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Monster PandemiX(モンスター・パンデミックス)  作者: 古賀丸マシカク
エピソード XI 異次元ゲート

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第49話 干支の戦士 ゾディアックウォリアーズ登場

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

「もうだめだーー!!」


 ルナの脳裏に、両親の顔がよぎった。


(パパ……ママ……)


 そのとき――


 空から一筋の光が差し込み、戦闘機の中を光で満たした。


 まばゆい輝きがルナたちを包み込むと、次の瞬間、体がふわりと宙へ浮かび上がる。


 重力が消えたような感覚……なんだかふわふわして気持ちがいい。


「あれ、死んだのかな?」


 体はゆっくりと宙を舞い、大きな戦艦の甲板に横たわるように静かに降ろされた。

 それは、先ほどの敵のマザーシップとは明らかに違うふねだ。


 やがて光が霧散し、視界が晴れる。


 すると目の前に複数の人影が現れた。


 そこには、未知のスーツに身を包んだ十三人の戦士が立っていた。


「間一髪だったわ」


「ありがとう、フェニックス」


「ほんとだ、彼女がムーンサーベルを持ってるよ」


 ルナたちを救った戦士たちは、ざわざわと何か話し合っている。


 煌めく鎧のようなスーツを纏う謎の戦士たち。よく見ると動物の顔をしている。


 ルナは、彼らの姿に視線を滑らせる。


「端っこのがネズミね。で、次は、えっと~牛。で、虎……次も虎? 虎は二人いるな~。

 で、うさぎでしょ。あれは……龍ね。蛇、馬……馬に跨っているヒトがいるわ。

 んで、羊で猿でしょ。あれは翼があるから鳥ね。そんで犬……かわいい! 最後は、イノシシだな」


 ルナは、しばし考え込んだ。

 そして、ぽんと手を打つ。


「まるで干支じゃん!」


 そう、そのすべてが十二支の獣を象徴していた。

 まるで「干支の戦士」と呼ぶべき十三人が、彼女の前に堂々と立ち並んでいたのだ。


 虎にあたる戦士だけは、男女二人が対をなすように並んでいた。


 全員が色鮮やかな金属光沢を放つメタリックスーツを装着している。

 その姿は近未来的にも見えるが、どこか神々しさすら漂わせていた。


「あたし死んだのかな。ここは天国で、あれはきっと神様だな」


「なあ、ルナ。なんやねんこいつらは?」


「うわっ!」


 死んだと思ってたら、いきなりテンが話しかけてきた。


「テン、あんたも死んだの?」


「え? 死んだ? 俺死んだん?」


 すると、一人の女虎戦士が二人のところへ歩み寄ってきた。


「心配するな。きみたちは生きてる」


 彼女のスーツは全身ゴールドのメタリック仕様。

 顔にはメタリックマスクを装着しており、露出しているのは目・鼻・口・耳のみだった。

 それでも虎とわかるデザインのメタルスーツだ。


「きみがムーンサーベルを起動させたんだな」


 初対面でいきなり意味不明なことを言ってきた。


「へ?」


 ルナは、なんとも気の抜けた声を出し、きょとんとしている。

 何を言われているのか、さっぱりわからなかった。


「私はアムール。そのムーンサーベルは、私がなくしてしまって、ずっと探していたものなんだ。そして、きみがそれを使ったことでサーベルが起動し、私とつながった。そのおかげで、この場所の座標が特定できた」


「は~……?」


 説明しているようだが、余計にわからない。


「きみ、名前は?」


 突然名前を聞かれ、はっとする。


「ル、ルナです。ムーンサーベル? これのこと?」


 そう言うと、背中にしょったスキャバードから、ムーンサーベルを抜き取った。


「そういえば、アンドロイドをやっつけるときに、月のつばが光ったわ。これが起動……?」


「ルナ。ムーンサーベルは、誰でも起動させられるわけではない。手にした者が愛と勇気と希望を持ち合わせていなければ、決してサーベルは反応しない。

 だが、本来の力を発揮すれば、鋼鉄すら断ち切る力を持つ。もっとも、その力をどこまで引き出せるかは、使い手次第だ」


 アムールの説明では、特別な者でないとサーベルが本領発揮をしないと言っている。


「めっちゃすごいけんやん! おっさん、そんなたいそうなもん、よー拾ったなー」


 隊長をおっさん呼ばわりするテンが、呆然と佇むベルマンの膝をペシペシ叩く。


「……か……彼らは……いったい何者だ?」


 *   *   *


 すると、一人の羊戦士が前に進み出る。


 男は立派な白髭をたくわえ、銀色の兜を頭に被っていた。そこから、ダイナミックにうねる二本のシルバーの角が伸びている。

 深緑の瞳は鋭い光を放ち、身にまとったスーツはグリーンメタリックの輝きに包まれていた。


「この星の者か?」


 羊の初老戦士が隊長のベルマンに声をかける。


「あっ、は、はい、そ、そうです。レジスタンスとしてあの侵略者と戦っています」


 ベルマンは思わず背筋を伸ばした。

 一目でこの男が彼らのリーダーだと直感したのだ。

 そのせいか、声がわずかにどもる。


「そうか。それは申し訳なかった」


 羊戦士はゆっくり頷いた。


「我々は惑星連合宇宙警備隊に属しているゾディアックウォリアーズだ。そして私は隊長のシープ。宇宙の平和と治安を維持するために日々活動している」


 その言葉には、長年戦い続けてきた者の重みがあった。


「あれはテクノデストロイヤー軍――アンドロイド傭兵を擁する危険な勢力だ。まさか、こんなところにまで侵攻しているとはな……」


 宇宙警備隊は宇宙各所に配備されている。


 そして、ゾディアックウォリアーズはその中でも特に精鋭の部隊だった。

 彼らが乗っている戦艦の名は――


 アニマライズ号。


 宇宙警備隊の象徴とも言える艦である。


「あとは我々に任せたまえ」


 シープ隊長が毅然とした態度で告げると、アニマライズ号は唸りを上げて敵のマザーシップへと進路を取った。


「ルナ、きみも一緒に戦うかい?」


 アムールが手を差し出した。まるで、中学生のルナを放課後に遊びへ誘うような軽さだ。


「いやいや、あたしは戦い方を知らないし……」


「大丈夫だ。ムーンサーベルが導いてくれる。決して負けやしない。さあ、ついてこい!」


 そう言うや否や、アムールは半ば強引にルナの手をつかみ、そのまま敵のマザーシップへと突入した。

 彼らの動きには一片の迷いもない。戦士としての誇りを背に、堂々と敵陣へ飛び込んでいった。


「ルナ……」


 アニマライズ号に残されたテンは、ただ祈ることしかできなかった。


 強引に連れていかれたルナの生還を、心の底から願った。

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

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