とある夏休みの夏祭り3
小学生の時から好きです‥‥付き合って下さいか‥‥。
恋華に告白されて嫌な訳では無い。超が付くほどの美少女である幼馴染に想いを寄せられて嫌がる男なんている訳が無いだろう。
因みにオレ「 天草 裕貴 」は、これ迄の人生で彼女なんて居たことは無いし、告白だってされたことが無い。そんなオレに何故ここまでの想いを寄せるのだろうか?
恋華 「ねぇー裕くん‥‥」
「裕くんはさぁー自分の本音を話す事をひたすら避けるよね?」
「何かある度に‥‥撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ!って言うよね?」
「私‥‥覚悟あるから!今日裕くんにフラれる覚悟で来てるから!全部真剣に答えてもらうからね‥‥。‥‥いいよね?」
オレ 「‥‥分かった。」
「全ての問いに真剣に答えると誓う。」
恋華の言うとおりである。確かにオレは自分に都合が悪い内容の質問に対して真面目に答えない様に努めて来た。
恋華 「じゃあーまず1つ目ね。」
「裕くんは私の事嫌い?」
オレ 「嫌いじゃない。」
恋華 「じゃあー好き?」
オレ 「まぁ好きだな。」
恋華 「そ!でも付き合う気無いよね?」
オレ 「今のところ無いな‥‥。」
恋華 「理由聞いても良いかな?」
オレ 「‥‥あぁ!」
「まず先に1つ言わせてくれ。そもそもオレはお前と付き合う気が無い‥‥というより正確には誰とも付き合う気は無い。」
「理由は簡単だ。オレは自分の事を最低だと思っている。性格もひねくれているし何事にも不真面目だ。だから自分の事が嫌いなんだ‥‥。」
「お前は自分の大切な人に最低で嫌いな奴を紹介出来るか?」
恋華 「‥‥なるほど。裕くんが誰とも付き合いたくない理由は分かった。」
「裕くんは自分が最低だと思ってて私と釣り合わないって思ってるって事で大丈夫?」
オレ 「まぁー釣り合わないとは思ってるな。」
「お前はモテるだろ?オレ何かが隣にいたら疲れちまうよ。」
恋華 「裕くん‥‥。」
「裕くんさー‥‥勘違いしてると思うな。」
「裕くん実は結構モテてるからね?」
オレ 「は?」
「いやいや!お前以外に告白された事なんか無いけど?」
恋華 「だって裕くん‥‥そもそも学校で誰とも喋らないじゃん。明らかに話しかけて来るな!ってオーラ出まくりじゃん。」
「多分だけど‥‥裕くんに誰も告白しなかったの私のせいなんだよね‥‥。」
オレ 「どういう事だ?」
恋華 「さっきも言ったけど‥‥私小学生から裕くんの事好きなの」
「私の周りは皆知ってたって訳!」
「知らない振りしてた裕くん以外はみーんな知ってたの!」
なるほど‥‥。
確かにな!
今まで考えもしなかったが、いくら性格が破綻しているといっても、中学時代はバスケ部でそこそこ活躍していたし顔もそこまでは悪くない筈だしあまりにもモテな過ぎる気がしてきた。
恋華の一言で納得が出来た。恋華がライバルなら普通諦めるわな‥‥。
恋華 「実際‥‥高校生になってからは裕くんモテてるじゃない?」
「まさか?気付いてないとは言わせないからね!」
おそらくコイツは雪音と薫の事を言ってるんだろうな‥‥。
確かに告白はされていないが好意を寄せられている事には気付いていた。
薫に関しては誠から話を聞いてしまったという事もあるし‥‥。
恋華 「んで私はめちゃくちゃ焦った訳!」
「佳苗ねぇからも電話で!裕めちゃくちゃ男前になってたね!食べちゃおうかなー!とか言われたし!」
‥‥
‥‥
よし!あのエロエルフは後でシバく!
恋華 「それで!無いとは思ったけど薫ちゃんと雪音に盗られる前に告白しようと思ったの!」
オレ 「お‥‥おぅ!」
「悪い‥‥。1度に色々な事が起こり過ぎて何て答えればいいのか分からないが‥‥。」
「オレがモテようがモテなかろうがお前と釣り合わない事に変わりはないんじゃ‥‥」
恋華 「何で‥‥何でそうなるのよ‥‥!」
「私が裕くんの隣に居る為にどれだけ努力してきたか分かってる?」
「裕くんが天才だって分かってから、凡人の私が勉強も運動もどれだけ努力したか‥‥。」
「釣り合わないって言われるのが嫌で今まで一生懸命頑張ったのに‥‥何で裕くんが自分を下に観てるの?」
「そんなんでフラれるのは絶対嫌だから!」
オレ 「分かった!分かったから落ち着いてくれ」
「‥‥やっぱり‥‥それでもオレはお前と釣り合わないと思う。」
「勉強やスポーツが出来れば偉い訳じゃないだろ?オレはその他の部分が致命的に欠落しているのも事実だ!」
「勿論!お前の告白は真剣に受け止める‥‥。」
「これからは好きな事や好きな人をちゃんと見付けて自分と真面目に向き合う様に努力もする。」
「だから今はお前と付き合う事は出来ない。」
「すまない。」
恋華 「分かった。でも‥‥覚悟してね!」
「私もう裕くんに遠慮しないから!ガンガンアピールするって決めたから!」
「私をフッた事後悔させてあげるんだから!」
オレ 「お手柔らかに頼むぞ‥‥。マジで。」
そう言って恋華は花火を見詰めながら涙を拭いていた。そしてしばらくして隣の家に帰っていった。




