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転生したら焔神の加護が危険だと追放された俺、軍事国家で最強の戦力として成り上がる  作者: YUJIN


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第5話 冒険者登録

 イグナリアへ向かう街道は広く、よく整備されていた。

 グレイズたちと歩くのは悪くないが、俺は少し距離を置いて歩く。


 そんな俺を横目に、グレイズがふいに口を開いた。


「なぁ、タイチ。ひとつ聞いていいか?」


「……なんですか?」


「その前にさ。堅苦しいのやめようぜ?

 歳もそんなに変わらねぇんだ。もっと気楽にいこう」


「……わかった。で、聞きたいことって?」


 グレイズは真っ直ぐ俺を見た。


「お前、転生者だろ?」


 足が止まった。


「ソルディア王国が軍事利用のために転生魔法を使ったって噂は聞いてる。

 お前の強さは普通じゃねぇし、名前もこの国の感じじゃない」


 そして核心を突く。


「焔神の加護を持つお前は、追放されたんだろ?」


 図星だった。


 グレイズはため息をつき、空を見上げる。


「ソルディアは昔、火の上位精霊の加護を持った兵士に国を燃やされてから、火魔法を毛嫌いしてる。

 火魔法の適性を持って生まれた子供は、奴隷に売られるか、死ぬまで働かされるって話だ」


 胸の奥がざわつく。


「んで、お前が持ってるのは……焔神の加護。

 どうせ邪神扱いされて、ひでぇ目に遭ったんだろ?」


 言葉が出なかった。


 グレイズは俺の肩を軽く叩く。


「仲間を作りたくねぇって言ってたのも……同郷の転生者に裏切られたからだろ?」


「…………」


「でもな、タイチ。

 もし信用できる仲間に出会えたら、その時はパーティを組んでみろ。悪くねぇぞ」


「……考えとくよ」


 グレイズの言葉は、なぜか胸に刺さった。


 ---------------------------------------------


 しばらく歩くと、巨大な影が視界に入る。


「……あれが、イグナリア?」


「おう。ヴァルリア帝国の第二都市だ」


 空を覆うほどの巨大な城壁。

 その上では兵士たちが巡回している。

 鍛冶屋の火花が遠くからでも見え、街全体が熱気に包まれていた。


 赤い石で造られた神殿が、陽光を浴びて炎のように輝いている。


(……すげぇな)


 思わず息を呑んだ。


 -----------------------------------------------


 街の西側にある巨大な建物──冒険者ギルドへ向かう。


「ここがギルドだ! まずは冒険者登録からだな!」


 中に入ると、冒険者たちの声と依頼の紙の音が響いていた。


 グレイズが受付嬢に声をかける。


「よぉ、シルビア! こいつの冒険者登録頼む!

 腕が立つからスカウトしてきた!」


 シルビアはため息をついた。


「……また勝手にスカウトですか?

 前回の“すごい新人さん”は三日で死にましたよ?」


「いやいや、今回は本物だって!」


「グレイズさんの“本物”は信用できません」


「おい!?」


 周囲の冒険者がクスクス笑う。


 シルビアはすぐに俺へ向き直り、柔らかく微笑んだ。


「初めまして、受付のシルビアです。

 それでは冒険者登録をしますね。お名前をお願いします」


「……タイチです」


「では、スキルボードを拝見します」


 俺がスキルボードを開くと、淡い光が広がる。

 シルビアの表情が固まった。


「……え?」


 次の瞬間、彼女は目を見開いた。


「えっ……焔神の加護……!?

 神の加護なんて初めて見ました……!」


 周囲がざわつく。


「おい、見ろよ……」

「神の加護だって……?」

「火魔法A……マジかよ……」


 グレイズはドヤ顔で胸を張る。


「な? 言っただろ? 本物だって!」


 シルビアは渋々頷いた。


「……今回は、グレイズさんの見る目が正しかったようですね」


「だろ!? もっと褒めても──」


「調子に乗らないでください」


「手厳しいな……!」


 笑いが広がる。


 シルビアは手続きを進め、ギルドカードを差し出した。


「これで登録完了です。

 本日よりあなたは正式な冒険者です。

 フォレストウルフ討伐の実績がありますので、Cランクからの登録になります」


 ----------------------------------------------


 ギルドを出ると、グレイズたちが手を振った。


「じゃあな、タイチ!

 俺たちは次の依頼だ! また会おうぜ!」


 リオが名残惜しそうに言う。


「またね、タイチ!」


 セリナは微笑む。


「困ったらいつでも頼りなさい。あなたなら強くなれるわ」


 ガントは短く言った。


「無理はするな。鍛えろ」


 最後にグレイズが言う。


「一匹狼でもいい。

 でも──いつか信用できる仲間に出会えたら、逃げずに向き合え!」


「ああ……わかったよ」


 四人は笑い、雑踏へ消えていった。


 残された俺は、ギルドカードを見つめる。


(……信頼できる仲間か)

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