とある日常の昼休み
教室に戻ると怒り狂っていた幼馴染が冷静さを取り戻していた。どうやら井川さんは約束を守ってくれたみたいだ。
しかし、まともに会話した事のない異性といきなりファミレスに行くというのは如何なものだろうか?いくらお礼とは言っても、いささかハードルが高い気がする‥‥。ましてや、重度の人見知りで有り性格が破綻している奴からすれば罰ゲーム以外の何物でも無い。人によっては女の子とファミレス=デートなどと勘違いをする人がいるかも知れないが、オレにとっては巧妙な罠か何かの陰謀にしか思えない。
よし!ここは情報収集が必要だな。
昼休みにオレは珍しく恋華に声を掛けていた。
オレ 「やぁ!そこの素敵なお嬢さん!よかったらランチをご一緒しませんか?」
恋華 「ナンパごっこなら他所でやれば?」
オレ 「是非イチゴオレを奢らせてもらえないでしょうか?」
恋華 「‥‥」
オレ 「話がある少し付き合ってくれ!」
「お前にしか話せない事なんだ‥‥。」
恋華 「‥‥分かったわよ!先に屋上行ってるから!」
よし!これで恋華からある程度の情報は聞き出せるな。
オレは全速力で購買に行き、メロンパンとプリンを2つずつ購入し自販機に100円玉を投入した。
‥‥
‥‥
なんだと?
イチゴオレが売り切れだった。
神様は何故オレに試練を与えるのだろうか?
この世にイチゴオレに勝る飲み物なんてオレは知らない。
コーヒー牛乳
バナナオレ
ブル◯リア
抹茶オレ
‥‥
‥‥
くそ!話にならん。雑魚ばっかりじゃないか!
こうなってしまっては仕方がない。素直に恋華に謝ろう!オレが犯した罪はあまりにも重い‥‥。
オレ 「悪い!待たせた‥‥。」
恋華 「で?話って何なのよ?」
オレ 「すまない‥‥。忘れてくれ!」
恋華 「は?どういう事‥‥?」
オレ 「イチゴオレ‥‥
イチゴオレが‥‥売り切れだった。」
「イチゴオレを用意出来なかったオレに相談など受ける資格なんか無い。諦める!」
恋華 「バカなの?別に売り切れだったら他の買えば良いじゃん?‥‥バナ‥‥」
オレ 「ふざけるな!イチゴオレに代わりなんか有るか!あまりオレをバカにするなよ?」
「オレは自分がやられて嫌な事は絶対しない!」
「イチゴオレの代わりにバナナオレだと?そんな事をされたらオレは一生口を聞かないだろうな!」 「だから忘れてくれ!」
恋華 「‥‥え? あー うん。分かったから。」
「話聞くから、落ち着いて裕くん‥‥。」
オレ 「な‥‥なんだと?」
「イチゴオレを用意出来なかったオレに対して文句も言わずに話を聞くだと?女神なんですか?」
「本当につまらないものだが、これを受け取ってくれ!」
恋華 「えっ?やったー!プリンとメロンパンじゃん!いいの?ありがとう!」
オレ 「あぁ。イチゴオレの足元にも及ばないがせめてものお詫びだ!」
恋華 「OK OK 全然大丈夫!むしろありがとう!」
どうやらオレは恋華という女を過小評価していたようだ‥‥。イチゴオレを用意出来なかったグズ野郎に慈悲をかけて、話まで聞いてくれるというのか?しかもプリンごときであんなに喜んだ演技までして‥‥。まるでマザー・テ◯サだ!いや!お前がマザー・テ◯サだ!
オレ 「実は‥‥放課後に井川さんとファミレスに行く事になった。」
恋華 「は‥‥い?」「つまり‥‥放課後に雪音とデートする?って事かな?」
オレ 「いや!デートするつもりでは無い。」
「しかし、お前の誤解を解くのにそういう条件を出されてしまった。どう思う?」
恋華 「‥‥どうって‥‥」
オレ 「やっぱり‥‥罠だよな?」
恋華 「‥‥は?」
オレ 「今までろくに話をしなかった奴を呼び出す何て‥‥罠以外有り得ない!」
「お前もそう思うだろ?」
恋華 「‥‥そ‥‥そうかもね?」
「でも!ただ裕くんとお喋りしてみたかったとか‥‥って事も有るんじゃない?」
オレ 「はっ!おいおい!隣の席なんだぜ?呼び出す必要無いじゃないか!」
「そこで!頼みがある!お前も来てくれないか?」
恋華 「え?えーっと!本気?」
オレ 「もちろん!オレ1人では間が持たない!もちろん誠も連れて行こう!イケメンが来て嫌がる女などいないだろ!」
恋華 「‥‥わ‥‥分かった!じゃあ現地集合で。」
ゴメン‥‥雪音‥‥。本当ゴメン‥‥。
しかし、まさか雪音が裕くんに目をつけるなんて‥‥。
こうして、放課後4人でファミレスへ行く事が決定した!




