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とある天才の残念なお話  作者: 黒鯨
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隣の席の女の子

ゲーセンでのナンパ事件のせいで店に行きづらくなってしまった為、日曜日は家で大人しくしていた。麻雀というマイブームが封印されてしまったので、非常にモヤモヤした気分だった。


そして貴重な休日を1日無駄にしてしまい、また月曜日がやって来た。せっかくの日曜日を満喫出来なかったオレに更なる不幸が襲いかかる‥‥。


この心のモヤモヤを晴らす為に、いつもより少し早めに家を出て、ナンチャライレブンさんに向かったオレに悲劇が起きた。


‥‥

‥‥

‥‥


オレの愛読している、某少年誌が休刊していたのだ。なんという事であろうか?麻雀を封印されたオレに、マンガまで読むな!と?

神様はこの1週間私めに何を楽しみに生活しろと仰るのでしょうか?


ダメだ。何もヤル気が起きない。いつもよりゆっくり楽しむつもりで早く家を出てしまったせいで、余裕で学校に着いてしまった。余裕と言っても元々遅刻を前提で通学しているので、定刻10分前なのだが、オレが月曜日に遅刻をしなかったのは、高校生活が始まって以来初の快挙であった。


誠 「おー!友よ!今日はどうしたんだい?」



恋華 「ひ‥‥ 裕くんが遅刻しないだと‥‥?」


‥‥

‥‥


期待通りのリアクションありがとう。


相も変わらずお約束を忘れない、幼馴染と親友を無視してオレは自分の席を目指した。

しかし、そこには既に別の生徒が着席していて、周りの女子生徒と楽しくお喋りをしている真っ最中だったのでどいてくれる気配が無い。

どいてくれ!とは言えず朝から保健室にエスケープしようかと思っていた所に、幼馴染と親友が襲来してきた。


恋華 「ちょっと!ちょっと!朝からシカト決め込むなんて随分じゃない?」


誠 「えらいご機嫌斜めだな!何かあったのかい?」


オレ 「ジャ◯プが休刊だった。」


恋華 「‥‥」 「それだけ?」



それだけ?だと?まぁ確かにゲーセンの件もあるんだが、某少年誌の有り難みが解らない奴に話す事など何もない!とりあえず心を落ち着かせる為に、保健室へ行こう。



???「あのっ!」「チ‥‥天草くん!」


隣の席の女子生徒に話かけられてしまった。

こいつ!今明らかにチーターって言いかけやがったな‥‥。えーっと!話した記憶は無いが、確か井‥‥井口!さんだったか‥‥。


オレ 「何すか?」


井口 「あの‥‥この前はありがとう。」


オレ 「‥‥はい?」


この女は何を言っているんだろうか?

全く理解が出来ないし心あたりが無い。



井口 「わたし初めてだったから‥‥怖くて‥‥」


‥‥

‥‥


ヤバイ寒気がする。よく解らないが、絶対良くないことが起きる‥‥。



オレ「よし!話し合おう!とりあえず場所を変えようか?」


恋華 「えーっと‥‥裕くん?」

「いつの間に雪音と仲良くなったのかな?」


オレ 「恋華よ!お前は絶対に誤解している!」

「オレと井口さんは何もしていない!」


誠 「と‥‥友よ!彼女は井川さんだぞ‥‥。」


オレ 「‥‥大変失礼しました。どうか場所を変えて私めにお時間を頂けないでしょうか?」


井川 「うん‥‥」


どうにかこうにか、野次馬の群れを突破し隣の席の女「 井川 雪音 」「 いがわ ゆきね 」を

連れ出す事に成功した。


オレ 「すみません。確認なんですけど?僕やましい事致しましたか?」


雪音 「覚えてないの?私の名前間違ってたし‥‥。」


オレ 「名前の件は本当にごめんなさい。」

「でも‥‥心当たりが‥‥。」


雪音 「土曜日に‥‥ナンパされてる所に天草を見つけたから‥‥つい勢いで‥‥。

お礼言う前に走って行っちゃったから!」


おい!おい!女っていう生き物はこんなに顔が変わるのか?今、目の前にいる女があの時のお姉さんだと?にわかには、信じられないがこの事を知っているのは、限られた人間しかいないし嘘をついている様子もない。確かに言われてみれば、声も似ている気がする‥‥。


雪音 「そ‥‥そんなに視られと恥ずかしいんだけど‥‥やっぱり私って知らないで助けてくれたんだね。ありがとう。」



オレ 「いいんだ!全然大丈夫!全く気にしないでくれ!その件はいいから!恋華に井川さんの口から説明して誤解を解いて下さい。」



雪音 「天草くんは、恋華ちゃんと付き合ってるの?」


オレ 「それは無い。」


雪音 「じゃあ好きなんだ?」


オレ 「それも無い。」


雪音 「そうなんだ‥‥。へぇー。じゃあこの間のお礼に放課後付き合ってくれる?」


オレ 「いや!お礼とか大丈夫だから協力を‥‥」


雪音 「付き合ってくれなきゃ‥‥やだ!」


この女‥‥なんて図々しい‥‥。しかし、名前を間違っていた事実もあるし、下手に断るとオレの命に関わる。恋華の怒りレベルは明らかにレベル5に到達していた‥‥。くっ‥‥!


オレ 「わ‥‥分かった!放課後空けとくから頼む‥‥いや!お願いします。」


雪音 「本当?じゃあ!放課後ファミレス集合ね!」


こうして保健室にエスケープしたのちに、恋華の怒りが治まった事を誠に確認を取ってから、教室に戻った。



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