22 魔王?マジョリカ参上!
グオールが捕縛されて牢屋へ連行されて行く。
ルーファスはその姿を見ながら、幼い頃の思い出の、亡き父を思い出していた。
優しい父で、母と妹、もちろんルーファスの事も大切にしていた。
病に倒れ、苦しみの中にいても、弱音を吐かず微笑んでいた父。
悔しかった。
殺された父が、哀れだった。
しかし、過去は変えられない。
死んだ者は生き返らない。
自分達は歩き出さねばならない。
「私の即位を認めて欲しい!ここに残ったのは、悪事無き忠臣だけだ!
そのあなた達に、私を王として支えてもらいたい!
私は民のための王となる事を誓う」ルーファス。
「ルーファス陛下、我ら元より、そのつもりにございす」ガルファ伯爵。
他の臣下貴族もルーファスの前に集まり、跪いて頭を下げた。
「殿下、お母上達のおられる離宮へ、騎士をやりましょう!」ガルファ伯爵。
「ああ、そうだな」
ルーファスは期待してはいけないと、抑揚を抑えて言った。
神官長の言った言葉。瑠璃猫聖女の真実を言う魔法。
ならば、それは真実。もう、母上達は、、、。ルーファスは辛い気持ちを噛み締めた。
そこに、バタンと勢いよく扉が開かれた。
「主役は遅れて現れる!
あー、面白い場面見損ねちゃった。
あんた達の人質にされてた家族、救出してきたわよ。
全く、グオールの配下はココにいたヤツだけじゃないくらい、マジョリカ様にはお見通し!
グオールが捕らえられた騒ぎは伝えられてて、人質たち、殺されそうになってたけど、マジョリカ様が阻止!さすがマジョリカ様!
さあ、このマジョリカ様に感謝しなさい!」
厳かな雰囲気を変えるマジョリカ。
マジョリカの後ろから、ルーファスの母親エリシアナと妹アドリエンヌが無事な姿で現れた。
アドリエンヌの両側には少年が2人。アドリエンヌが手を繋いでいる。
ルーファスは家族の無事な姿を見て安心して嬉しげに微笑んだ。
ルーファスの母と妹もルーファスに感慨深く微笑んだ。
互いの微笑みには、たくさんの語りきれない思いが乗っていた。
シルビアは少年を見て、「ダニエル、ケヴィン」と、嗚咽しながら名を呼んだ。「生きてる、生きてる」と。
ガルファ伯爵が、困惑顔で聞いた。
「こちらの美しい女性は、どなたなのでしょうか?」
マジョリカを見て言う。
「初代聖女様である」ルーファス。
「あなた達が魔王と呼んでいた存在、かしら?
オウンドゴール王国を興した王から時を重ね、真実の伝説は歪められた。
神殿の地下深くで眠り、この国を守り結界を張っていた私を侮辱してくれちゃって!許さないんだから!
私は偉大な魔女マジョリカ!聖なる力で建国を助けた偉人!
聖女と呼ばれて崇拝される存在!
それを、伝説を曲げた王が私を魔王として存在を隠した!
わかった?」
「では、魔王は、始めから存在しないのか」ガルファ伯爵。
「愚王グオールが王となり国が乱れた。
勇者、次代の王が程よく育って、聖樹と聖剣がジンを呼んだ。
聖剣は抜かれ、私は目覚めた。
聖剣が抜かれて守りの結界は綻びたから魔獣が溢れた。
ルーファスが新たな王となる決意を固めた。
そこで、私の登場!真打ち!真実暴露!
さ、あとはあなた達で国を立て直し、民を救い導きなさい。
私と聖剣は、せっかく目覚めたからアチコチ旅して、遊んでくるから!」マジョリカ。
「えっと、俺とルリは、およびでない、で良いですか?」ジン。
「ニャー?」
(うん、役目終わった?)




