20 王宮大審議室に乱入だあ!
魔法陣から光が消え失せ、ルーファス達は周りを見ることが出来た。
王宮の大審議室に、グオール王、宰相、重臣達、主だった貴族らが揃っていた。
その空いた中央の空間にルーファス、シルビア、ジンの3人が立っていた。
聖剣ケンはジンの腰に。
聖女瑠璃は、瑠璃猫に変化していた。
突然の不審者の不思議すぎる乱入。大臣、貴族、護衛兵士らは騒ぎ出した。
「な、何なのだ!突然!」
「不審者を捕らえろ!」
王側の側近達。
「いや、ルーファス様だそ?」
「魔王討伐へ出たルーファス様が、何故ここに?」
「聖女様と、、、平民?それに、猫?」
「どうやって現れたのだ?」
困惑しざわめく貴族、重臣たち。
「ル、ルーファス!
な、な、何をしに来た!魔王討伐はどうした!」
グオール王がルーファスを怒鳴る。(生きていたのか。始末するよう指令を出したはずなのに!)
「討伐すべき魔王など、最初からいなかった。討伐すべきは、あなただ!
民を苦しめる政を敷いたあなたに、この国は任せられない!退位せよ!叔父上!」
ルーファスが国王を指さし、言い放った。
「戯言を!近衛兵、この反逆者共を捕らえよ!」
王の怒号に、武器を持った近衛兵達がルーファス達を取り囲んだ。
ルーファスはひるまない。
部屋にいる貴族、重臣達に問いかけた。
「聞け!グオール王は神聖なる聖剣紛失を隠した!
隠蔽するため、私をニセモノと知りながら勇者として魔王討伐に送り出したのだ!
最初から私を亡き者にするつもりでな!
私の母上と妹の生命が惜しくば、生きて戻るなと私を脅した!
本物の勇者はココにいる!聖剣に選ばれた勇者、ジンだ!」
ルーファスがジンの肩に手を置いた。
「えっと、はい!勇者、ジンです!こちらが本物の聖剣です!」
注目されてビビるジン。それでも頑張って聖剣を掲げて見せた。
「なんだ?そのボロい剣は!」
グオール王。
「神聖なる聖剣?あれが?」
「ただの古びた剣に見える」
ヒソヒソ声が聖剣を疑う。
(本物、見たことないのかよ!、、
どうすれば聖剣と信じてもらえる?)ジン。
(やっぱり、聖剣に見えないよねー)瑠璃猫。
「こちらこそ、聖剣でございます!そして、こちらが聖女様です!」
シルビアが瑠璃猫を指す。
「はぁ?猫だろ?」
「聖女はシルビア様だったはず?」
困惑する貴族達。
「しかし、猫が聖女だなんて、、、」
しだいに笑い声が起こり始めた。
瑠璃猫は、悔しかったが、黙っていた。ニャアと鳴いたら、余計に笑われそうだ。
そこに、雷が落ちたような怒声がこの場にいる者たちの頭に響き渡った。
『痴れ者どもが!黙っておれば無礼極まりない!私が聖剣である!ひかえよ!』
「な、なんだ?今の!」
「声が、頭の中に!」
「偉そうな声がした!」
場がざわめきたった。
審議の間にいた神官の1人が、瑠璃猫を見て震えながら言った。
「あの男の頭の上にいるブルーグレーの猫!召喚の儀式で出て来た猫でございます!聖女様?猫が?、、、ならば、召喚の儀式は、成功していたのです!」
審議の間がざわめいた。
「猫だが、聖女様であられる!」ルーファスが堂々と言った。




