とある休日の話 再び1
期末テストの翌日、疲れ果てていたオレは飯も食わずに爆睡していた。余程疲れていたのであろう‥‥見たくもない夢を見ていたのをハッキリ覚えている。
昼過ぎか‥‥。腹減ったな。
オレは身支度を整えて近くの某牛丼チェーン店でエネルギーをチャージする事にした。そして気晴らしに、近所のゲーセンにやってきた。前回のナンパ騒動があったし久しぶりなので若干緊張していた。
‥‥
‥‥
どうやらオレが過剰に気にしすぎてただけらしい‥‥。特に誰からも話かけられる事も無く大好きな麻雀ナンチャラ倶楽部を楽しんでいた‥‥。
久しぶりの麻雀にテンションがあがってノリノリで楽しんでいると‥‥聞き覚えのある声が後ろから聞こえてくる。
「あー!やっぱりいた!テストお疲れ様!」
奇遇だな‥‥。オレの他にもテスト空けで麻雀を楽しんでいる同志がイルノカナー‥‥。
雪音 「無視するなし!」
オレ 「普段と顔が変わりすぎてて誰だか判りにくいんだよ!」
雪音 「そ‥‥そうかな?」 「はい!これあげる!」
井川さんはオレにブラックコーヒーを手渡すと、「よいしょっ!」と言い出し‥‥許可なく隣に座り始めた。1人様のアーケード麻雀ゲームに2人座っているのでかなり距離が近い‥‥。
オレ 「ご‥‥ご馳走様。で‥‥何故座る?」
雪音 「えーっと‥‥嫌?」
オレ 「‥‥麻雀興味無いだろ?」
雪音 「リンシャンカイホウ?」「サンカンツ?」
オレ 「随分片寄った知識だな。」
普通はポンとかチーだろ?とりあえずコイツが某女子高生麻雀の漫画を読んでいるは理解した。殆ど男性客しかいない麻雀ゲーム機に男女2人が座っていたらカップルにしか視られないだろうに‥‥この子大丈夫なのか?
オレは至近距離に突如現れた美女のせいで集中力を欠き麻雀を続ける事を断念した。
オレ 「此処じゃ邪魔になるから場所変えようか?」
雪音 「うん!‥‥分かった。」
けしてナンパではありません‥‥どうか出禁にしないでください。
それにしても井川さんは、学校にいる時と雰囲気がガラリと変わるものだ‥‥。なんというか‥‥学校にいる時は化粧もしていないから小柄で少しおとなしい感じのふんわりしたイメージの女の子だが、休日の彼女はバッチリメイクをしていて目が大きくモデルの表紙を飾っていそうな大人の女性と言う感じだ。一緒にいると自分が場違いの様な気がしてかなり気まずい‥‥。
夕方になったし小腹も空いたのでいつものファミレスに行く事にした。学生の味方であるドリンクバーとポテトをオーダーして話題はテストの下りになった。
雪音 「天草くん‥‥今回のテストかなり頑張ってたみたいだよね?何かあったの?」
オレ 「流石に補習も追試もやりたくないからな。クソババアに90点ノルマを頂いたから必死だったんだよ‥‥。」
雪音 「そっか!そっか!天草くんノートとか全くとってないもんねー。勉強どうしたの?」
オレ 「‥‥恋華のノートをコピーさせてもらった。そんで恋華とテストで勝負する羽目になって徹夜するしか無かった‥‥。思い出すだけで悲しくなるわ‥‥。」
雪音 「うわぁー!恋華ちゃん前回5位とかじゃなかったっけ?御愁傷様です‥‥。」
「てか!言ってくれればノートぐらい貸したのに‥‥。」
オレ 「なんだ‥‥と?女神なのか‥‥。」
「‥‥待ってくれ‥‥オレの地獄が無駄だったと言うのか?」
因みに井川さんは前回の中間テスト16位だったらしい‥‥。オレの周りにバカはいないのか?
オレ 「さっきも言ったが、井川さん学校にいる時とプライベートだと雰囲気というか‥‥キャラがだいぶ違わないか?」
雪音 「うーん‥‥私だいぶ人見知りだし‥‥。クラスのみんな可愛い子ばっかじゃない?」
「今は化粧もしてるし多少は自分に自信を持ってみたりしてるのかも‥‥。」
なる程な‥‥。確かに不思議な事にウチのクラスのビジュアルの高さはちょっとした話題になった。まぁー恋華と誠がいるから有名になるのは分かるがその他の生徒も人気があるらしい‥‥。
オレからすると普段の井川さんもとても魅力的な女性に思えるが‥‥本人は今の自分が気に入ってるみたいなので余計な事を言うつもりは無い。
雪音 「天草くんは恋華ちゃん以外の女子はみんな名字で呼ぶの?」
オレ 「‥‥あまり意識してなかったが‥‥そうだな。」
雪音 「ずるい!私も名前がいい‥‥」
オレ 「お主も天草って言ってるんだからよくねーか?」
雪音 「じゃあー裕貴くんて呼んでいいよね?」
オレ 「‥‥好きにしてくれ‥‥。」
何がずるいのか?よく分からないがオレの事を下の名前で呼ぶ事が決定したらしい‥‥。オレは別に構わないが周りの反応が容易に想像出来て泣けてくる‥‥。不幸だ‥‥。




