第十七話 新天地
どれほど経っただろう。
辺りはすっかりと日が出ていて、鳥の鳴き声や生活音が聞こえてくる。
俺は何を……、俺は……俺は……。そうだ!
全てのことを思い出し、勢いよく体を起こすと、そこは見たこともないような街だった。
建物の造りや道の感じもデストピアとは少し違う。
ここはどこだ?
そう思っていると、後ろからルボアが話しかけてきた。
「魔王……デビラスタ。やっと起きましたか」
「ルボア、お前。どういうことだ! 全部教えろ」
「あまり暴れないでください。傷口が開きますよ」
その言葉で思い出されるように背中に痛みが走ってくる。
「こちらへ来てください」
案内された通り、ルボアの後を付いていくと、そこには大きな城が出てきた。
まるで俺が住んでいた城みたいだ。
城を見ていると、中から人が二人出て来た。
その二人に対して、ルボアはお辞儀をしながら口を開けた。
「こちらがデストピアの王。デビラスタです」
そう言ってルボアは俺を二人へと差し出した。
二人は大きく笑っている。
「いやー、ルボア。お前に人の心ってもんはないのか? 自分の国の王様捉えるなんてな」
「ほんとほんと。まぁでもよくやった。約束は守ってやるから安心しろ」
「本当ですか! ありがとうございます!」
ルボアは相当嬉しいのか涙が出ていた。
「よし。じゃあデストピアの王、ついて来い」
俺は何も知らず、何も聞かずにただただ二人について行った。
城の中はとても豪華で、本当に俺が住んでいたところにそっくりだった。
数え切れないほどの部屋の数。巨人でも届かないほどの高い天井。
一つだけ気になったことがあったので、二人に聞いてみた。
「一ついいか?」
「なんだ?」
「俺がここに着いた時、十歳くらいの子供のクビは一瞬になかったか?」
「クビ? そんなの聞いてないぜ」
「そうか……」
「子供のクビだなんて、趣味が悪いな。流石、魔王と言われるくらいだぜ」
俺の意識が戻った時、すでに辺りにユーマのクビはなかった。
ということは、きっと馬車に乗っていた男が目的地に着いた時、どこかへ捨てたのだろう。
せめて、墓くらいは作ってやりたかったな……。
そう思っていると、前を歩いていた二人が立ち止まった。
「着いたぞ。入れ」
そこは一際大きい部屋、言われるがままに扉を開けると、そこには一人の大柄な男が立っていた。
「失礼します。連れて参りました」
「ご苦労」
「失礼しました」
二人はすぐさまどこかへ行ってしまった。
「お前か、デビラスタは」
「あ、あぁ」
「自己紹介でもしよう。私はここ、ノガレスの王。ジョバンだ」




