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Monster PandemiX(モンスター・パンデミックス)  作者: 古賀丸マシカク
エピソード XI 異次元ゲート

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第46話 だったら猫に――

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

「やったー! これで帰れるねー!」


 ルナとテンは抱き合って喜んだ。


 元の世界に、――といってもテンのいた異世界だが――戻れるワームホールを知っているんなら何も心配はない。

 早いとこ、こんな物騒なところから逃げ出すに限る。


 ところが、マーヴェリックが、そんな二人に水を差す。


「いや、その前におまえたちにはやってもらいたいことがある」


 マーヴェリックがタバコの煙を鼻から吐いた。

 ルナとテンは同時にむせた。


「ごほっ、ごほっ。え? やってもらいたいこと? 皿洗いならあたし結構得意よ」


 ルナが真面目な顔でブラウスの袖をめくり上げた。


「そうか……では、おまえは厨房で……って、皿洗いではないわ! ドアホが!」


 またしても、マーヴェリックに恫喝された。

 しかも今度は、ノリツッコミからのドアホ呼ばわりだ。


 *   *   *


 マーヴェリックの説明によると、現在この軍はアンドロイド軍との戦争状態にあるそうだ。

 惑星エリシアンは、かつて戦争とは無縁の平和な星であり、()()()()は幸せに暮らしていた。

 しかし二年前、突如、別の星からマザーシップが飛来し、この星の支配を試みた。


 それに対抗すべく、ドッグソルジャーたちが中心となってレジスタンス部隊を結成し、日々戦いを続けている。


 ――という、かなり壮大な話である。


 しかし問題は、その兵力差だった。


 アンドロイド軍は圧倒的な戦力を持っており、ドッグソルジャーたちはかなり不利な状況に置かれているらしい。


「つまり、いまは猫の手も借りたい状況だ」


「犬なのに猫の手も、って……相当ピンチなのねブフッ」


 ルナは、自分で言って、不謹慎にもつい噴き出してしまった。

 マーヴェリックが、そんなルナを横目で睨みながらひとつ提案してきた。


「おまえたちの働き次第では、ワームホールの場所を教えてやってもいい」


 マーヴェリックがタバコの火を灰皿に押し付けながら、再度ジロッと二人に視線を射る。


「わかりました。……して、皿は何枚洗えばいいんでしょうか?」


「そうだな、とりあえず皿は五十枚、そのあとフォークやらスプーンやらを適当に洗っといてくれれば、あとはこっちでやっとく……ちゃうわ! 皿洗いちゃうわ!」 


 司令官という肩書きの割に、言葉がわりと関西の居酒屋寄りだった。


「今回はノリんとこがやけに長かったな」


「そうね、本当に皿洗いやらされるのかと思ったわ」


 さっきまで気高く振る舞っていた司令官マーヴェリックだが、急にキャラが変わったみたいだ。


「ほんなら、何したらええねん!」


 テンも、なかなか核心を伝えない司令官に苛立ちを見せる。


 マーヴェリックは短く言った。


「いっしょに戦ってもらう」


「……」


 ルナとテンは、一瞬言葉を失う。


 思考が止まる。


 というより――理解が追いつかない。


「では、さっそく着替えてもらうぞ」


 マーヴェリックが勝手に話をどんどん進めていく。


「ちょちょちょちょ、ちょっと待って。戦うって何と?」


「話を聞いていなかったのか? アンドロイドとだよ」


「いやいやいや、無理無理無理。だって銃でしょ? できっこないじゃん、あたし中学生だよ!」


「せや! なんで俺らがあんたらのために戦わなあかんねん!」


「だから、猫の手も借りたいって言っただろが」


「だったら猫に――」


「帰りたくないの?」


 マーヴェリックは食い気味に痛いところをついてきた。しかもかなり急所だ。


「……くっ、くそ~」


noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

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