球技大会編3
我が高校の球技大会とは、名目上、新入生歓迎会と言うものらしい。これは毎年恒例行事であり、大いに盛り上がる行事みたいだ。だが、この球技大会に対するモチベーションは、クラスによって異なるのが目に見えて分かる。
1学年A B C D E F の6クラスに別れているウチの学校は少々特殊なクラス編成で、Aクラスはスポーツ推薦組の体育クラス、BからEクラスが一般クラス、Fクラスが学力推薦クラスという形になっている。当然ながら、Aクラスはヤル気満々な感じで、Fクラスは、明らかにヤル気が無さげだ。
進学する奴らにとっては、実にくだらない行事なのであろう。個人的には、全面的に賛成したいところだが、ウチのクラスは、割とヤル気みたいだ‥‥。
因みに、オレは1年E組で、恋華と誠も何故か同じクラスなのである。アイツらの優れたコミュ力と完璧なビジュアルのせいでクラスのモチベーションはあげあげ急上昇中である。
1年から3年までの18クラスを、各種目別にくじ引きでグループリーグを作り、男女に別れ、最終的に上位4チームが勝ち抜き方式で優勝を目指すシステムになっているのだが、どう考えても3年が有利だろう。毎年ほとんどの種目で3ーAが上位にランクインするらしい。‥‥こんな出来レース、マジでやる意味あるのかな?って感じだ。ウチの学校の生徒会は、頭イカれてるのか?
その生徒会曰く、「勝ち負けでは無く、クラスの絆を深めるきっかけ作りが目的です。」って事らしい。やっぱり頭イカれてるわ。
くだらない開会式と選手宣誓的な儀式が終わっていよいよ球技大会の始まりである。
いきなり、オレたち1ーEのグランドゴルフ部隊は、誰からも注目される事も無く、開幕で惨敗し早くも役目を終えていた。クソッ!羨ましすぎる。
名前も知らない、戦友たちが死ぬほど憎い。オレも出てれば‥‥もう休んでいられたのに‥‥。
一瞬、恋華と目が合って「ざまぁ!」的なウインクを頂いたが、マジでいらない。
オレは現在、誠と一緒に我々1ーEの女子バレーボールの試合を応援しているところだ。個人的には、全く興味無いのだが、恋華が出場しているので何となく誠に付き合っている。やはり、バレーボールとバスケは、人気があるみたいで、かなり注目を集めていた。恋華は、相変わらずの運動神経で、バシバシ、アタックを決めバインバインさせている‥‥。立派に成長したもんだ。どうやらオレにもバレーボールが人気な理由が理解出来た。男子生徒の熱力が半端じゃない。ここにいては、変態扱いされそうな気がするが、ザ イケメンの誠くんと一緒なら心強い。オレもこころゆくまで堪能しよう!
大歓声のなか恋華がアタックを決め、我々1ーEが勝利した。次は1ーE男子の試合があるのだか、他の組の男子生徒が満足そうに解散していった。
誠 「お疲れ様!相変わらず素晴らしい運動神経だ。次も楽勝だね。」
恋華 「ありがとうー!ん? 裕くんも応援してくれてたんだ?珍しいーね。」
オレ 「確かに素晴らしかった!次も頼む!」
恋華 「‥‥で本音は?」
オレ 「いいおっぱ ぐはっ!」
最後まで言わせてすらくれなかった。すなわち激おこでした。
誠 「オレの応援も頼むぞ!友よ!」
オレ 「お前に応援なんかいるのか?
それに、心配しなくても大丈夫だと思うぞ!」
すでに、周りはイケメン目当ての大応援が占拠していた。
悪いが、オレには男子バレーを観戦する趣味は、無い。こんなアウエーな状況で恋華みたいな目立つ奴と一緒にいるなんて、自殺行為だ!むしろ、恋華に殺される気がする。
オレ 「ちょっと、アップがてら外に行ってくる。武運を祈るぞ!友よ!」
テキトーな言い訳をしてその場を脱出した。
無事に男子バレーも勝ち抜いたみたいで、残念ながら最終的には、グループリーグ敗退だったが、我がクラスの知名度が急上昇中みたいだ。
そして、バスケの試合時間が来てギャラリーに埋め尽くされている。
先に、恋華が出場した女子チームが大差を付けて勝利した。そしてオレたち男子も無難に勝ち抜き、不本意ながら決勝で3ーAと試合をする事になってしまった。くじ運に恵まれてたらしく、オレたちのグループは、大した強敵と当たらなかったので今までとは、レベルの違う強敵だろう。おそらく、スタメンの4人がバスケ部で他の1人も普通にレベルが高そうだ。
女子は、惜しくも準決勝で3ーAに敗れたので、優勝出来るとしたら、男子バスケのみとなるだろう。‥‥一応、ドッチボールも残されてるが、二冠を取るつもりなんてさらさらない。
誠 「友よ!解っているとは、思うが優勝するつもりなら、君が真面目に試合をするのが必須条件だぞ。」
オレ 「‥‥それでもキツくないか?
悪いが戦力的にかなり差があると思うぞ。」
誠 「因みに、相手の4人はバスケ部で、うち3人がスタメンだね。しかも1人はエース級の先輩だ。」
オレ 「エース級ってのは?今のエースは、お前だって意味でいいのか?」
誠 「自惚れる訳じゃないが、そうなるね!」
オレ 「‥‥だったら勝ち目は、あるかもな。
不本意ながら、オレが点を取ればいんだな?」
誠 「解っているじゃないか!友よ!精一杯に囮をやらせてもらうさ。」
オレ 「オーライ!ちゃんとやるさ。前半を8点差で押さえれば捲れるだろ。‥‥多分。」
誠 「OK!それでいこう!」
恋華 「裕くん!誠くん!仇とってくれるんでしょ?」
誠 「あぁ!でも、いいのかい?裕貴が誰かに盗られても。」
恋華 「‥‥問題ないよ!だって裕くんだよ?」
オレ 「確かに問題ないな。どーせ最終的には、誠がみんな持っててくれる。」
我が高校の球技大会のバスケは、15分1クオーターの2クオーターで終了になる。普通の試合とは、試合時間が異なる為、勝負どころは第2クオーターになるだろう。前半は、これまで通りに誠にボールを集める。もちろん、それで勝てれば御の字だが、さすがの誠もバスケ部3人に囲まれては、限界がある。そこで、全くノーマークのオレが外から攻める。そこからは、オレと誠のマークの薄い方が攻める。でも最終的には、オレが点を取るしかないか‥‥。格下のオレたちが、格上の相手を逆転するには、3ポイントずつ取るしかないだろう。焦点は、如何に失点を押さえるかの勝負になるはずだ。まぁー、やるだけやってみますか。




