7 夜襲だ! 聖剣らしい聖剣(初)、そして旅立ち(結果的に)
よろしくお願いします。
宿に戻ったジン。
「次からは、ほどほどの薬効にすれば、上手く売れるかな?」ジン。
「ニャーンニャ」
(ごめんなさい)
頭を下げる瑠璃猫。
「気にしないで、ルリ。あの女の子もお婆さんも喜んでたし、良かったよ。それにしても、ルリはすごいね!」
なんとなく、言葉は通じてなくてもルリの仕草でわかるようになってきたジン。
「薬はまた作ればいいし。王都には他の市場もあるし、売るのは公園でもいい。次があるさ!」
前向きなジン。
やっぱり慎ましい夕食を取り、いつものように眠りについた。
その夜、深夜。
気配に気づいたのは聖剣。
『起きろ!ジン!』
「うーん。うるさーい」
起きずに眠るジン。
『夜襲だ!起きろ!』聖剣。
「はえはへふ?」ジン。
夢うつつのジンが寝ぼけ眼で半身を起こした。
聖剣が素早く浮遊した。
ジンの手に聖剣が収まった。
「うわわわわ!なになに!怪奇現象!」
ジンの言葉と同時に、ドアから黒ずくめの男が数名、押し入ってきた。
ジンの身体が勝手に動いた!
「うわわ!」ジン。
素早く3人を峰打ちで昏倒させたジン(聖剣)。
残る1人を羽交い締めにさせられている、ジン。
『何故狙ったか、聞き出せ!』聖剣。
「離せ!殺せ!」暴れる襲撃者。
ジンの身体は聖剣により、ガッチリ襲撃者を押さえている。
「あー、そのですね。あなた方は、何をしに来たのですか?」ジン。
「、、、おまえアホか?」
「アホではないつもりですが、、、。俺、金なんて無いし、ほぼスッカラカンなんですよ。何で、強盗が来てるのでしょう?」襲撃者に丁寧に聞くジン。
「、、、アホだな。、、、俺達は雇われたんだよ。おまえはヤバイ奴に目をつけられたんだ。閉じ込められて奇跡の薬を作らせてもらえるってさ。一生な。拐ってこいと命令された。
恐らく、一つ二つの組織じゃないぞ。おまえの取り合いが起こるだろう。バカなことをしたな」
わりと良いやつかもしれない襲撃者。
「えええええ!」ジン。
「ほら、第二弾が来たぞ」襲撃者。
廊下にかすかな足音が聞こえる!安宿だから、床がきしんでるし!お陰でわかるし!
『キリがなさそうだ!囲まれる前に逃げるぞ!』聖剣。
話してくれた夜襲男を峰打ちで眠らせた聖剣。
荷物を纏めて背負うジン。
襲撃で起き、震えていた瑠璃猫。
『ルリはジンの頭にしがみつけ!』聖剣。
聖剣を握らされたジンの身体が、窓の外に消えた。
「うわーん!こわいよー!」泣き叫ぶジン。
かっこ良く屋根づたいを疾走するジンの身体。
屋根の高さと夜の暗さ、屋根から屋根に飛ぶ景色。
「コアイよー!シヌー!助けて!」
オンオン泣くジン。
目をつぶってジンの頭にガシッと爪を立て、しがみつく瑠璃猫。
ジンの泣き声とは裏腹に、躊躇なく飛び疾走するジンの身体。
『馬鹿者!黙れ!』聖剣。
しかし、恐怖でパニックのジン。
「こわいよー!くらいよー!はやいよー!高いよー!うわーん!痛いよー!」(瑠璃猫の爪が食い込んでいる)
泣き叫ぶ男の声を便りに追う襲撃者達。
追いながら襲撃者達は、得体の知れないモノを追っていると感じ、わけがわからず、底知れぬ恐怖を感じていたという。
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