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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
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とある夏休みの話3

8月中旬のある月曜日、オレは日課である某少年誌をチェックするついでに本屋に来ていた。


別にコンビニでも良かったのだが、夏休みということもあり時間に余裕があるので、面白そうな小説や漫画を探しにやってきたのだ。


タイトルに引かれたラノベを4冊手に取ってレジに並んでいると謎の人だかりを発見した。


因みにタイトルは‥‥「可愛ければ変態‥‥」やっぱり恥ずかしいから秘密‥‥。


ん?なんだ?本屋の入り口で何かのイベント的な催しが開かれているようだ。オレが入店した時には開かれて無かった事を考えると、今始まったところらしい。


オレはあまり興味が無かったので、レジで会計を済ませた後、入り口を素通りする事にした。


通りすがりに横目で見る限り、どうやらアニメ化が決定した異世界物の人気ラノベのイベントを今から行うみたいだ!

そこにエルフの格好したモデルみたいなエロいお姉さんが居て番宣をするらしい。


別に異世界物を否定する気は無いし、アニメは良くみるのだが、個人的にラノベ=現実物が趣味なオレはエロエルフお姉さんをスルーして通り過ぎようと‥‥‥‥。


あれ?


おかしいな‥‥。


目の前にエロエルフが立ちはだかった。


「ヤッホー!裕!久しぶりじゃん!」



‥‥

‥‥


は?オレはこんなエロエルフ知らないよ?



「あー!カラコンしてコスプレしてるから分かんないかな?」


「佳苗お姉ちゃんだよー!」


あー。うん。他人だった。



オレ「すみません。人違いです。」



「えっ?そっかぁ!知り合いに似てたんでごめんなさい。」



‥‥

‥‥


オレは全力で他人の振りをしてその場から立ち去った。


他人の振り‥‥というか実際、今は他人なので嘘は付いていない。正確にいえば離婚した母方の親戚のお姉さんなのだ!直接会うのは8年振りだろうか?全く分からなかった。


今井 佳苗 「 いまい かなえ 」


オレの3つ上でガキの頃は、よく遊びに来ていて恋華と3人で謎のおままごとに付き合わされていた記憶がある。


昔は良く遊んでいたし、決して嫌いな訳でも無かったから場所と格好がまともだったら、挨拶ぐらいはしても良かったのだが‥‥あの人混みでアレの相手は無理だ‥‥。


悪い!佳苗ねぇ‥‥あんなエロエルフ!オレにはハードル高すぎる‥‥。


家に帰って買ってきたラノベを楽しんでいると、恋華から電話がかかって来た。


恋華 「もしもし、裕くん?裕くん今日本屋さん行った?」


‥‥まさかな。



オレ 「あ?今日はコンビニでジャ◯プ読んでたぞ!何でだ?」


恋華 「そっかぁ‥‥。何か今日ね!本屋さんでアニメのイベントやってたみたいなんだけど‥‥裕くんがエロフに絡んでたって!友達が言ってたから‥‥。」


オレ 「なんだ?エロフって?」


恋華 「いやぁー‥‥。行ってないならいいんだ。そんで‥‥」


オレ 「そんで?」


恋華 「‥‥何でもない!そう言えば来週の夏祭りなんだけど‥‥」


オレ 「悪い!オレ人混みNGだから行かないわ!皆で楽しんで来てくれ!」


「じゃあな!」


プー プー プー。



オレは強引に電話を切ってスマホの電源も切った。


間違い無い。佳苗ねぇのヤツ恋華にオレの事探りやがったな‥‥。まさか二人が連絡先を交換してるとは思わなかった。

これは、残りの夏休み携帯の電源をシャットアウトして家に引きこもるしか無さそうだ‥‥。







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