2-2 真天先輩の♥逆バニー♥
俺と真天先輩は一緒に食堂を出た。彼女はいったん部屋に戻るというので、俺だけ先に遊戯室へと移動した。
昨日に軽く見たけれど、もう一度何があるか確認しておこう。
まずはチェスセット。丸テーブルの上に折りたたみの盤が安置されている。だからまだ盤のデザインしかわからないのだが、歴史と伝統のある工芸品という趣で、デパートで売られている量産品とはまったく違う。これもたぶん外国製だよな。
次にビリヤード台。全面に張られた鮮やかな緑のクロスが美しく、その中央には番号が振られたカラーボールが三角形を成すように並べられている。隣に置かれた長い棒は、キューっていうんだったかな。
あとはトランプやその他のカードゲーム、ダーツもあって……さらに面白いのはオーディオセット。これで何を再生するのかといえばアナログレコードだ。何十年も昔の音声記録媒体、実物を見たのは初めてだったかもしれない。クラシック音楽やジャズが取り揃えられているようだ。
「今日は一日中、ここで遊べそうだな」
それより真天先輩はまだかな。特に用意するものなんてないはずだけど……。
と思っていたら、彼女は陽気な声とともに登場した。
「唯人くん、お待たせしましたっ♪」
「うわあああっ?」
比喩ではなく腰を抜かし、俺はその場に尻餅を突いてしまった。
彼女の頭頂部に、ウサギの長い耳が生えていた。これはまだいい。
その下があまりにも奇妙だった。
おっぱいが丸出しである。
正確に言うと……バストトップにハート型の赤いニップレスが貼り付けられている。股間にも前張りとして同じものがあった。
胴体全体が完全に丸見え、かと思えば両腕両脚はぴっちりとラバー生地で覆われていて……いったいなんだこの衣装は。いやそもそも衣装と言っていいのか?
「どうでしょう……似合います?」
真天先輩は昨日スリングショット水着を見せた時と同じように、恥じらい半分誘惑半分の表情を向ける。
「それ以前の問題ですっ!」
元凶であろう、隣でメガネクイッしているメイドさんを見た。
「これも狩谷さんがおすすめしたんですか?」
「ええ、遊戯室ではバニースーツを着てみたいとおっしゃられたので。定番のバニースーツと、逆バニーの二種類を提案させていただきました」
「逆バニー……」
バニースーツはラノベやアニメでも定番だからよく見るが、これは覆うべき部分と覆わない部分がまるっきり逆転している。だから逆バニーというのか。
「うふふっ♪ 昨日の水着といい、わたしどんどん新しい世界を知っちゃいます」
「知りすぎもよくないと思いますよ……!」
「ねえ、唯人くん……わたしは昨夜約束したとおり、自分からは手出しをしません」
二の腕でむにんと双乳を挟みこみ、ことさらにその形状と谷間を強調してくる。
「でも、唯人くんが心変わりする分には大歓迎ですから♥」
からかい好きもここに極まれりだ。真天先輩はとことん俺の、高校生男子の忍耐力を試すつもりらしい……。
「さ、まずは何で遊びましょうか?」
「……じゃ、じゃあ最初はチェスにしようかな。真天先輩はどれくらい知ってますか?」
「子供の頃から母に教わっていました。唯人くんも?」
「俺は父親にルールを教わったくらいで。だからすごく弱いと思いますけど」
丸テーブルの前に座ってチェス盤を開き、収納されていた艶のある駒を並べていく。俺が白で、真天先輩が黒。
その間も彼女のLカップがふわふわと揺れている。俺はなるべくそこから意識を逸らした。
「これ、いいチェスセットですね」
「ポーランドからの輸入品だそうです。職人の手作りなんだとか」
「お母さんがチェス、趣味なんですか?」
「大学時代はチェスサークルに入っていたらしいです。いかにも知的な遊戯って感じが好きなんだとか」
「チェスって異世界ファンタジーにもたまに登場しますよね。だからちゃんと覚えておこうかな……」
「いいですね! じゃあ唯人くんのおうちにもチェスセットを置きましょうよ」
「うん、あんまり高いのは躊躇しますけど」
駒を初期配置に並び終えた。
「音楽も流したいですね。狩谷さん、何かクラシックでも」
「かしこまりました。ショパンにいたしましょうか」
天井のスピーカーから優雅なピアノ曲が流れてきた。目の前のおっぱい丸出しバニーとのギャップがすごい……。




