第19話 初めての仲間
任務を終え、救出した村人たちを送り届けた頃には、
空はすっかり明るくなっていた。
駐屯地へ戻ると、入口でジークが腕を組んで待っていた。
「よぉ……生きて帰ってきたみたいだな。
デイビットが会議室に来いってよ」
俺たちは顔を見合わせ、そのまま会議室へ向かった。
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扉を開けると、デイビットが腕を組んで立っていた。
「よく無事に帰ってきてくれた」
その声はいつも通り落ち着いている。
だが、俺を見る目だけが少し違った。
「……タイチ。目つきが変わったな」
返す言葉が見つからなかった。
デイビットは続ける。
「どうやら、お前ら結構無茶をしたみたいだな」
カレンが即答した。
「無茶したのはタイチだけだ」
「……おい」
思わずツッコむが、否定はできない。
壁にもたれていたジークが、ため息をつきながら言う。
「確認のために現地に行ったがよ……
大隊長になんて報告したらいいんだ?」
ジークは親指で俺を指す。
「新人が砦を丸ごと焼き尽くして、盗賊を虐殺しました……てか?」
アリスがジークを睨む。
「ジーク……言い方が悪いよ」
「覚悟決めろとは言ったが、ここまで規格外だとは思わなかったぜ」
ジークは肩をすくめた。
「まぁ、任務は無事終わってよかったぜ」
アリスが小さく笑う。
「ジークって、なんだかんだ言って心配してるよね」
「うるせぇ。
俺だって……仲間が死ぬところは見たくねぇだけだ」
その言葉に、部屋の空気が少しだけ柔らかくなった。
デイビットが俺たちを見渡す。
「任務ご苦労だった。
アリス、カレン、タイチ。お前たちには休暇を与える。
外出許可も出すから、少し体を休めろ」
「ありがとうございます」
デイビットは続けて俺に視線を向けた。
「それとタイチ。休暇が明けたら、加護の制御をアリスに教えて貰え」
「アリスに……?」
アリスが胸に手を当てて微笑む。
「加護の扱いは、私が一番得意だからね。
似たもの同士ってことかな?」
デイビットは真剣な目で言った。
「いいか。お前の加護はこの国でもトップクラスに強い。
だが制御できなければ、仲間まで焼き殺しかねない」
その言葉は重かった。
だが、否定できない事実でもあった。
俺は深く頷く。
「……わかりました」
デイビットは満足そうに頷いた。
「よし。部屋に戻っていいぞ」
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会議室を出た瞬間、胸の奥に温かいものが広がった。
ジークの言葉。
カレンの叱責。
アリスの心配。
デイビットの指示。
全部が、俺を仲間として扱ってくれている証だった。
――俺は、この部隊に受け入れられたんだ。
その実感が、静かに胸に灯った。
廊下を歩いていると、アリスが俺の袖を軽く引いた。
「ねぇ、タイチくん」
振り向くと、いつもの柔らかい笑顔。
「せっかくの休暇だし……
よかったら、三人で街に行かない?」
カレンも腕を組んで頷く。
「たまには息抜きも必要だな。
酒くらい先輩が奢ってやる」
俺は思わず笑ってしまった。
「……ああ。そうだな。行こうか」
こうして俺は、
初めて仲間と街へ出ることになった。




