第十四話 誘拐
どう言うことだ? 突撃? これでやっとデビラスタを捕獲できる?
俺は捕獲されるのか。なんで? どうして?
いや、心当たりは何個かある。前に戦ったノガレスかもしれないし、ミスカンドラを攫ったことを根に持っているミドレかもしれない。
どうしよう。今、部屋には俺以外に誰もいない。
ルボアは今の状況を城に報告するとか言ってどっか言っちゃったし、ユーマも部屋のトイレが壊れてたからってわざわざ近くのトイレまで行ってしまった。
多分、あと二、三分は二人とも帰ってこないだろう。その間に突撃されたらどうしよう。
とりあえず、部屋の電気を暗くして留守を偽るか。
「ピンポーン」
部屋のインターホンが鳴った。
これはどっちだ? ルボアかユーマか? それとも隣の奴らか?
「ピンポーン、ピンポーン」
考えている間にインターホンは何度でもなっている。もう出るしかない。
掛けていた鍵を開け、ゆっくりと扉を開ける。
「魔王、どうかなさいました?」
そこに立っていたのはルボアだった。
あいつらじゃなかった。その安心感から緊張を解く印の汗が流れてくる。
真っ暗にしていた部屋の電気をつけて中に入る。
「どうかしたのですか?」
「いや、なんでもない」
「そう……ですか」
「それよりルボア、確かにここはオンボロ屋敷だけど、でも意外と景色は綺麗だそ。ほら、あそこの川とかもここから見ると儚く見える。あれ? ルボア」
振り返るとルボアは扉の前から一歩も動かずに立ち止まっている。
「どうした? 部屋に入らないのか?」
心配した俺はルボアの元に行きながら声をかける。ただ、俺の言葉には何も返してくれない。
何があったんだ?
すると、一言、ルボアが口を開いた。
「ゴー」
「え?」
その瞬間、ルボアの後ろからガタイのいい男三人が俺に向かって殴りかかって来た。
「なんだ! お前たち! おい、ルボア、どう言うことだこれは」
ルボアはそっぽを向いたまま俺と顔を合わせようとしない。
殴られて薄れゆく意識の中、俺は懸命にルボアに話しかけた。
「おい、ルボア! ルボア!」
しかし、結局ルボアは俺の方を見ることなく、俺は意識を失ってしまった。




