1-7 真天先輩の♥アブなすぎる水着♥
スリングショットという単語自体は俺も知っていた。ゴムで弾を撃ち出す武器のことで、要はパチンコだ。異世界ファンタジー小説にもしばしば登場する。
どうやらその形状から名前を取った水着らしい。いや水着と言っていいのか……?
「どこでこんなの買ったんですか? まさかオーダーメイド?」
「いえ、ネット通販です。わたしも狩谷さんに聞くまで知らなかったんですが」
ビーチパラソルを設置し終えた狩谷さんに目を向ける。
「セクシーな水着で唯人くんを悩殺したい、と相談されまして。その候補のひとつとして、ジョークのつもりで挙げていたのですが」
「ジョークかよ!」
「いや、まさか実際にお選びになるとは。お嬢様の大胆さをこの狩谷も見誤っていたようでございます」
「どうせなら、イクとこまでイッちゃおうと思って。だって高校生活最後の夏休みですもん。青春は一度きりなんですよ!」
裸同然の格好で、恥じらいはそれなりの真天先輩。
今までもノーブラで胸の谷間くっきりな自撮り写真を送ってきたことがあった。さっきまでのキャミワンピだって破壊力抜群だった。
しかしそんな過去をすべて置き去りにするようなエスカレートぶりだ。
「ちなみに後ろは、こんな風です♥」
くるんと振り返る真天先輩。
「んななっ……?」
その形状から予想はできていたけど……お尻は何にも覆われてなかった。
両肩から下に伸びる二本の生地が腰の辺りで合流し、一本の紐のようになって……尻肉の間に食い込む形になっている。
(こ、これが真天先輩のお尻……!)
バストほどじゃないにしても、大きなヒップだった。
それでいてキュッと引き締まっていて、とても健康そうな形をしている。本当にそこらのグラビアアイドルなど太刀打ちできないプロポーションだ。
彼女はあらためて俺に向き直り、上目遣いで見てきた。
「こんな格好、普通の海水浴場やプールじゃ絶対しません。もちろん両親にだって見せられません。でも、唯人くんなら大丈夫です」
「ま、真天先輩……」
「だって、あなたの将来の妻ですもの。愛する夫にはどんな姿だって見せられますし……むしろ見せたいです」
どこまでも扇情的でありながら、どこまでも純真な恋人だった。
「それとも……エッチすぎて、引いちゃいましたか……?」
「そ、そんなことないです!」
俺は即座に、全力で否定した。
「驚きましたけど……真天先輩がそれほどの気持ちで選んだ水着なんですよね。だから俺も……すごく嬉しいです」
「ドキドキ興奮、しちゃいます?」
「してます! しっぱなしです!」
全身の血液が熱を持って暴れ回る。特に下半身で。
(サポーターもちゃんと穿いといてよかった……)
穿いてなかったら、我の我がとんでもないことになっていた。
「さ、海に入りましょう!」
白浜を蹴立て、軽く走り出す真天先輩。
「私はここで待機しておりますので、どうぞごゆっくり」
狩谷さんはビーチパラソルの下にレジャーシートを敷き、腰を下ろしてスマホをいじり始めた。
とにかく、海水で体と頭を少し冷やそう。俺は真天先輩のほとんどヌードのような後ろ姿を追いかけた。
波打ち際に立ち止まり、年上彼女は子供のようにはしゃいでいる。
「きゃっ、冷たい♪」
少し身をよじるだけで、自然と特大の双峰がぶるんぶるん揺れる。今にもハミ出しそうで……ハミ出ない。
「ほらほら、水攻撃っ!」
隣まで来た俺に、両手ですくった水をかけてくる。
「やったな、お返し!」
「ひゃあんっ!」
海辺で水をかけ合う恋人同士。こんなの、漫画やアニメにしかない光景だと思っていた。
でも、実際にあったんだ。俺は今、全力でラブコメしている……!
「ねえ、唯人くん」
「はい、何ですか?」
「わたしの胸……ううん、おっぱい。もっとジロジロ見てくれていいんですよ」
できるだけ爽やかな空気にしようと思っていたのにいきなりなんてこと言うんだ。
「い、いや、それは」
「見てほしいからこそ、こんな格好してるんですよ?」
わずかばかりの生地で頂点だけが隠された、真天先輩のLカップ。
たっぷりと水を浴びて、濡れて艶めいて……男子高校生にはあまりにも目の毒なふたつの巨大な膨らみ。
いや、エロスの塊だ。男を惑わし堕落させる禁断の果実だ。
「どうしてこんなに育ったんだろうって、自分でも不思議だったんですけど……わたしのおっぱいは、唯人くんのためにこんなにおっきくなったって思うようになりました♥」
「俺の……ために……」
おっぱいや ああおっぱいや おっぱいや
俺は心の俳句をしたためてから、仰向けに海面へとダイブした。
「あらまあ、唯人くん?」
前屈みになって、猛烈に谷間を寄せながら俺の顔を覗き込む真天先輩。
口の中に塩味を感じながら思った。この旅行中、俺の理性ははたして耐えてくれるのか……。




