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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
32/48

とある夏休みの夏祭り1

8月30日‥‥。


なんということであろうか?

楽園だった夏休みも残す所あと1日となってしまった。オレはこの夏休みを毎日ほぼ1人でとても有意義に過ごしていた。あー夏休み最高!


途中1回だけ親友と幼馴染のせいで海に行く羽目になってしまったが、その他のイベントを全スキップする事に成功した。


そういえば1回だけエロエルフに絡まれるイベントが発生したような気がするが、正体はバレなかったって事でノーカウントで問題無いな‥‥。


因みに夏休みの間、やたら知らない番号‥‥正確には未登録の番号とIDから着信&メッセージが来ていた気がするが勿論完全無視でやり過ごした。正直な所、雪音、薫、雫、からのメッセージだったり着信だったりの可能性も考えたが、直接番号を交換した記憶は無いし、知らない番号は全ブロックしてあると言い張ればノープロブレムであろう。


だいたいが!そんなものをイチイチ相手にしていたらキリがないのだ。誠というイケメンのせいでこれまで何回オレの個人情報が流失した事か考えてみてもらいたい。全くもって迷惑なイケメンである!


そして本日は夏休み最大のイベントと言っても過言では無いであろう夏祭り「花火大会」の日だ。すでにオレは幼馴染を通して不参加の意思表示をしており、勿論参加するつもりは全く無いのだ。


だが油断は出来ない‥‥。海水浴の時の反省を生かしてオレは完全なる居留守作戦を実行に移す。


ミッション1


自転車を隠す。


この前の敗因の1つは自転車があった事だ!あれで居留守は流石に無理があった。


ミッション2


カーテンを締め切る。


ミッション3


携帯をマナーモードにする。


ミッション4


テレビを封印し音もれを防ぐ。


ミッション5


鉄の意思で無視を決め込む!


以上!


完璧だ!文句なしの完全試合である。



16時‥‥。


ブルル ブルル


誠から着信が来た。


しかし裕貴はシカトした。


ブルル ブルル


知らない番号Aから着信が来た。


しかし裕貴はシカトした。


ブルル ブルル


知らない番号Bから着信が来た。


しかし裕貴はシカトした。


ブルル ブルル


‥‥

‥‥


流石にしつこくねーか?


知らない番号Cから‥‥


勿論シカトした。


ブルル


誠からメッセージが来た。


しかし何も起きなかった。


ブルル


‥‥


ブルル


‥‥


ブルル


‥‥


裕貴はメッセージすら見なかった。


17時‥‥。


ピンポーン ピンポーン


親友と浴衣女子3人が玄関に現れた。


ピンポーン ピンポーン


裕貴は奥義 究極完全体の居留守を使った。


‥‥

‥‥


ん?‥‥浴衣女子が3人だと?


チラッ!


‥‥

‥‥


そこには幼馴染の姿が無かった。


雪音、薫、雫、誠‥‥何回数えても4人だな‥‥。


4人は諦めて立ち去った様だ‥‥。


恋華が居なかった事に若干の違和感があったが、アイツは男女問わず人気があるから、他の奴ら花火に出掛けたのだろう‥‥。現地集合しているのかも知れないし、まぁー気にする事でも無いか。


そういえば例のエロエルフ事件の日から恋華から何の連絡も来ていなかった。部活で忙しいとはいえ、随分物分かりが良くなったものだ!


18時30分‥‥。


花火大会開始の時間になった。


フッ!悪いな‥‥。オレの勝ちだ!


ヒュー ‥‥ バン!


花火が始まった様だ‥‥。


オレは勝利の余韻に浸りながら、部屋のカーテンを開けて花火を眺める事にした。


‥‥

‥‥


不意に下を視ると恋華が1人でじっと此方を観ていて目が合ってしまった‥‥。


幼馴染の浴衣では無い、想定外の光景に戸惑いながら、オレは何となく察して声をかけた。


オレ 「よう‥‥。話が有るみたいだな?上がるか?」


恋華 「うん。‥‥いいの?」


オレ 「今カギ空ける‥‥。」


やれやれ‥‥。家に居るのも、花火観るのもお見通しかよ。

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