体育祭編7
「位置について‥‥よ~い‥‥どん!」
「さぁー注目の先頭争いは2ーAが前に出た!」
「続いて3ーAと1ーEが横並びで続く!」
玉城「フフフ 球技大会の借りを今こそ返させてもらうぞ!チーター!」
‥‥
‥‥
えーっと‥‥確か3年のバスケ部の噛ませ犬‥‥じゃなくて玉城先輩が話かけてきた。
オレ 「あの‥‥オレ今回アンカーなんですけど先輩は‥‥」
玉城 「‥‥何だと?てことは‥‥」
誠 「玉城先輩!お手柔らかにお願いします!」
玉城 「お‥‥おう!誠が相手じゃ‥‥本気出すしかねーかな!‥‥」
2ーAと3ーAとの距離が徐々に開いて最終的に、3メートル程の差で1ーEと3ーAが同時に2走目にバトンを渡した。
「現在のトップは2ーA!それを同時に1ーEと3ーAが追いかける‥‥おーっと!1ーEの藤宮君‥‥圧倒的スピードで3ーAをみるみる離し2ーAに迫る勢いだ!」
噛ませ犬先輩のお陰なのか?誠が実況の通りに他を寄せ付けないスピードで、最終的には5メートル程の差を着けて先頭に躍り出た。
誠 「良美!頼んだ!」
「現在トップは1ーEだ!それを2ーAが猛追する!」
「優勝争いはこの2クラスに絞られたか?」
‥‥
‥‥
実況の要らないフラグのせいでここから3ーAの猛追が始まった。
木ノ下は中学ではバレー部に所属していたらしく女子の中では足の速い方なのだろう‥‥。
しかし、今回は相手が悪かった‥‥。2ーAの生徒は現役のテニス部エースで3ーAの生徒は現役の陸上部の短距離選手らしく、みるみるうちに差が縮まり最終的に2ーAと3ーAがほぼ同時に先頭でアンカーにバトンを渡した。そして1メートルあるか無いかのところで木ノ下からバトンを受け取った。
「さぁー白熱のリレーもいよいよアンカー対決だ!」「優勝争いは3ーA陸上部部長と2ーAサッカー部エースの一騎討ちの模様かー?」「1ーEの‥‥えーっと陰キャラ君も頑張って欲しいところです!はい!」
‥‥
‥‥
普通にアンカーでよくないですか?
木ノ下 「‥‥お願い!」
オレ 「‥‥」
「さぁーいよいよリレーも大詰め!先に抜け出しのは‥‥やはり3ーA!陸上部部長の意地か?気迫の走りで先頭に躍り出ました!」
いつ以来だろうか?
全力で走るのは‥‥
小学校5年のリレー以来かな‥‥。
あれ以来、体育のスポーツテストですら本気で走った事は無い。故に自分と他の走力を比較する基準を持ち合わせていないのだ‥‥。
おそらく速さを調整している余裕なんて無いだろう‥‥。最初から全力で行かせて貰う。
‥‥
‥‥
オレは、思考する事を辞め走り出した。
周囲の声も実況の声も何も耳に入らなかった。
目の前の二人を抜く事だけに集中する。
正確には、それすら意識していなかったのかも知れない‥‥。
ただ、全力で走り切った。
意識が戻った時にはゴールテープを切っていた。
そして、後ろを振り返った‥‥。
どれくらいの差が着いたのか分からないが、すぐに自分が先頭でゴールした事だけは理解出来た‥‥。
‥‥
‥‥
誠 「よし!みんな胴上げだ!」
一同 「おー!」
「焼肉! 焼肉! 焼肉!」
オレ 「ふざけんな!後は勝手にヤれ!」
5年ぶりに出した全力を早くも使う事になってしまった‥‥。
オレ 「お前等ごときに捕まるか!サラバだ! 」
「おい!焼肉の神が逃げたぞ!追え!逃がすな!」
クラスの野次馬どもを振り切って!体育館の扉を開いた瞬間‥‥女帝が二人待ち構えていた。
金田 「良くやった!天草!お前は今この瞬間の為だけに生まれて来たのだろう!」
オレ 「流石‥‥燃える女っすね‥‥頭まで焦げてんすか?」
金田 「いい度胸だ!高嶺‥‥やれ!」
恋華 「御意!」
腐れ縁の名推理のせいで退路を失ったオレは、焼肉狂たちの気がすむまで宙を舞う羽目になった。
そして閉会式が終わり球技大会と同様、前人未到の1年の普通科が優勝!という快挙を成し遂げた我1ーEは今週の土曜日にイカれた担任の驕りで焼肉祝勝会をする事が決定した。




