第六話 戦火飛び散るゲーム世界
アージェンタムがすぐにデストピアのあちこちから兵士を連れてくる。
「魔王様、こちらへ」
アージェンタムは俺を城一番下にあるシェルターへと案内した。
「魔王様、こちらでお待ちください」
「お、おい。アージェンタム」
「必ず勝ってみせますので、ご安心を」
そう台詞を吐いてシェルターを締め、アージェンタムは戦いへと歩んでいった。
このシェルターの中はとても寂しい空間だった。当たり前だか誰もいない、静かすぎて電気の通っている音さえもよく聞こえてくる。
より一層、ミスカンドラの気持ちがわかったような気がした。それは嬉しかった。この世界で俺とミスカンドラしかわからない感覚、まるで二人だけの秘密みたいだ。
「バンッッ」
衝撃音と共に城の外から大きな声が聞こえてきた。
きっと戦が始まったのだろう。
外は一体どうなっているのだろうか。戦いとはどういう感じなのだろうか。本当に銃や剣を持って戦っているのだろうか。
やっぱりゲームや漫画好きの生粋の男児故、どうしても戦いには興味が出てきてしまう。
このままシェルターにいてもつまらない。いっそのこと外に行って俺も戦いに参加してみたい。
そう思ったら最後、俺はシェルターから出るための方法を考えた。
アージェンタムはこのシェルターの鍵を閉めていったのでここに鍵はない。それに窓一つない閉鎖空間なので窓から脱出なども出来ない。
どうしよう。困ったなー。
叩いたりして開いたりして、そんなわけ無いか。
そう思いながら軽く扉を叩くと、その瞬間大きな音を立てて扉は粉々に粉砕された。
「え……」
確かに俺はラスボスの魔王だ。だけどこんなにも力が強いなんて……。自分で自分が怖くなるとはこういうことなのか。
情けなく壊れている扉を少し見つめたあと、外に行くために足を進めた。
しかし、こんなだだっ広い城内をまだすべて把握しているわけでもなく、どこに行ったら外に出られるのかわからずにいた。
こっちに行っても違う。こっちも違う。迷っている間に外は徐々に活気が減っていっている気がする。
早く行かないと戦いが終わってしまう。
すると、遠くから声が聞こえた。
「誰か、今外では何が起こっているの?」
この声、ミスカンドラだ。
俺はすぐさま声の方向に向かった。
「大丈夫か?」
「あっあなた。城の主人であるものがなんでこんなところに?」
「細かいことはいいから。それより万が一デストピアが負けたらここも危ない。どこかへ逃げよう」
俺はミスカンドラの手を取って外へと向かった。




