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転生したら焔神の加護が危険だと追放された俺、軍事国家で最強の戦力として成り上がる  作者: YUJIN


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第11話 いつもの酒場

 アースドラゴンの話を聞くと、シルビアはすぐに奥の部屋へ駆け込んだ。

 扉が閉まると同時に、重い足音が近づいてくる。


 やがて、ギルドマスターが姿を現した。


「シルビアから話は聞いたぞ。

 鉱山にアースドラゴンが出現したんだってな」


 その声には、普段の落ち着きとは違う緊張が混じっていた。


 俺とカズヤは、鉱山で起きたことを順を追って説明した。

 浅い場所に現れたアイアンリザードの群れ。

 討伐は完了したこと。

 そしてーー奥でアースドラゴンを目撃したこと。


 ギルドマスターは腕を組んだまま黙って聞き、しばらく考え込む。


「そうか……撤退したのはいい判断だ。

 よく生きて戻った」


「流石に俺らだけでは勝てないと判断しました。

 今後の対応はそちらにお任せします」


 ギルドマスターは険しい顔をした。


「アースドラゴン……か。厄介だな。

 災害級の魔物だ……軍と連絡を取って今後の対策を考えるとしよう……」


 その言葉が聞こえた瞬間、ギルド内がざわつき始めた。

 アースドラゴンの名は、それだけで冒険者たちの表情を強張らせる。


「二人とも、今日はもう休め。

 アイアンリザード討伐、ご苦労だった」


 そう言い残し、ギルドマスターは奥へ戻っていった。


 ギルドを出たところで、カズヤが小さく息を吐いた。


「……先輩。工房に戻りましょう。

 先輩の刀を早く打ちたいので……」


「よろしく頼む」


 ------------------------------------------------


 工房に戻ると、カズヤはすぐに素材を並べ、制作の準備を始めた。

 ミスリルの淡い光が、工房の灯りに反射して揺れる。


「一週間で完成させます……

 それまで待っていてください」


 その声には迷いがなかった。


「先輩はもう休んでください。

 ここからは俺の仕事なんで」


「無理はするなよ」


「しませんって!」


 カズヤの背中を見送り、工房を出た俺は、

 いつもの酒場に寄ることにした。


 ------------------------------------------------


 扉を開けると、夕方の酒場はいつもより騒がしかった。

 冒険者たちの声が重なり、どこか落ち着かない空気が漂っている。


 カウンターに座り、酒を頼む。

 届いた酒を一気に飲み干した。


 周囲の会話が自然と耳に入ってくる。


「なぁ、アースドラゴンが出たって話、本当か」

「ギルドが鉱山封鎖したって言ってたからな。マジだろ」

「軍が動くって話だ。災害級だしな」


 アースドラゴンの名が出るたび、店内の空気が少し重くなる。


(……もう広まってるのか)


 酒を口に運んだとき、別のテーブルから気になる話が聞こえた。


「そういや聞いたか?

 帝国軍に銀髪の弓使いが正式に入隊したらしいぞ」


「銀髪? あの噂の女か?」


「そうそう。最近、ソルディアが軍事利用のために転生者を大量召喚したって噂もあるしな。

 うちの軍も戦力増強のために必死なんだろ」


「ソルディアに攻められたら終わりだしな……

 そのうち冒険者にも招集かかったりしてな」


「縁起でもないこと言うなよ……

 俺は絶対ごめんだぜ」


 手が止まった。


 銀髪の弓使い。

 その言葉だけで、胸の奥がざわつく。


(……綾花、生きてるのか)


 名前は出ていない。

 ただの噂話かもしれない。

 それでも、心臓がひとつ跳ねた。


「それにアースドラゴンの件だろ。

 俺たちじゃ相手にならねぇよ、災害級なんて」


「そりゃそうだ。

 ただ覚悟はしとかないとな……」


 酒を飲み干し、席を立つ。


「覚悟か……

 俺も鍛え直さないとな……

 このままじゃ誰も守れない……」


 酒場を出ると、夜風が頬を撫でた。


 銀髪の弓使いの噂が本当なのか。

 アースドラゴンの脅威はどこまで広がるのか。


 考えても答えは出ない。

 ただ、胸の奥のざわつきだけが、しばらく消えそうになかった。

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