表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら焔神の加護が危険だと追放された俺、軍事国家で最強の戦力として成り上がる  作者: YUJIN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/46

第26話 空を咲く矢

 ロックバードの影が空を覆い、

 城壁の上は羽音と悲鳴と矢の音で満ちていた。


 第四小隊は限界寸前だった。


 セリウスが怒鳴る。


「撃て! 撃ち続けろ!

 綾花は何している! こっちはもう始まってんだぞ!」


 弓兵たちは汗と血で手を滑らせながら、必死に矢をつがえていた。


 その時ーー


 城壁の階段から、軽い足音が駆け上がってくる。


「お待たせしました!」


 澄んだ声が響いた。


 セリウスが振り返りざまに怒鳴る。


「遅い!!

 ったく! 負傷兵を運ぶのにどれだけかかってんだ!

 隊長が甘やかすから……!」


 階段の上に姿を現したのは──

 白銀の髪を風に揺らす少女、綾花。


 息は上がっているが、

 その瞳は戦場を真っ直ぐに見据えていた。


「すみません……!

 すぐに持ち場につきます!」


「言い訳はいい! 右から来る群れを落とせ!」


 綾花は深く頷き、弓を構えて城壁の縁へ駆け寄った。


 ロックバードが三体、獲物を狩るように急降下してくる。


 綾花は矢を三本つがえ、呼吸を止めーー


 放つ。


 シュッ、シュッ、シュッ!


 三本の矢が三方向へ飛び、

 三体のロックバードの翼を正確に射抜いた。


 兵士たちが息を呑む。


「……すげぇ……」

「アヤカさん、流石だ……」


 綾花は振り返らず、次の矢をつがえながら風の流れを読む。


 死角から迫るロックバードに対し、

 横薙ぎの姿勢のまま矢を放つ。


 ズドンッ!


 矢は喉元を貫き、

 血飛沫が空に散った。


 次の瞬間ーー

 地上が赤く染まった。


 轟音が城壁を揺らす。


 ゴォォォォォッ!!


 炎の柱が外壁前を覆い、

 アイアンリザードの群れが次々と焼き尽くされていく。


「なんだあれ……?」

「地面が……燃えてる……?」


 綾花はその炎を見つめ、淡い青の瞳をわずかに見開いた。


「……綺麗な炎……

 誰が……あんな炎を……?」


 セリウスが苛立ったように舌打ちする。


「なんだよあれ……

 第一小隊に、あんな芸当ができる奴がいたか?」


 炎が消えた直後、

 城が揺れるほどの雄叫びが地上から響いた。


 兵士たちが驚く。


「地上の奴ら、すごい士気だな……」

「ああ……寄せ集めの兵士なのに、あれは……」


 だが、見惚れている暇はなかった。


 ロックバードの群れが、城壁へ向かって一斉に急降下してきた。


「全員伏せろ!!

 よそ見するな、目の前の敵に集中しろ!」


 その背後ーー

 セリウスの死角から、一体のロックバードが迫る。


「ーーッ!?」


 その瞬間、白銀の影が飛び込んだ。


「副隊長、危ない!!」


 綾花がセリウスを突き飛ばし、

 代わりにロックバードの爪が彼女の腹部を深く裂いた。


 鮮血が舞う。


「っ……!」


 そのまま衝撃で身体が宙に浮き、

 城壁の外へ弾き飛ばされる。


「アヤカ!!」


 綾花の身体は空中で回転し、

 地面へ向かって落下していく。


 風が白銀の髪を乱し、

 視界が遠ざかる。


 ドサッ。


 鈍い音とともに、

 綾花の身体は地面へ叩きつけられた。


 肺から空気が漏れ、

 意識が闇に沈む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ