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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
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とある夏休みの話2

海水浴‥‥。


オレは暴力幼馴染に無理矢理拉致られて、市内の海に来ている。


特に目的も無く、何をするかも聞かされてないのだがオレを除くメンバーは大いに盛り上がっていた。


恋華 「ねぇ!ねぇ!やっぱり最初は泳ぐ?泳ぐよね?」


薫 「私‥‥実はあんまり泳げないんです‥‥。」


誠 「大丈夫だよ!ここにいる皆は泳ぎが達者な連中ばかりさ!」


薫 「え?天草くんも泳げるんですか?」


「プールで泳いでるの観たことないです。」


オレ 「えーっと!人並みには泳げるかも?です。ハイ。」


何故だろうか?恋華が知っているのは理解できるが、誠の野郎‥‥オレが泳げる事前提で話を進めるのは辞めて頂きたいんだが‥‥。


泳げないふりしてやり過ごす計画が‥‥。


オレ 「よし!誠くん‥‥。オレが荷物を見張って場所を確保しとくから二人で薫嬢に泳ぎを教えたまえ!」


誠 「良いのかい?それじゃあキミが楽しめないじゃないか?」


オレ 「そんな事はないさ!視ている方が幸せな事もある。」


‥‥

‥‥


コイツらは何も解ってない‥‥。此処は何処だ?海だぞ?女の子の水着を眺めてるのが退屈な訳ないではないか!


因みに、恋華は自慢のスタイルを存分にさらけ出し赤色のビキニでやたら目立っている。そして、神崎さんは少し明るめの黄色い水着で程よいサイズの胸と色白の肌がとても印象的だ!若干恥ずかしそうにしているのもまた素晴らしい。


だいたいがこの面子でオレ以外を1人にしてみろ?速攻ナンパされて面倒事になるのが目に見えてるだろーが!空気を読め!美男美女どもが!


オレは貴重品を海の家のロッカーに閉まって座敷を確保し海を眺める事にした。

どうやら、一通り泳いで満足したみたいでビーチバレーに切り替えるらしい。オレはビニールボールを取りだし此方に取りに来た誠に手渡した。


誠 「せっかく海に来たんだから少しは体動かさないか?」


オレ 「そうだな‥‥。そんなことより!早速出番だぞ。友よ!」


言わんこっちゃない‥‥。ものの2、3分程の時間目を離した間にナンパされてるし‥‥。


‥‥ん?


予想外の展開だった‥‥。恋華がキレないだと?何故だ?いつものパターンだと「ツレいるんで!」とか、「趣味じゃないんで!」とか残酷なまでに無視をする‥‥ってのがお決まりな筈だ。


ここからでは良く見えないが、もしかしたら相当なイケメンなのかもしれない‥‥。むしろナンパ成功しているんじゃないか?


オレ 「なぁー友よ!」


「あれは助けに行く必要あるのか?」


誠 「しばらく見守って見ようか?」


オレ 「そうだな‥‥。拉致られそうになったら助けに行ってやってくれ。」


誠 「分かった!」


二人を暫く放置していると満面の笑みで此方に近づいて来た。


オレ 「‥‥なぁ友よ!完全にキレてるよな?アレ!」


誠 「‥‥そうだね。どうやら大失敗だったみたいだね。」


恋華 「‥‥なんで助けにこないのかな?」


オレ 「いやぁー!てっきり知り合いなのかと思ってさ!」 「なぁ!友よ!」


誠 「その通りだ!珍しく親切な対応をしているみたいだったからね。邪魔かと思ったんだが?」


恋華 「そういう訳じゃないんだけどあの二人薫ちゃん狙いみたい‥‥。」


オレ 「なんだと?まさかのロリ派か?それは許せんな!」


恋華 「‥‥バカなの?ガチなの?」


オレ 「何だ?ヤキモチか?」


恋華 「‥‥」


誠 「友よ!そろそろヤバイんじゃないか?」


オレ 「あぁ!敵はオレが倒す。」



どうやら今回のナンパは薫狙いだったらしい。おそらく恋華は自分狙いでは無いことに戸惑ってしまい、どう対応すれば良いのか分からず珍しく助けを求めに来たみたいだ。まぁー確かに恋華が脇役になる事は結構レアケースかも知れない。




オレ 「ハイハイ!先輩方スミマセンねー。」


「ナンパなら相手視てからやりましょーね。」


見たことないお兄さんだが、このまま帰ったら恋華に殺される‥‥。


「あ?なんだお前?オレらじゃこの子達と釣り合わないって言いたいのか?」



なるほどななるほど!流石はそこそこのイケメンお兄さん達だな。大した自信だよ‥‥。


オレ 「いやいや!そんな事言ってませんよ!」


「あんたらじゃオレらには勝てねーって言ってんだよ!」


「なぁ友よ!」


誠 「おいおい!いきなりだな友よ!」


バカな奴らだ‥‥こっちにはイケメン中のイケメンがいんだよ。


オレ 「じゃあ本人達に聞いてみようぜ?」


‥‥

‥‥


オレと誠は何も言わずうつ向いて薫と恋華に手を差し出した。


渋々お兄さん達もうつ向いて手を差し出した。


‥‥

‥‥


ぴたっ。


‥‥良かった。マジで良かった。これだけカッコつけて両方にスルーされたらどうしようかと思ったよ‥‥。ありがとう‥‥かお‥‥


ん?


痛い痛い。


オレ「いてーな!オイ!お前は誠の手を取ればいいだろーが!」 「空気を読め!」


恋華 「なーに?裕くんは薫ちゃんと手繋ぎたかっただけなんじゃないの?」


いやいや!どっちでも良いけど暴力辞めて‥‥。


誠 「ははは。案外意地が悪いね!恋華さん。」


薫 「‥‥‥‥」


天草くん‥‥。カッコ良かった。です。


そして珍しくオレは3人相手にガチで説教をした。


オレ 「いいか?ここは戦場だぞ?お前らは自分がモテる事を自覚しろ!特に恋華!薫!お前らは誠の側を離れる事を禁止する!2度と助けに来ないからな!」


恋華 「分かったけど‥‥何かムカツク!」


薫 「うん!ごめんなさい。」



イケメンと美少女が一緒に居ればそう易々と声を掛けられる事は無いだろう。ハッキリ言ってコイツらは危機管理能力というものが圧倒的に欠落している!特に女子!ナンパされたいなら、後日オレの居ない日に勝手にやって頂きたいものだ。



誠 「まぁまぁ!とにかく常にオレかキミが二人と一緒に居れば問題無いんじゃないか?」


恋華 「そうだね!最初から裕くんが大人しく一緒に居れば良かっただけだね。」


‥‥このやろう。どうしてもオレを悪者にしたいみたいだな。


それから海の家で定番の焼きそばやらかき氷やらの食事を取り4人でビーチバレー的な物で遊んでから帰る事にした。


‥‥結局海入ってねーし。


マジで何しに来たのか分からない結果になったけどオレ以外の3人は大満足していたから、まぁーいいだろう。帰宅途中に夏祭りがどーのこーのと言ってた気がするが全力で知らない振りをした。












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