表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら焔神の加護が危険だと追放された俺、軍事国家で最強の戦力として成り上がる  作者: YUJIN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/46

第40話 オーガの群れ

倒木の影に、黒狼族の少女が座り込んでいた。

年は……俺たちよりも少し年下くらいだろうか。

その体は小刻みに震えていて、まるで幼い子供のよう怯えていた。


擦り傷はあるが、致命傷はなさそうだ。

それだけでも胸を撫で下ろした。


「大丈夫……?」

アヤカがそっと少女の前にしゃがむ。


少女はびくりと肩を震わせたが、アヤカの顔を見ると、ほんの少しだけ力が抜けたように見えた。

本来なら獣人の同年代なんて、もっと気丈なはずだ。

それなのに、ここまで怯えているなんて。


(一体何があったんだ……)


「大丈夫か? 怖かったよな」

俺も距離を取りつつ声をかける。


少女は唇を震わせながら、かすかに声を絞り出した。


「……う……しろ……」


「後ろ……?」

アヤカが振り返ろうとした瞬間――


ドン……ドン……と地面が揺れた。


木々の奥から、複数の影が揺れる。

低い唸り声、鼻息、枝を踏み砕く音。


「オーガ……!」

俺は即座に刀を抜いた。


アヤカは少女を背に庇いながら弓を構える。


木々を押し分けて、五体のオーガが姿を現した。

どれも体格が大きく、筋肉の塊みたいな腕を振り上げている。


「来るよ、タイチくん!」

「ああ……分かってる!」


オーガの咆哮が森を震わせた。


一体目が突進してくる。

地面が抉れるほどの踏み込み。

俺は横に跳び、刀を振り抜いた。


刃がオーガの腕を裂き、血飛沫が散る。

だが、オーガは怯まず拳を振り下ろしてきた。


「重い……!」


受け流しながら後退する。

腕が痺れるほどの衝撃だ。


二体目が横から迫る。

同時に三体目がアヤカの方へ向かう。


「行かせるかよ!」


アヤカの矢が飛び、オーガの足に突き刺さる。

巨体がよろめいた瞬間、俺が飛び込む。


「邪魔だ!」


刀がオーガの喉元を裂き、巨体が崩れ落ちる。


だが、まだ三体残っている。


アヤカはノエルを背にしながら、次々と矢を放つ。

太い腕、膝、肩──動きを止めるための急所を正確に射抜く。


「太一くん、右!」

「任せろ!」


右側から迫るオーガの拳を紙一重で避け、脇腹へ斬り込む。

手応えはあるが、硬い。

それでも斬り続けるしかない。


アヤカの矢が俺の死角のオーガの目に刺さり、巨体がのけぞる。


「アヤカいいぞ!」

「油断しないで!」


最後の一体が咆哮しながら突っ込んでくる。

俺は深く息を吸い、踏み込んだ。


「――これで終わりだ!」


刀がオーガの胸を貫き、巨体が地面に倒れ込む。


森が静まり返った。


アヤカが少女の前にしゃがむ。

少女はまだ震えているが、逃げようとはしない。


「……名前、聞いてもいい?」


少女はためらいながらも、かすかに答えた。


「……ノエル……」


「ノエルって言うのね。いい名前ね」

アヤカが優しく微笑む。


俺も頷く。

「ノエル。もう大丈夫だ。危険は――」


その瞬間、ノエルの表情が一変した。


深い恐怖がノエルの瞳に宿る。


「……くる……」


「え?」


森の奥から、複数の足音が響いた。


魔物の足音じゃない。

もっと規則的で、重くて、装備の擦れる音が混じっている。


「太一くん……これ、人間の……」

アヤカの声が震える。


ノエルは俺の服をぎゅっと掴んだ。

その手は強く震えている。


「……嫌な匂いの……人間が……くる……」


足音は、確実にこちらへ向かっている。


俺は刀の柄に手をかけた。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます!

少しでも続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

今後もよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ