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Monster PandemiX(モンスター・パンデミックス)  作者: 古賀丸マシカク
エピソード XII どっこい祭り

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54/57

第53話 ×%#*€$<£€!

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

 ダークフロッギスは廊下の一番奥の部屋に入っていった。


 ルナは忍び足で近づくと、ドア越しに耳を当て聞き耳を立てる。

 廊下はしんと静まり返っている。

 こういうとき、妙に心臓の音だけが大きく感じる。


 中からダークフロッギスの甲高い声が聞こえてきた。


「今日のお布施はいくら集まったケロ」


「はい、ダークフロッギス様、本日は50万ゲイルですケロ」


「まだまだ少ないケロ! もっと信者を増やすのだケロ。このフロッグジュースを飲ませてな、ケロ」


(ん? フロッグジュース?)


 すると突如、テンがわけのわからない言葉をわめいてルナに襲いかかってきた。


「×%#*€$<£€!」


「きゃっ⁉」


 テンはルナに馬乗りになり、両手でポカポカと攻撃してくる。

 拳というより、グーである。威力はあまりないが、数は多い。ちょっと強めの肩たたきだ。

 だが、目は完全にイっている。


「どうした! テン! やめれっ……」


 騒ぎを聞きつけたダークフロッギスとその手下たちが何事かと廊下に出てきた。


「な、なんだ、おまえたちは! ケロ」


 言葉尻にどうしても『ケロ』が入る。もはや口癖というより直らない体質である。


「ダークフロッギス、……お、おまえの悪巧み、しかとこの耳で……聞き届けたりー!」


 ルナは、暴れるテンを必死に押さえつけながら、時代劇さながらのセリフをなんとか言い放つ。

 場面としてはかなり締まらないが、本人はいたって真剣だ。


「小娘! 見ない顔だなケロ。おまえたち、とっつかまえケロ!」


 手下たちが一斉に襲いかかる。


「ひえぇえええーーーっ」


 テンにまとわりつかれていたこともあり、あっという間に、らえられてしまった。

 部屋の中へ連れ込まれ、ドアには鍵をかけられた。万全を期すタイプらしい。


「おまえたちはこの村の者ではないケロ。何者ケロ!?」


「あたしたちは、ただの通りすがりの者よ」


「ただの通りすがりの奴がここで何をしているケロ?」


 ダークフロッギスがフードを外して凄んできた。


 その顔は緑色の肌に黄色い猫目のカエルに似たモンスターだった。いや、似たというより――ほぼカエルそのものだ。

 そんな奴に凄まれても、ルナはまったく動じない。

 なぜなら、どう見てもただのカエルなのだから。


「村人たちを洗脳して金儲けを企んでいることを暴露する。そしておまえの野望を打ち砕く!」


「ケロケロケロ! 笑わせるなケロ。おまえごとき小娘にこのダークフロッギス様がやられるわけないでケロ」


 そう叫ぶと、おもむろにダークフロッギスは両手をテンの方へ向けた。

 手の先から青白い稲妻光線が放たれる。


 ビリビリビリーーッ


 その光線がテンの体を包み込むと、ダークフロッギスはテンに向かって指令を出す。


「おい、てんとう虫のおまえ。この娘を痛めつけろケロ」


 テンは虚な目でルナを見ると、また訳のわからない言葉を発してルナに襲い掛かっていった。


「#&#&+>=¥」


「うわっ! またか! おい、テン! しっかりしろ!」


 テンは、ルナに覆いかぶさって両手でポカポカと叩く。

 ただのカエルだと思っていたが、とんでもない奴だった。よくわからないが、催眠術みたいなものを使っているのだろうか……。


「……おまえ……テンにいったい何をした!」


 ダークフロッギスは、ニターッと気持ち悪い顔をする。

 それを見たルナは、生理的に無理! と潜在意識で思った。


「何をした? ケロケロケロ。何もしてないわ。ただ、こやつはフロッグジュースを飲んだケロ」


 フロッグジュース? それって、さっきの抹茶のことだろうか。たしかにテンは飲んでいた。


「それがなんだっていうんだ!」


「あれには、デルモルフィンという特殊な成分が入っているケロ。このダークフロッギス様の皮膚から分泌される成分で、幻覚を見せたり、興奮状態にしたりできるケロ。それに……」


 ダークフロッギスは、ニヤついたまま両眼を大きく見開く。


「洗脳も簡単にできるケロ」


 そう言って、下卑げびた笑い声をあげるダークフロッギス。


「なんですって!」


 たしか、テンはルナの分まで飲んでいた。だからこんなに効きまくっているのか。


「$#&〜¥@¥&%」


 あいかわらずテンは目がイっている状態だ。

 だがルナにいくら攻撃をしても、手が小さいせいか、たいしてダメージを与えられていない。

 ただただ、ウザいだけだ。


「テン! 正気に戻って!」


noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

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