表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Monster PandemiX(モンスター・パンデミックス)  作者: 古賀丸マシカク
エピソード XI 異次元ゲート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
51/57

第50話 ギャラクティカ・クラッシュ!

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

 マザーシップに乗り込んだルナは、ムーンサーベルの導きに従い、襲いかかるアンドロイドを一閃ごとに斬り伏せていった。


 青白い軌跡を描く刃。その光は闇を裂く流星のようだった。

 サーベルが振るわれるたび、アンドロイドが倒れていく。


「すげ~」


 ベルマンが想像以上の戦いぶりを見せるルナに驚愕する。


「ルナー! 負けたらあかんでー!」


 テンは声の限界を越える声援を送る。


 やがて戦士たちは、マザーシップの心臓部へと到達する。

 巨大な機械が唸りを上げる場所。そこが――


 コアエンジン。


「ルナ、ムーンサーベルをあのコアエンジンに向けて!」


 アムールの声にうながされ、ルナは強くうなずいた。


 両手で剣を握りしめ、刃先をコアへと向ける。

 他の戦士たちも次々に武器を構えた。


「みんな、準備はいいか!」


 シープ隊長の声に、全員が力強くうなずく。


「――ギャラクティカ・クラッシュ!」


 このド派手な名前は、きっとゾディアックウォリアーズの必殺技なのだろう。

 シープが叫ぶと同時に、十三本の武器から閃光が放たれた。

 光の奔流が一点に収束し、やがて眩い球体を形成する。

 それはみるみる黒く染まり、巨大な渦を巻きながら膨張していった。


「えっ!? なにが始まるの??」


「これはブラックホールだ」


「ブラックホール!?」


 ルナの質問に、アムールがあたかも当然のようにしれっと答えた。


 コアエンジンは抗う間もなく吸い込まれていく。

 重力が乱れ、空間が軋む。


 ゴゴゴゴゴ……!


 轟音とともに、マザーシップ全体が悲鳴のように揺れた。


「よし、急いで退散だ! 爆発するぞ!」


 シープ隊長の合図とともに、戦士たちは一斉に踵を返す。

 ルナもムーンサーベルを握りしめ、全力で駆け出す。


 背後では、空間そのものが崩壊していくような音が響いていた。

 なんて恐ろしい技を使うんだ、とルナは背筋を冷やした。


 そして全員がアニマライズ号に飛び乗ると、艦は猛烈なスピードで離脱を開始する。


「ルナ! 無事でよかった!」


 テンが小さな体でルナにしがみついた。

 その温もりに、ルナの胸にようやく安堵が広がった。


「うん、ムーンサーベルの力なのか、不思議と怖くはなかったよ」


 背後では、ブラックホールが猛烈な勢いでマザーシップを飲み込んでいった。

 船体がねじれ、バラバラに砕ける。


 そして――


 ドオォォンッ!!


 マザーシップは跡形もなく消え去った。

 それと同時に地上にいたアンドロイドたちも次々に倒れていった。

 まるで、糸を断たれた操り人形のように――


 *   *   *


 ついに長年にわたる戦争が終わった。

 惑星エリシアンは、ようやく平和を取り戻したのだった。


「これ、ありがとうございました」


 戦いが終わり、ルナはムーンサーベルをアムールに返そうとした。


 しかし、アムールは静かに首を横に振る。


「ルナ、先ほどの戦いを見て、きみの勇気と戦いぶりに感銘を受けた」


「あれはムーンサーベルが導いてくれたから」


「それは違う」


 アムールはルナをまっすぐ見つめ、優しく微笑んだ。


「言っただろう? サーベルは、持ち主次第でその力を発揮するかどうかを決める。つまり、ルナはムーンサーベルに認められたということだ」


 サーベルを見ると鍔がキラリと光った。まるでアムールの言葉を肯定するかのように。


「ムーンサーベルは、きみに授けよう、ルナ」


「えっ?」


 驚いたルナはアムールとムーンサーベルを交互に見る。


「いやいや、でももともとあなたのだし――」


「話はテンから聞いている。これからの旅路でも、きっと役に立つときが来るだろう」


 その横でテンが腕を組んでうなずく。


「ルナ、くれるん言うてるんだからもらっとけばええやん。おまえのフライパンじゃ心許ないねん」


「あんた何話したのよ!」


 ルナはテンを睨みつけた。どうやらフライパンの件も、きっちり説明されていたらしい。


 アムールはそんな二人のやりとりを見て、くすっと笑う。


「じ、じゃあ、ありがたくいただいておきます」


 ルナは深くお辞儀をして、ムーンサーベルを鞘に収めた。


「これを持っていれば、ルナ、きみの居場所はいつでもわかる」


 アムールは、意味深にウインクする。

 ルナは少しだけ首をかしげる。どういう意味なのかは、よくわからなかった。

 だが、なんとなく――

 またどこかで会う気がした。


「ルナ、困ったことがあればいつでも助けに行くぞ! 達者でな!」


 シープ隊長が別れの挨拶をすると、仲間の戦士たちも一斉にうなずいた。


 巨大な船体が低く唸りを上げ、戦艦アニマライズ号は空を切り裂くように上昇する。

 眩い光の尾を残しながら、やがて漆黒の宇宙へと消えていった――。


 *   *   *


「ルナ、テン、見事、役目を果たしたな」


 マーヴェリックに褒められ、二人は思わずガッツポーズを取る。


 マーヴェリックは満足げにうなずき、目を細める。

 猫の手どころか、犬以上に働いてくれたという顔だった。


 その隣で、ベルマンが腕を組みながら言う。


「司令官にも見せたかったですよ。あのサーベルを持ったルナを」


「いやいや、そんな大したことあらへんて」


 なぜかテンが照れくさそうに顔の前で手を振る。


「だからあんたが謙遜してどうすんのよ、いつも!」


 ドッグソルジャーたちは、二人に深く感謝を述べ、約束どおりワームホールの在りかを教えてくれた。


 ルナとテン、そしてバロンは、基地を後にして、その場所へ向かう。


 道中、ルナは気になったことを口にした。


「だけどドッグソルジャーは、みんな犬そのものだったね」


「それって、犬そっくりやってことか? そんなもん、ルナの世界にもおるやろ?」


「いるわけないじゃない。そりゃあ、犬っぽいとか猫系の顔とかはいるけど」


「ふ~ん。こっちはぎょうさんおるで。あいつらそうやん。猫の忍者」


「あっ、にゃんこニンジャー? たしかに。忘れてた。あれは猫そのものだわ。猫のまんま」


「ねこまんまや」


「うまいね!」


 などと、どうでもいい話に花を咲かせていると、ついにワームホールが現れた。

 腰の高さの空間に、ぽっかりと黒い穴が浮いている。

 直径は、わずか一メートルほど。


「なんやねんこれ。いっつも浮いとんのか?」


「よし、テン、バロン、準備はいい? 行くよ!」


 ルナたちは息を合わせ、一気にその穴へ飛び込んだ。




 ドシン――。


 ルナとテンは、またもや尻から地面に落ちる。

 バロンはうまく着地した。


「いたたたたた……」


 二人が悶絶しながら尻をさすっていると――


「姫様~!」


 聞き覚えのある情けない声が響いた。

 その呼び方だけで、ルナには誰かわかった。


「シマシマ!」


 駆け寄ってきたシマシマに、ルナは思わず抱きついた。


「元の世界に戻れたのではないのですか?」


「いや、なんか違うところに出ちゃって……」


 少し残念そうに答えるルナに、テンが横から口を挟む。


「まあ、あれやな。あれはあれでスリルあったんちゃうか?」


 テンが、せめてものフォローを入れる。なんだかんだで優しい。


「まあ、たしかに……あれはあれでね」


 ルナも苦笑する。


「えっ、何があったんですか? 聞かせてくださいよー」


「どうしようかなー」


 置いてけぼりのシマシマに、ルナはわざともったいぶった笑みを返す。


「ええ~、僕だけ仲間はずれですか~?」


 その様子が可笑しくて、ルナとテンは笑った。

 一行は笑い声を響かせながら、再び東の地を目指して歩き出す。


 ムーンサーベルを背に、しっかりと携えながら――。



 エピソード XI 異次元ゲート 「了」

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


今回は、まさかの異次元へ!

犬の軍隊に、アンドロイド軍、宇宙戦艦、そしてゾディアックウォリアーズまで登場しました。


かなり盛りだくさんな回になりましたが――


**今回、一番笑ったところはどこでしたか?**


笑いのツボは人それぞれ違います。


そこが知りたい! おしえてくれ!


次のエピソードも、ぜひよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ