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Monster PandemiX(モンスター・パンデミックス)  作者: 古賀丸マシカク
エピソード VIII 悪に染まった心を正義の爪は許さない

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第30話 ほんなら、おまえはいったい誰やねん!

noteにて「Monster PandemiX」の裏話を公開中!


https://note.com/kogamaru_mp/n/na6350cefe825

「ありがとう、レッド。そしてにゃんこニンジャーのみんな!」


 ルナは改めてお礼を言うと、五人は手を振って朝焼けの中を駆け足で去っていった。

 しかし、どこへ向かうのか決めていなかったらしく、あっち行ったり、こっち行ったり。登場シーンはヒーロー然としていたが、去り方はバラバラだった……。


「なんやねん、あいつら……」


 すると尚香がジョンを連れてやってきた。


「ルナさん、テン君、本当にありがとう。ジョンを助け出してくれて」


 尚香は深々と頭を下げた。


「うん、ほんとよかったです。約束を守れてホッとしてます」


 ルナは安堵の笑みを浮かべながら答えた。

 尚香は何度も礼を言い、ジョンと共に帰っていった。


「あれれ?」


「ん? どうした? テン」


「あの犬、さっきの犬とちゃうな。ジョンやないで」


 テンは尚香の連れていた犬の後ろ姿をじっと見つめながら言った。

 テンの観察眼は、こういう時だけ異様に鋭い。男と女は見誤るが……。


「あっ、ほんとだ! 似てるけど違う!」


 あたりを見渡すと少し離れたところに黒い大型のニューファンドランド犬がポツンと座っている。


「あいつや! あの犬や! ジョンや!」


 二人はその犬のところに駆けていった。


 ニューファンドランドは二人に気づくと「バウ!」とひと吠えした。

 体高たいこう、つまり地面から肩までのサイズは、ほぼテンと同じくらいだ。

 頭のぶんニューファンドランドが勝っている。


「君は? 飼い主は来てないの?」


 ルナが優しく声をかける。

 他の犬や猫はみんな飼い主と帰路についた。一匹だけなぜか残っている。


「バウ……」


 その犬は、寂しそうにこうべを垂れる。


「尚香が間違えて違う犬連れてったんちゃう?」


「そんなバカなことないでしょ! 自分のペットを間違うなんて。あの助けてくれた犬はジョンじゃなかったのよ」


「ん? どーゆーこっちゃ?」


 ルナは、そっとニューファンドランドの頭を撫でる。


「君が助けてくれたんだよね?」


「バウッ」


 ニューファンドランド犬は、尻尾を激しく振る。

 テンはしばらく考え込む……そして何かを思いついたようにハッとする。


「ほんなら、おまえはいったい誰やねん!」


「バウ!」


「この犬は、きっと飼い主がいないんだね。たぶん捨てられたんだ」


「ク〜ン」


 ニューファンドランドは切なそうに鼻を鳴らし、ルナにそっと寄り添う。


「よしよし、安心しな、大丈夫だよ。あたしが君の飼い主になるから」


 ルナは毛並みのいい黒犬の頭を撫でた。


「ほんまか! そいつはええ考えや。仲間が増えたな!」


 テンもその案にまんざらでもないらしい。


「バウ!」


 ニューファンドランド犬はひと吠えすると、口角がぐっと上がった。


「そうと決まれば名前を決めないとね」


「そうや、名前や」


 ルナは顎に指を当て、じっとニューファンドランドを凝視していた。

 すると「バウ!」とまた元気に吠えた。


「よし、鳴き声がバウだから、バウにしよう」


「なんやピンとこんな〜、安直あんちょくやし。センスゼロや」


「そう? んじゃあ……」


 しばらく考えると――


「バロン、バロンは?」


「おっ、ええやん、バロン。呼びやすいしな」


「バウ!」


「そうか、君も気に入ったか、では今日から君はバロンよ」


 バウからどういう道のりを辿ればバロンになるのかわからないが、テンも当の黒犬もたいそう気に入ったらしい。


 そして新たな仲間を迎えたルナ一行は再び旅に出た。


 *   *   *


「ルナ、そういえば――」


 テンがルナの顔を見上げている。


「おまえなんであんな無茶したん?」


「無茶って?」


「あんなぎょうさん敵がおる中に、ひとりで突っ込んでいったやん。しかも、凝りもせずフライパンでやで」


 テンは、相変わらずフライパンだけで相手に向かっていく、その無謀さの心理を問うた。

 しかし、ルナは、その質問に淀みなく答える。


「だって、約束したでしょ? ちゃんと助けるからって」


 テンは、予想外の答えに一瞬固まる。

 しばらくルナの顔を見つめていると目頭が急に熱くなってきた。


「ごめん、テン、もうあんな無茶はさせないからね」


 ルナも反省しているようで、両手を合わせてすぐさま謝罪した。


「あ、あたりまえや! ほんまエエかげんにせえよ、次やったらしばくで!」


 テンは悪態をつきながら、顔を見られない角度で先を急ぐ。

 その目からは、涙が滝のように溢れていた。


 ルナは微笑みながら、テンの背中をいつまでも見つめていた。



 エピソード VIII 悪に染まった心を正義の爪は許さない 「了」

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


今回は「にゃんこニンジャー」が初登場!

さらに、新しい仲間・バロンも加わりました。


ということで――


**第一回『Monster PandemiX』キャラクター人気投票を開催します!**


ここまでに登場したキャラクターなら誰でもOK!


あなたの「推し」を一人、感想欄で教えてください。


「テン!」

「ウェルシュ推し!」

「モモニンジャー!」

など、**キャラクター名だけでも大歓迎です!**


果たして第一回人気投票、誰が一位になるのか――作者も楽しみにしています(笑)


次のエピソードも、ぜひよろしくお願いします!


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