体育祭編5
大盛り上がりの体育館を後にして、人気の無い3階の廊下に幼馴染を呼び出していた。
オレ 「‥‥んで?怪我じゃないみたいだな。病気か?生理か?」
恋華 「‥‥裕くんさ?デリカシーって言葉知ってます?」
オレ 「誰もいねーとかで聞いてるんだからイチイチ騒ぐなよ!」「もう聞かなくても分かったからいいわ!お前次走るなよ!いいな?」
恋華 「‥‥嫌だ!」
オレ 「あのな‥‥。」
「ガキじゃねーんだから頼むよ!マジで‥‥」
恋華 「でも皆に迷惑かけたくないし‥‥。」
オレ 「優勝したい‥‥だろ?」
「お前が走んないで優勝出来なかったら自分のせいで焼肉が無くなる‥‥だろ?」
「自惚れんなよ!普段の3割くらいしか走れない状況で何が出来んだよ‥‥。」
恋華 「‥‥でも‥‥」
オレ 「生理で走れないって言えないんだろ?」
「一応言っとくけど、オレにバレるレベルだぞ?誠は、とっくに気付いてるし、同じ中学の女子は分かってくれるだろ‥‥。」
「同じ中学で足速い奴いないのか?」
恋華 「キヨちゃんなら‥‥」
オレ 「じゃあー事情話してキヨちゃん?に代わってもらえ!」「因みに断ったら決勝で思いっきり手抜きして走るからな!」
恋華 「‥‥っつ‥‥分かった。」
オレ 「先に言っとくけど、絶対にお前のせいで優勝出来ないって事にはしない。オレが全責任を取ってやるから安心しろ!な?」
恋華 「約束‥‥出来る?」
オレ 「神に誓う‥‥。」
恋華 「分かった!裕くんを信じようかな‥‥。」
オレ 「‥‥あぁ任せろ。」
しばらくして、別々に体育館に戻ると、他の組の予選が終了していだ。
どうやら決勝は
2ーA
3ーA
3ーE
1ーE
1ーA
2ーB
という組み合わせに決まったみたいだ。やはりA組はスポーツクラスだけあって順当に勝ち上がったって所だろう。そして優勝候補の2ーAと3ーAが内側のコースにいるのはかなりの不利になるだろう‥‥。
リレーの予選が終了し生徒達の興奮が冷め止まぬ間に昼食休憩になった。
オレ「なぁー友よ!何で朝から教えてくれなかったんだ?」
誠 「おー友よ!女の子には女の子の事情があるのさ‥‥。」
オレ 「まぁー。確かに‥‥アイツに殴られのは嫌だな‥‥。」
誠 「そういう事さ。」
「で?話はまとまったみたいだね。」
オレ 「何だ?恋華に聞いたのか?」
誠 「あぁ‥‥。裕くんが約束してくれたって喜んでたよ。」
オレ 「‥‥なら!そういう事だ。」
誠 「なぁ友よ!オレとも約束してくれないか?」
オレ 「‥‥内容による‥‥な。」
誠 「OK!じゃあ!まず単刀直入言う‥‥。」
「走る順番を変えても構わないかい?」
オレ 「オレとお前をか?」
誠 「いや!向井 藤宮 木ノ下 天草で頼むよ。」
オレ 「‥‥理由は?」
誠 「まずリレーの基本だが前に出ている選手の方が有利だよね?という理由から代打の木ノ下さんより向井さんがスタートを走る方が良いだろう。」
オレ 「なるほど‥‥だったらその次はオレでもいいんじゃないか?」
誠 「いや!2番目は絶対にオレじゃないと駄目なのさ‥‥。」
オレ 「‥‥理由は?」
誠 「言わなくても解るだろ?‥‥友よ?」
オレ 「‥‥ご明察だ。」
‥‥
‥‥
流石は我親友である。恋華から聞いた話だけでオレが真面目に走る気が無い事がバレたらしい。
確かにオレは恋華のせいになら無い様にして、全責任を取る約束を交わした‥‥。しかし、優勝すると約束した訳では無い。つまりオレのせいで負ければいい訳だ。バトンを落とすなり転倒するなり方法はいくらでも有るのだ‥‥。
誠 「もし、キミにバトンが渡った時に優勝出来るだけの差だった場合のみ‥‥優勝してくれないか?」
オレ 「‥‥その判断は‥‥オレ基準でいいのか?」
誠 「もちろん構わないさ!キミの全力を観たこと無いからね‥‥。キミにしか判断出来ないだろ?」
「後‥‥キミは分かっているだろうけど‥‥キミをリレーに抜擢したのは恋華だよ‥‥。彼女はきっと傷つくだろう?」
オレ 「‥‥分かった‥‥。その条件で約束しようじゃないか。友よ!」
誠 「ありがとう‥‥友よ!」
オレ 「ところで友よ‥‥。お前の予想では何位でバトンが周ってくる予定なんだ?」
誠 「それは後のお楽しみと行こうじゃないか!」
‥‥
‥‥
参ったな。この布陣でもギリギリの闘いなのか‥‥。
マジで‥‥憂鬱になってしまった。




