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勇者志望の俺が、ラスボス役になっちゃった  作者:


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第十九話 過去の魔王

え? どうしてそんなことがわかったんだ?

俺はジョバンの意外な言葉に一瞬言葉を失ってしまった。


「な、何を言ってるんだ? 俺が俺じゃない? そんなわけでないだろ?」


慌てて反論をするも、どうもジョバンの元にはどの言葉も届いていないようだった。


「それなら……、自分の母の名前を言ってみ

なさい」

「俺の母……、それは……」


分からない。何も知らずにこの世界に来て魔王の親のことなんて考えたこともなかった。

どうしよう、この状況。


困っている俺を察したジョバンは見透かしたように口を開いた。


「分からないのか? エルドレだろ」

「そ、そうだ。エルドレだ。当分会ってなかったから忘れていた」


ジョバンはにやつきながら次の質問をしてくる。


「では、お前の誕生日はいつだ?」


次は誕生日だ。

それもこの世界に来てから一回も気にしたことがなかった。


また何も答えられない。ただ口を固くつむることしかできない。


「これも分からないのか……、五月十五日だろ?」

「もうこの年になると誕生日とかどうでも良くなるんだ」


苦しい言い訳をしながら何とかその場を乗り越える。


その後も、二、三個質問をされたが、どれもはぐらかして難を得た。


最後の質問を終えたジョバンは何とも読み取れない顔でこちらをジッと見つめてきた。


俺は嘘を誤魔化すように向けられているジョバンの視線からゆっくりと目を逸らした。


「まぁ、確かに生きとし生けるもの、全てに忘れることもあるからな。しかし、やっぱり変わってしまったようだな」


それと同時に、ジョバンの視線はより強いものへと変わっていく。


「先の戦でどうもデストピアの戦い方が変わったと気になっていたが、王がここまで変わったのであればそれも致し方ない」


俺は、とりあえずこの時間が早く過ぎてくれと心の中で願う。


「まぁ、こうやってゆっくり話せてよかった。寝床は用意してある。あとは下のものと言う通りにしてくれ」


やっとこの時間が終わった。

ジョバンの部下が俺を寝床へと案内していく。


しかし、俺はどうも気になっていた。それは俺、嫌、デビラスタの過去のことだ。


さっきまでの感じ、ジョバンはデビラスタのことをよく知っていそうだ。


聞くなら今しかない。


「そうだ」

「何かね」

「随分と俺の昔のこと知っているんだな。どうしてそこまで詳しいんだ?」


すると、ジョバンは見た目からは想像がつかないほどに高らかに笑い転げた。


そんな変な質問したか? と自分を疑いそうになるほどに。


少し時間が経ち、ジョバンの笑いも収まってきたところで、ゆっくりと口を開いた。


「それはそれは、デビラスタのことに関しては誰よりも知っているよ。だって……愛すべき弟なんだから」


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