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転生したら焔神の加護が危険だと追放された俺、軍事国家で最強の戦力として成り上がる  作者: YUJIN


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第41話 守れない約束

 森の奥から響く足音は、魔物のものではなかった。

 規則的で、重くて、金属の擦れる音が混じっている。


 ノエルが俺の服を掴んだまま震えている。

 アヤカは顔を見ただけで青ざめていた。


「……来た……」


 木々の間から三つの影が現れた。


 先頭に立つのは、見間違えようのない男――

 霧島 博史。


 その後ろに、ニヤついた坂上将太。

 そして霧島の腕に触れながら歩く早乙女陽菜。


 アヤカの顔から血の気が引く。


「……なんで……ここに」


 ノエルは尻尾を巻き込み、涙を浮かべて震えた。

「この人……達の匂い……嫌い……血の匂いがする」


 霧島は俺たちを見て、薄く笑った。


「黒狼族の奴隷か……珍しいな。ペットにでもして遊んでやるか」


 坂上が下品に笑う。

「いやいや、服従させて戦わせるのもありでしょ。黒狼族って強いらしいし」


 早乙女はノエルを見て、うっとりしたように微笑む。

「私の奴隷にしたいなぁ……だって可愛い顔してるんだもん!」


 ノエルは小さく悲鳴を漏らし、俺の背中に隠れた。


 早乙女が俺たちを見て、首を傾げる。


「あらら? もう飼い主がいるのかしら?」


 霧島が一歩前に出る。


「お前ら、その黒狼族を渡せ。そいつは今から俺たちのおもちゃだ」


 坂上が胸を張る。

「そうだぞ? 俺たちはソルディア軍の幹部だ。逆らうとどうなるか……まぁ考えればわかるだろ?」


 霧島は冷たい声で続けた。

「言うこと聞かなければ……ここでお前達の首を刎ねてもいい」


 アヤカが震えながら俺の袖を掴む。


 坂上が俺を指さした。

「……ん? そこの男……どっかで見たことあるな」


 霧島が早乙女に命じる。

「陽菜、鑑定しろ」


「はーい! 鑑定しまぁーす!」


 早乙女の瞳が淡く光り、俺とアヤカを見た。

 そして、口元を歪めて笑った。


「誰かと思えば……黒澤くんと、裏切り者の綾香ちゃんじゃない?」


 霧島が鼻で笑う。

「フッ……なんだ、雑魚が2人とも生きてたのか」


 坂上もニヤつく。

「マジかよ……しぶといなぁ……あの状態で生きてた黒澤は褒めてあげるよ」


 ノエルは震えながら呟いた。


「……悪い人間……いや……」


 霧島が剣を抜く。

 その音だけで、空気が凍りついた。


「綾香と獣人は、渡してもらう」


 俺は一歩前に出た。


「そんなこと……させるわけないだろ」


 霧島が薄く笑う。

「太一。お前に拒否権はない」


 坂上が肩をすくめる。

「処刑されたいなら別だけどな。お前じゃ俺たちには勝てないぞ?」


 俺はアヤカに小声で言った。


「なぁアヤカ……正体もバレたんだ、加護使ってもいいよな」


 アヤカは目を見開く。

「ダメだよ……アリスちゃんと約束したじゃない」


「でも、加護使わなきゃコイツらを倒せない。

 ……普通にやって勝てる相手じゃない」


 アヤカは唇を噛み、震える手で弓を握りしめた。


「……暴走しないって、約束できるなら」


「約束する」


 アヤカは深く息を吸い、頷いた。


「……分かった。

 私も後ろから援護する」


「ああ……頼んだぞ」


 霧島が剣を構え、ゆっくりと歩み寄ってくる。


「話は終わりか?

 じゃあ――始めようか」


 俺は静かに目を閉じた。


「ああ……

 焔神――俺に力を貸せ。」


 その瞬間、俺の体の奥で焔神の加護が燃え上がった。


 胸の奥から熱が溢れ、視界が赤く染まる。

 焔神の加護が、応えるように脈動した。


 ノエルが息を呑む。

 アヤカが震えながらも、俺を見つめる。


 霧島がニヤリと笑った。


「ほう……それが邪神の力か」


 俺は刀を構え、地面を踏みしめた。

 焔神の炎が、俺の周囲に立ち上る。


「――行くぞ」

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