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勇者志望の俺が、ラスボス役になっちゃった  作者:


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第二十一話 動揺ゆえの焦り

俺は自分から遠ざかっていくルボアをただ見つめることしか出来なかった。


分かってたのかも知れない、もうルボアは戻ってくることないって。


城は揺れ、遠くから炎が上がっている。その光景がボーッとルボアの後を見ていた俺を呼び戻した。


下を見ると、ノガレスの兵士たちが慌てて戦闘準備をしている。


ノガレスは何と戦っているんだ? 一体何が攻めてきているんだ?


そう不思議には思ったが、迫り来る争いに考えている余裕もなく、俺はルボアの言葉を思い出し、この混乱に混じってノガレスから脱出することに決めた。


とは言っても、俺はどこにいけばいいのか、デストピアはここからだとどこにあるのか、

全てがわからないでいるので、絶望に打ちひしがれた。


しかし、矢はもうすぐそこまで飛んできている。


とりあえず、戦場から離れないとと思い、目的なしにひたすら遠くへと走った。


ノガレスの民達も一生懸命に逃げている。


道には矢が刺さった人の死体や、崩壊した建物に下敷きになっている人、それからもう死んでいる親を泣きながら健気に呼び続けている子供など、まるであの日を思い出させるかのような景色が広がっていた。


俺はなるべく周りに目をやらずに、ただひたすらにまっすぐ走り続けた。


この中にまたユーマのような子供が出てくると思うと、前が見えないほどに目が濡れた。

もう周りの人を気遣う余裕もない、皆、ただ自分が助かりたい一心に逃げている。俺も含めて。


すると、通りすがった人の中からある言葉が聞こえてきた。


「魔王様……」


誰だ、今俺を呼んだのは?

振り返った時にはもう遅く、辺りは逃げる人々で溢れかえっているので、結局俺のことを呼んだ正体は分からなかった。


ただ、俺のことを『魔王様』と呼ぶような奴、デストピアの者くらいしか考えられない。


気にはなるが、今はそんなことを言ってられる状況でもないので、必死に逃げた。


一時間ほど走って、ようやく戦から離れて安全だと思えるような場所までやって来れた。

しかし、ここからどうすれば。


『魔王様』と声をかけてきた奴の正体でも探ろうか、でももうノガレスからは離れてしまったから探す手掛かりもない。


だからと言ってデストピアがどこにあるかもわからない。


ここは人通りもないし、あるのはたくさんの木と川だけ。


途方に暮れていると、ふと俺は思い出した。


「そうだ、あれがあった」


俺はルボアからもらった謎の地図を取り出した。

これのバツ印が書いてあるところに行ってみよう。


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