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勇者志望の俺が、ラスボス役になっちゃった  作者:


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第七話 逃亡劇

「いいの? 私をどこかへ連れていって?」

「どういうことだ?」

「だってこの感じ、デストピアとどこがが今戦争でもしてるんでしょ?」

「あぁ。ノガレスと今戦っている」

「きっとミドレは姫である私が誘拐されてかなり起こっていると思うの。ミドレは強いからきっとデストピアも倒してしまうかもしれない。だけど、この戦争に巻き込まれて私が死んだことにすればミドレの怒りも少しはノガレスに分散されるかもしれないわよ」

「何が言いたい?」

「そしたらミドレはデストピアとノガレスの二国を相手にすることになる。すると単純に考えて一国に対する兵力が二つに分散されるから滅びる可能性は少なくなるかもよ」

「なんでミドレの姫である君がそんなことを言うんだ?」

「……気の迷い」


この時のミスカンドラの表情には何かが隠されているのがわかった。


「あっあそこから外に出れる」


やっと出口を見つけ外に出ると、そこに広がっている景色を見て俺は言葉を失った。


血だらけで倒れている住民たち。その姿は見るも無惨で、もうデストピアの民かノガレスの民かも見分けることは出来ない。


頭と足を目で理解するまでも十秒ほどかかる。


「魔王様、どうしてここに。それにミドレの姫まで」


俺の存在に気づいたアージェンタムが語りかけてきた。しかし、俺は上手く答えられない。


「とりあえずミドレの姫は牢屋に連れて行け。魔王様。やりましたよ」

「お……おう」

「どうなさいました。お喜びにはならないのですか」

「いや嬉しいよ。よくやった」

「ありがたきお言葉。後で今回の戦いについてまとめるので魔王様は先に城内にお戻りください」


俺はアージェンタムの言われた通りに城の中へと戻っていった。本来は歩けば歩くほど目はその景色を視認していく。ただ、今はひたすらに戦場の様子だけが脳内を埋めている。


俺はまだこの世界をゲームだと思って甘く見ていた。ゲームだったら死ぬと言うよりかは倒すと言う感じだ。


けれど、さっき広がっていた景色は倒された人達ではなく、殺された人々だった。見た目こそ現実世界の人間とは少し違うものの、言葉を交わせて命があるだけで俺はこの世界の住民も人間だと認識していた。


つまり俺は初めて人が死んでいる光景を見たのだ。それも何百という単位で。


この世界はいい世界でもなんでも無い。平気で人が死ぬような世界だったんだ。

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