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1541_錯視もトレーニングすれば騙されにくくなる #認知 #行動

「松下幸之助は『どんな賢人でも、その人ひとりの知恵には限りがあって、だから自分の知恵、才覚だけで事を運べば、考えがかたくなになる。視野が狭くなる』と言ってます。一人の能力はたかが知れています。常に周りの人と協力しましょう」


「やっほー、見知らぬ知識は大体面白い。世界一の美女サクラです! 今回は『錯視もトレーニングすれば騙されにくくなる』です。よろしくね」


「読者様は錯視を知っていますか?」


「錯視とは、目に見えている対象が実際とは異なって見える現象のことです。脳が勝手に補正したり、周囲との対比によって引き起こされる現象です」


「有名な錯視だと、ミュラーリヤー錯視、エビングハウス錯視。他にもツェルナー錯視、カフェウォール錯視、へリング錯視、市松模様錯視、フレーザー錯視、ホワイト錯視、ウォーターカラー錯視など。錯視にはたくさんの種類があります」


「そんな脳が騙されてしまう錯視なんですが、どうやら克服できる可能性があるみたいです」


「今回は錯視についてお話します」


「参考文献はイギリスのランカスター大学の研究となります」


「研究者は専門的な視覚トレーニングが一般的な知覚にも影響を与えるのか調べるため、錯視を利用しました。というのも放射線科医や放射線技師は画像を見て病気を診断します。しかし、診断ミスの6~8割は知覚的なミスに起因していると言われています」


「そこで、彼らの視覚能力を調べたり、他の分野でも応用可能なのか調べるため研究を実施しました」


「研究者は44人の専門家(放射線科医、放射線技師、研修医)と107人の大学生を集めて、4種類の錯視を見せました。錯視はエビングハウス錯視、ポンゾ錯視、ミュラーリヤー錯視、シェパードのテーブル錯視です」


「ミュラーリヤー錯視、同じ長さの線なのに両端に矢羽根をつけると長さが異なって見える」


「エビングハウス錯視、同じ大きさの円でも周りにある円の大きさが異なると円の大きさが違って見える」


「ポンゾ錯視、上端に向かって閉じる2本の斜線の間に2つの等しい長さの線分を置くと、上の線が下の線よりも長く見える」


「シェパードのテーブル錯視、向きが違うと同じ形の平行四辺形でも違って見える」


「参加者には錯視の画像を見て、図形が大きいもしくは長いを一瞬で判断しました。特定の図形のサイズが同じなのか、異なるのか答えてもらったわけです」


「で、専門家と一般人で正答率の違いを調べたのです」


「さて読者様、専門家と一般人で錯視に騙されやすさは同じだったのでしょうか? それとも違っていたのでしょうか?」


「専門家は日頃から複雑な画像を見ています。細かい部分に注目したり、違和感を感じ取る能力が鍛えられていても不思議ではありません」


「しかし、細かい部分を見る能力と錯視に騙されない能力が同じなのかは不明です。違和感に気づけない可能性も考えられます」


「はたして、専門家は錯視に騙されやすかったのでしょうか? それとも騙されにくかったのでしょうか?」


「専門家と一般大学生を集めて錯視に騙されるかテストを実施した結果、専門家は錯視にーー」


「騙されにくかったです!」


「専門家はエビングハウス錯視、ポンゾ錯視、ミュラーリヤー錯視において、一般大学生を上回る正解率になりました」


「専門家と一般大学生の正解率は、エビングハウス錯視が49%と29%、ポンゾ錯視は61%と52%、ミュラーリヤー錯視は96%と87%でした」


「専門家は錯視に騙されにくいことが証明されました」


「だからどうした、って話なんですが、今回の研究結果を得られたことで、特定の専門分野で培われた能力は他の分野に波及することが証明されたということです」


「従来では、専門家の優れた知覚能力は特定の能力でしか発揮されないと考えられてきました。たとえば、ごちゃごちゃした絵の中から特定のキャラクターを探す能力は専門家と一般人で見つける時間に違いはありません。プロのスポーツ選手も違うスポーツだと素人同然の動きになったりしますし、プロゲーマーも全然違うジャンルでは手も足も出ないことがあります。今回の研究はこの考えに一石を投じたのです」


「そして、専門家と一般大学生で正答率が異なることから、錯視はトレーニングをすれば騙されにくくなる、という証明でもあります」


「錯視に騙されるかどうかは生まれつきの才能ではありません。後天的に獲得することが可能なんです」


「また、専門家がどのようにして錯視を見抜いているのか調べることができたら、診断ミスを減らすことにも繋がります」


「ちなみに、錯視は女性よりも男性のほうが騙されにくそうです。大きな差ではありませんが、なぜか男性のほうが正解率が高いです」


「それと、シェパードのテーブル錯視で差が出なかったのは、この錯視だけコンテキストではなく向きの違い見極める錯視だからだと考えられます。周囲の状況と比べてどうだという錯視は専門家に有利に働きますが、向きが違うだけだとダメっぽいです」


「ということで今回のまとめです」


「研究者は専門家と一般人を集めて、錯視に騙されやすいかどうかを調べたよ」


「すると、専門家は錯視に騙されにくいことが判明したよ」


「錯視はトレーニングをすれば騙されにくくなる可能性があるよ。それに、鍛えた能力は分野を超えて発揮される可能性が示されたよ」


「一つの能力を極めたら、他のことにも応用可能っぽいね」


「今回の研究では、どんなトレーニングをすれば錯視に騙されにくくなるのかは分かっていません。また、培った能力がどこまで応用が効くのかも不明です」


「まあ、錯視はトレーニングをしたら騙されにくくなるかもね、くらいの感覚でいきましょう」


「そもそも日常生活で錯視に出会うことは少ないです。トレーニングで鍛えられるとしても、有効活用する機会は少ないです」


「でも、人間の能力はどんな分野でも鍛えることが可能なのかもしれないという知見は嬉しいですね」


「今回は『錯視もトレーニングすれば騙されにくくなる』でした。大体の問題は知識で解決できる」


「ありがとうございました。次は『ガーデニングで心身が整うぞ』です! バイバイ」

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