない。



俺は、抗議の意思を含めながら、薙刀の香に言った。



「俺は、あえて言葉にはしなかったが、


あの子の行為は、愚かで憐れだと思う」



「結果・・・あの少女の微笑みを得られたのだから、喜べ」


と天使との戦闘で血まみれな怨霊の香は言った。




「あの子の微笑み・・・。」



「少女の微笑みの為に、本物の戦士は戦う。


それはどんな戦利品よりも価値のあるもの、


そうは思わないか?」



「・・・・その価値は認める」



「ふっふっ、ほら戦利品の土産だ。


ど変態のお前の為に、頭を刺されながらも奪ってきた。


貧乳の方の天使のパンツだ。喜べ」



「天使のパンツって・・・」(*v.v)。



「いらぬのか?」(゜Ω゜;)



「そ・・それを貰うと、思惟ちゃんを想う気持ちが薄れて、


本体に戻ってしまうので」(・_・;)



「ではこれは、貧乳天使の読みかけの漫画」(*^ー^)ノ



「天使の読みかけの漫画?」(・∀・)



「デスノート!」(*^ー^)ノ



「デスノートって!((゜m゜;)


天使が読んじゃいけない漫画ベスト5じゃないですか!」(゜Ω゜;)



「天使も死神も、結局、部署の違いだから良いじゃな」(`∀´)



「そういう問題じゃ・・・」(ノ゜ο゜)ノ



「じゃあ、これは、貧乳天使のお泊りセット」ヾ(@°▽°@)ノ



「貧乳天使のお泊りセットって!生々しいし、


思惟ちゃんへの想いが・・・」(*v.v)。



「大丈夫よ、あの子へのプレゼントと思えば」(*^ー^)ノ



と言うと、俺の折紙の袖に無理やり入れた。



思惟ちゃんへのプレゼント


思惟ちゃんへのプレゼント


俺は念じた。



・・・消えない。



うん、大丈夫みたいだ。




しかし、貧乳天使のお泊りセットってなんだろう?





さて・・・・セコンド業を・・・・







俺の元には、頼んでおいた北海道の赤鮭が届いた。



秘密兵器の到着だ。



見てろよ、月の輪いんふぇるの!







つづく


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