球技大会編4
男子バスケ決勝戦、1ーE 対 3ーA の試合が始まろうとしていた。これまで、ほとんどの競技で、3ーAが優勝している流れで、1年が決勝に進んだ事も有り、大注目の1戦になっているみたいだ。しかも、スポーツ特待クラスでは無く、一般のクラスが決勝に進んだのは、球技大会始まっていらい初の快挙らしい‥‥。
オレ「‥‥何か想像よりだいぶ注目されてるきがするんだが‥‥やっぱりお前のせいか?」
誠 「いや!バスケットボールが嫌いな人間がいる訳無いだろ?友よ!」
試合開始の整列をしていると、相手チームのリーダーと思われる先輩がこちらに近づいてきた。
「まさか1年が相手だとは、思わなかったがお前が相手だと手は抜けないな誠!」
誠 「先輩方!胸を借りさせて頂きます」
試合が始まり、3ーAの容赦の無い攻撃に完全に劣勢の試合展開だった。オレたち1ーEは、オレが無理矢理、誠にパスを出し、誠の個人技でどうにか食らい付いているといった試合展開である。誠の活躍でどうにか点は取れるが、こちらはシロートも混じっているので、相手の攻撃を止める術が無いという状況だ。
そして、第1クオーターを終えて10点差がついてしまった。会場にいるほとんどの人「誠目当ての女子」が随分大人しくなってしまった感じから、9割方のギャラリーが試合が決まったと思っているのだろう。攻守に渡り走らされていたオレたちは疲弊しきっていた。そこに、女帝が乱入してきた。
恋華 「ちょっと!なんなのよ!あの体たらくは?神崎中のチーターってのは、そんなもんなの?」
誠 「ハハハ。参ったね。こりゃ。」
オレ 「鬼か?お前は?」
恋華 「とにかく! 諦めたらそこで試‥‥」
オレ 「恥ずかしいから辞めろ!」
こんな時まで、茶番劇をしっかり忘れない幼馴染である。
第2クオーター開始時、向こうのエース「玉城先輩」が誠に話しかけていた。
玉城 「超美人な彼女だが、随分気が強いみたいだな、チーターくん!」
誠 「残念ながら、僕の彼女じゃありませんよ。それに、僕は、チーターなんて呼ばれた事ありませんしね。」
玉城 「マジか?じゃあーオレたちが勝ったら高嶺の事紹介してくれ!」
誠 「すみません。僕からは、何とも言えないんでチーターくんに聞いてもらえます?なぁ友よ!」
パシッ!誠からパスが飛んできた。
オレ 「勘弁してくれよ‥‥殺されるから。」
シュッ!パサッ! これで7点差になった。
それから第1クオーターと変わり、誠がパスを出す方に廻ってオレがスリーポイントを決め続ける。みるみる点差は、詰まり、残り1分で同点に追い付いた。
玉城 「くっ!そんなに速くねーくせに何がチーターだ!調子に乗るんじゃねーよ!」
シュッ!パサッ!玉城のシュートが決まり、残り30秒で再び2点差で3ーAがリードした。3年の意地なのか?オレが気に入らないのか?恋華に本気なのか?オレには、理解出来なかったが、玉城先輩は誠では無くオレにマンマークをしてきた。
玉城 「悪く思うなよ。チーターくん!誠より速い奴と勝負するつもりでマークさせてもらう。」
オレ 「構わないですよ!でも、そんな距離でいいんすか?」
どうやら、玉城先輩は致命的な勘違いをしていたらしい。オレの不名誉な通り名の「チーター」は、動物のチーターでは無い。誰が付けやがったのかは知らないがチートシューターの略なのだ。
シュッ!パシッ! シュッ!
誠からパスを受け取り、1秒も立たないうちにシュートを放った。残り時間も無かったし、スリーポイントラインから2メートル程離れた位置からの不意討ちスリーポイントが炸裂した。
パサッ!ビビー!
試合終了である。
大歓声と共にオレたち1ーEは、3ーAを倒し優勝をする快挙を達成してしまった。もちろん1ーEの生徒は、お祭り騒ぎ真っ最中である。
誠「やったな!友よ!相変わらずの仕事ぶりだ!」
オレ「なぁ?どうすればいいと思う?」
誠 「笑えばいいと思うよ!」
そして、これから始まるであろう、面倒な展開が目に見えて分かっていたのでオレは、全く笑えなかった。




