18 悪いの誰だ?
瑠璃猫がルーファスに駆け寄って、癒しの肉球最大パワーを発した。
ピカァーー!!
ルーファスがまばゆい光に包まれた。
ルーファスの顔色が、血の気が戻ってきた。
ルーファスの胸から短剣が押し出され、地面に落ちた。
シルビアが、奇跡の光景に呆然としながら涙を流していた。
「どうなってるんだよ!
なんで、ルーファスさんは死にかけてたんだ?言えよ!
ルーファスさんに突き刺さっていた短剣は、お前が刺したのか!許さねえ!」
ジンが泣きながら、怒り狂いながら、シルビアの両肩を掴んで揺さぶった。
「私は、、、、グオール王の命令を受けた、暗殺者です。
始めから、聖女なんかじゃない。
王都から離れた所で、邪魔なルーファス様を、殺すよう、命じられてました。、、、ルーファス様を殺さないと、私の幼い弟達が、殺されるんです。
せめて、私を、、殺して下さい。そうしたら、弟達は、殺されないかも知れない、、、」
シルビアが力なく、言う。表情は抜け落ちていた。
「何だよ!ダメだろ!そんなの!」混乱するジン。
「私は、死ななかったのか?、、、ジン、シルビアを責めるな、、」
横たえられていたルーファスが、呻きながらゆっくり半身を起こした。
「私も、国のために勇者として出立し、生きて帰るなと、叔父に言われていたのだ。
死ななければ、母上と妹を、殺すと言われている。
それと、シルビアは私を刺していない。
私が、シルビアの短剣に飛び込んだのだ」
「はああ?
なんなんだよ?俺、わかんねーよ!
あんたら好き合ってるんだろ?
告白してハッピーエンドだろう?!」
ジンは混乱して泣いていた。
『うるさくてかなわん。諸悪の根源を退治すれば良い。その前に、行くか』
ジンの腰にある聖剣が光り始めた。
「なんだ!おい!聖剣!」ジン。
「聖剣?」シルビア。
聖剣を中心に魔法陣が広がり、光りを放った。魔法陣の古代文字が浮かび上がって回り始め、そこにいた人間を包み込み、光って消えた。
ジン達がいた森の中の街道には、放置された馬が2頭、主人を見失っていた。
所在なさげにウロウロし、ヒヒンと小さくいな鳴いた。
光が消えて、気がつくと、ジン達は重厚な大きな扉の前に立っていた。
「な、な、ココどこ?」ジン。
『この扉の向こうに、お前らが魔王と呼ぶ者がおる』聖剣。
「はぁっ?」ジン。
触れてもいない扉が、ゆっくり開き始めた。




